



さて、もう1つのテーマである太陽光や風力など再生可能エネルギーの積極活用を強く求めたい。石油などの主力エネルギーに比べ日本全体の膨大なエネルギー需要をまかなうには非力なことは事実。しかし、中東危機時にこそ、政治に大胆な発想の転換が必要だ。
政府の第7次エネルギー基本計画では2040年時点での太陽光など再生可能エネルギー比率を40~50%とし、石油に代替させる案を描いている。これらエネルギーには地球温暖化を引き起こす温室効果ガス排出リスクがないこと、中東など海外での地政学リスクも石油とは対照的にゼロに近いことを踏まえ、この基本計画の繰り上げを検討すべきだ。
石油、天然ガスの主力エネルギーは、輸入にあたって為替変動リスクがある。最近の為替円安の状況下では輸入価格高に円安要因が加わり円換算で国内物価を押し上げている。この点、再生可能エネルギーは為替変動にさらされるリスクがないのは大きなプラス要因だ。
ところで、政府のドル売り円買いの為替介入は難題だ。ドル基軸通貨国・米国の反発を招きかねない。しかも巨額のドル資金が動く国際金融市場での通貨介入も効果に限度がある。2026年5月連休の外貨取引が少ない時期を選び、政府は、外貨準備を取り崩して11兆円強の為替介入を行ったが、1か月間で金融市場に押し返され、円安状態が続いている。
政府の究極の円安対策は、日本経済を強い体質にして、海外からの対日投資を積極的に引き出すような魅力ある国にするしかない。しかし、日本経済の現実は、バブル崩壊後の後遺症としての長期にわたるデフレ経済から離脱し、逆に中東危機の影響でインフレ警戒が強まっているのに、政府によるデフレ脱却宣言は未だに出ていない。何とも歯がゆい事態だ。
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