超高齢社会時代対応、日本が率先して先進モデルを


時代刺激人 Vol. 324

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。
2023/9/10

若者・シニア交流で政治動かし方向付け、新社会システムも

次代を担う子供たちの数が極度に少なくなる人口の少子化に、急速な高齢化が加わり、深刻な事態に陥っているのが今の日本だ。65歳以上の人口比率は現時点で29.1%にまで膨れ上がり、世界で断トツの超高齢社会国になった。この現実を衰退の予兆とみるか、アクティブシニアをつくり出して活気ある成熟度の高い国にするか、まさに正念場だ。

カギを握る1つが、若者とシニアの間の世代間交流だと考える。超高齢社会という新たな社会状況のもとで、シニア世代が数の面で比重が高まるのは事実。しかし、社会を動かす中核世代は今後の日本を長く担う若者世代だ。彼らがシニア世代にどう対応するかがポイント。若者世代からすれば、シニア世代の年金など社会保障を支える側に回って負担を強いられ、シニア世代への不満が根強く、注文も多いはず。そこで、2つの世代が世代間交流によって本音で語り合い、そのパワーで政治や行政を動かし新たな方向付けを行ってほしい。

シニアは若者世代との交流で化学反応を起こせ

私は日ごろから、人生椅子取りゲームにたとえて、シニアは自分の座る椅子にしがみつかず、若い世代に椅子を譲れ、そして、譲った後は、シニア自身で独自にアクティブに活動する面白い椅子をつくって、それぞれ棲み分けすればいい、と言っている。大事なのは、シニアと若者が世代間交流によって互いに刺激し合い化学反応が起きるようにすることだ。

化学反応は、全く異なる性質の物質が相互作用で新たな特性を持つ物質を生み出すことだ。シニアと若者の両世代が交流を通じて、たとえば、シニアが若い世代の持つ斬新な発想やアイディアに刺激を受け、これまで発想もしなかったシニア新市場を誕生させる可能性がある。また、若い世代も、シニアの持つ経験ノウハウや技術をベンチャービジネス立ち上げに生かし、ユニコーン誕生につなげる「大化け」もあり得る。楽観視はできないが、これらが好循環すれば、超高齢社会時代対応の新交流システムが現実になるかもしれない。

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