人のためと書いて「偽(にせもの)」と読む。超高齢社会を見据えた成長戦略とは?
株式会社メディカル一光
代表取締役社長
南野 利久
調剤薬局の経営を事業目的として設立された、株式会社メディカル一光。以来医薬品卸、介護付き有料老人ホームの運営を手掛け、JASDAQ市場への上場を果たした。その代表取締役社長・南野利久は今、医療と介護の10年先、20年先を考えた新しいビジネスモデルを構築しようとしている。超高齢者社会を見据えたさらなる成長戦略、その全容に迫る。
南野医薬品の卸も調剤薬局も、そして今展開しています有料老人ホームも、社会保障、国民が安心して暮らせる制度のもとですね、事業を展開していけば、安定成長ができるのかなと思って取り組んだ次第です。
蟹瀬まさにその言葉通り、社会の安心を保障していくための制度ということなのでしょうけれども、調剤薬局というのをやっていく、そういう事業ですね。これをやっていく上で一番大事な理念みたいなものは、どのあたりにあるというふうに考えればいいのでしょうか。
南野調剤薬局といいますのは、病気の方なんですね。ですから誰しも健康でいたいという願望がありますので、来たくていらっしゃる人はいないと。そういう人をお迎えするということで、高度な接客業だというふうに思っております。
白石高度な接客業ですか。
蟹瀬そういうとらえ方をする人は、今まであまりいなかったかもしれないですね。
白石そうですね。
南野やはり患者さんとのコミュニケーションが、行き届いているということだと思うんですけれども、あそこ行けば安心だというようなですね、そんな気持ちになっていただいて、来ていただきたいですね。
白石薬をもらうって、イコール不安な状態で行くので、そこで優しい言葉など何か投げかけてくれるだけでホッとしますよね。
南野病院では検査もしておりますので、検査で疲れて薬も出るという、そういった患者さんもいらっしゃると思いますのでね。
蟹瀬今お薬手帳というのを、だいたいみんな持つようになってきて、そうすると薬に関する説明とか、そういうのも薬局によって、とても細やかにやっていただけるところと、マニュアル型といいますか、そういうところと分かれますよね。あのへんはやはりビジネスとして…。
南野特にお年寄りの方は、重複診療といいまして、いくつもの医療機関で受診をしていますので、お薬手帳1冊あれば、それがどんな薬を飲んでいるのかということが、先生に説明しなくとも見てもらえれば、どんな内容なのかというのが分かっていただけるんですね。
蟹瀬調剤薬局だけではなくて、2007年には有料老人ホームを開いてらっしゃると。介護ビジネスへ参入ということになるんでしょうけれども、かなり経営判断としてはいろいろ考えられたと思うのですが、このあたり詳しく聞かせていただけますか。
南野調剤薬局の事業もわれわれが取り組んだときは、まだ黎明期と時代だったんですけれども、それが成長期を迎えて今成熟期にあります。これ以上の成長というのが難しくなってきまして、ちょうど7年前、私が50歳のときだったんですけれども、20年間やっていける仕事はないのかなというふうに考えて、20年間市場が伸び続けるというのは介護ビジネスなんですね。医療と介護というのは関連性もございますし、そういった中で介護ビジネスに取り組みたいと、それと70歳になってもまだ入所者の方から見れば、若いといわれる年齢なんですね。
蟹瀬制度的には介護保険制度、あれが導入されたというのが大きな、ターニングポイントになるのでしょうか。
南野2000年に導入されてですね、2007年に毎年市場は伸びていって、これなら自分でもできるのではないかなというような思いで、参入をいたしました。
蟹瀬あの当時、いろいろなところから介護ビジネスは注目をあびて、異業種の人たちがどんどん参入したと。ところが途中から制度がいろいろ変わってきて、それほど儲からないよねという雰囲気になったら、バタバタとみなさん姿を消していったという経緯があるのですが、そのあたりはどういうふうにご覧になっていましたか。
南野決して利益が潤沢にある事業ではないと思っておりますので、まじめに取り組んで、利用者の方が満足してもらう結果が利益につながるような、そんな仕組みづくりが必要だと思うんですけれども。
蟹瀬そしてその業界ではいわゆる2025年問題というのが、待ち構えているわけですね。少しご説明いただけますか。
南野2025年にピークアウトするのではなくてですね、お年寄りの数、特に75歳以上の方が2055年まで増え続けるんですね。
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