「防災・減災・再生」自然災害の多い日本にITという武器で挑戦し続ける!
ライト工業株式会社
代表取締役社長兼最高経営責任者
鈴木 和夫
建設業界の中で創業以来、自然災害の多い日本に必要な「防災・減災・再生」を使命とし、独自の技術を以て発展し続けている企業がある。ライト工業株式会社。他社とは一線を画した経営戦略と、創業以来引き継がれている企業DNAを元に、発展し続けるライト工業株式会社のリーダー、鈴木和夫の成長戦略に迫る!
鈴木例えばSI(Spatial Information)事業というのがあります。これは空間情報事業って、また毛色の変わったところなんですけれども。この技術はですね、当時阪神淡路の震災の経験から来ているんですが、ああいう災害が起きた時にいかに情報をスピーディーに、なおかつ詳細に把握できないかというところでですね、当初は人工衛星とか航空機のデータをそのまま直接画像処理して、それで被災地を見つけるとかですね、どうなっているといったようなことを始めたんです。これから今求められているのは情報化施工ということですね、現場で三次元化した図面を見ながら、一緒に施工していこうというようなシステムなんですが、こういったものに今後繋げていきたいなと、そういう風に思っています。
蟹瀬我々が一回聞いても、なかなか理解できないところはありますけれども、そういう三次元のものを、ITとまさにこう合体したというか、そういう技術ですよね。そうすると、その中でいろんなシミュレーションも行えたりするということですね。
鈴木そうですね。例えば一本切り取って現場に建物を建てたと、そうすると緯度経度ですね、何時何分にどういう日が当たって影がどのくらいできるとか、この建物ができたらどういう風に見えるとかですね、そういったものがシミュレートできるんですね。
蟹瀬これはやはり技術として、僕すごく大きいなと思います。以前だったらそういうには現場行って測ったりとか、大昔だったらしなきゃいけなかったわけでしょうね?
鈴木できたものを予測するとかですね。そういった意味では、これから本当に面白いかなと思っています。
蟹瀬その他は事業としてどうですか?
鈴木元々土木の会社なんですが、2008年に建築事業というのを起ち上げました。2008年と言いますと、ちょうどリーマン・ショックの時なんですね。多くの建設会社がいわゆる破綻したり、あるいは事業縮小したりという時期に建築をやろうと言うんですから、これは社内外からかなり反対をされました。
蟹瀬そうでしょうね。
鈴木ええ。それでも目の前にできる仕事があったということで、本当に人材集めですとか、がむしゃらに組織作りをして、それでスタートしたという事業なんです。もう数年になりますけど、今やその事業も100億事業に成長しています。
蟹瀬言ってみれば、みんなが逃げたところへ敢えて入っていって、それが今成長してきているということですね。
鈴木結果的に時代に逆行した形になったんですけれども、やはりこれがうまくいった、成功した大きな理由というのは私、三つあると思っているんですね。いわゆる天・地・人ということなんですけれども。一つは天の時を得たということで、今まさに仰ったリーマン・ショックの時期に起ち上げたからこそ、いろいろなところから出てきた優秀な方を集められたというようなタイミング。それが天の時と思います。
それから地の利というのは会社の信用度なのですね。実績もない会社に建築を発注する人はいないと思われるかもしれませんけれども、ライト工業だったら財務的にもしっかりしているし、最後まで逃げないで完成させてくれるだろうと、そういう意味で全く、会社という地の利を得たと。
それから人の和というのは、やはりライトの建築というものに対して、社内外の方がいろんな協力をしてくれました。そういう意味では本当に皆さんが協力して人の和を以てできたと。そういう意味で成功の三要素がまさにそのタイミングで合わさったと。そういう意味で本当に感謝していますね。
白石すばらしいですね。そういった創業のDNAを今後どのように生かしていきたいとお思いですか。
鈴木やはり私共の本業のところは防災関係の技術なんですけれども、先ほど話も出ましたけれども、日本は本当に世界的に稀な自然災害多発国、この認識をまず忘れてはいけないと思いますね。都市部で言えば液状化を防止するとか地盤を強化するとか、そういったところの技術を益々発展させていきたいと。
そのための機械ですとか工法の開発、これをコアにして進めていきたいなと。それにこうやって老朽化したインフラの再生といった需要も、これからは益々増えてくると思います。東京オリンピック、パラリンピックの需要というのもありますし、またはリニア新幹線ですね、この辺の関連もあるかと思います。
そういった中でやはり忘れてならないのは、東北の震災の復興ですね。これはやっぱり日本に積み残した、繁栄の日本の中で積み残した地域があってはならないと思っています。東北の復旧にもっと力を入れていきたいと、本当に思いますね。
蟹瀬私も折に触れて震災地、被災地へ行くのですけれども、復興が全然進んでいないと言ってもいいぐらいの状況ですよね。そういう意味では、忘れてはいけない大事な仕事ということになりますよね。今日僕お話伺っていて、やっぱり土木という言葉から持つイメージと、ITと融合していって非常に先端的な技術を作り出している土木っていうのと、一般的な見方がずいぶんズレているなという気がしますよね、今の現状と。今お話伺っていると本当に面白そうだなあと。是非、素晴らしい技術もお持ちですので、頑張っていただきたいと思います。
鈴木どうもありがとうございます。
蟹瀬ありがとうございました。
鈴木辛い経験を辛いと思うか、自分を磨く貴重な経験と捉えるか。気持ちの持ち方、考え方、心の置き所によってその後の人生に差が出ると思います。自分の経験を信じて明るくポジティブに生きてください。道は必ず拓けます。
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