中東危機の今こそ、脱石油依存と再生可能エネにシフトを


時代刺激人 Vol. 332

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。

ガソリン補助は石油消費促す結果になり危機対応に逆行?

今、政策判断が問われるのは、原油高騰対応の物価対策としてのガソリン補助だ。政府が2026年3月19日からレギュラーガソリンの全国平均価格を1リットルあたり170円程度に抑えるため、石油元売り会社を通じてガソリン対策補助金を出した。

ところが石油消費を促す結果になり、脱石油依存につながっていない。政府補助金は月額で5000億円にのぼっている。半年間で3兆円だ。この際、政府の危機管理対策としては、ガソリン補助を廃止し、国民生活に影響が出ているナフサ対策に充当するのが選択肢だ。

第7次エネルギー計画「再生エネ比率40~50%」前倒しを

もう1つのテーマに移ろう。太陽光や風力など再生可能エネルギーは、石油などの主力エネルギーに比べ日本全体の膨大なエネルギー需要をまかなうには非力なことは事実。しかし、政府は、第7次エネルギー基本計画で、2040年時点での太陽光など再生可能エネルギー比率を40~50%とし、石油に代替させて主力エネルギー化する案を描いている。

今こそ、大胆な発想の転換が必要で、基本計画の前倒しを検討すべきだ。日本は、中東危機対応で再生可能エネルギーへのシフトを鮮明にした、と世界にアピールすればいい。

大容量かつ長時間の電力貯蔵対応に加え送電線網が必要

太陽光など再生可能エネルギーの課題は、発電量がピークに達した際への対応を含め大容量で貯蔵するための大型蓄電池システムづくり、発電した電力を安定的に供給する送電線ネットワークづくりか必要だ、と専門家は述べている。私も全く同感だ。

急速な技術革新で、これまで数時間貯蔵が限度のリチウムイオン電池に代わって、レドックスフロー電池やMAS電池という、長時間貯蔵が可能な大型蓄電池が開発された。水を電気分解して水素を生成させ、水素エネルギー貯蔵する技術も磨きがかっている、という。

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