原点にこだわる!「昨日の不可能を、今日可能にする」の信念
株式会社ユーグレナ
代表取締役社長
出雲 充
貧困の現場で感じた思いを一貫して持ち続け、起業し成功をおさめたた男がいる。決してぶれることのない原点があるからこそ生まれるアイデアやバイタリティを持つベンチャービジネスのカリスマは、どのようにビジネスの素を発見し、それをビジネスへと結び付けたのか?
当時、ユーグレナに興味を持ち、営業担当として、奔走してくれたという、伊藤忠商事の伊東裕介さん
関係者彼との出会いは2007年のちょうど秋ごろだったと思いますが、出雲社長のことが新聞に多少、小さく載っていて、それを見た当時の私ども、ファンドの担当者と私が一緒に行こうと、どちらかと言うと、興味半分で言ったというのが最初ですね。
彼には、「いや、なかなか伊藤忠の投資が厳しくて、通らないんだよ」という言い訳をしながら会ってたんですけど、実は彼といろいろな話をして、彼の人となり、信頼できる男かとか、そういうのも話の中で見極めていきました。
かつ、出雲さん以外の全社員にも、同じような立ち位置で面談をさせていただいて、社員がやはり、全員同じ方向を向いていたので「信頼できる会社だ」というのが投資前の印象ですね。出雲社長のように、一つの素材を深堀して、全社員、全員が同じ方向を向いて、「この素材(ミドリムシ)を世の中に出したい!」という思いが、出雲社長も熱いんですけれども、周りの社員の方々からも熱い思いが感じられたというのは非常に新鮮でした。
蟹瀬出資が、要するに、可能になった、その最大の理由は今、振り返られて、なんだったとお思いになりますか?
出雲伊藤忠さんに認めていただくまではですね、もうほとんど一方的に私が「ミドリムシの何がすごいか」というのをずっと話していただけだったんです。でも、伊藤忠さんと一緒にディスカッションをして、「いや、あなたはミドリムシのことが好きかもしれないけど、もっとミドリムシのことを知らない人に別の切り口で分かりやすく、説明しなくてはいけませんよ」ということを何回も鍛えられて、それで、私もミドリムシの説明の仕方がだいぶ、変わったと思います。
出雲やはり、人の気持ちに届かないと、人の心を動かさないと、どんなに価格的にいいものであっても、仕事にはビジネスにはならないんだということを教えてもらいました。
蟹瀬なるほど・・・。
心に秘めた夢と希望。何があっても諦めない勇気。それが、出雲が持つベンチャースピリット。
蟹瀬この支援を受けて、環境がガラッと変わりました。そのあと、どういうふうに具体的な展開をされていったのですか?
出雲ミドリムシの最高にいいところは、勉強すればするほど、ミドリムシをやればやるほど、「ミドリムシ、お前はこんなこともできるのか」と。その中の一つで、私も一番、衝撃だったのが、ミドリムシを絞って、ジェット燃料が作れるということです。それで、そういう可能性が見えてきて、たくさんの石油会社や航空会社と一緒にサポートをしていただいて、今、ミドリムシから国産のバイオジェット燃料を作る、そういうプロジェクトを進めています。
現在、ユーグレナではミドリムシから精製した燃料をいすゞ自動車と共同開発。この燃料を一部利用して走るバスを運行している。
福井本当に、大きな夢もありながら、原点に戻りますと、起業のポイントでした、この貧困、そして、栄養失調を助けたいという思いがあったと思いますけれども、そのあたりで具体的に今されていることというのはあるのですか?
出雲はい。一つ目は「ユーグレナGENKIプログラム」というのですが、今、毎日ですね、バングラデシュの7000人の小学生にミドリムシの入った給食を食べてもらっている、届けてるんですね。それで、この7000人の子供たちはみんな、毎日、ミドリムシの給食を食べてますから、元気にスポーツと勉強を頑張っています。
このほかにも、バングラデシュ初のノーベル平和賞に輝いたムハマド・ユヌス博士率いる、グラミングループと合弁企業を設立。バングラデシュの農民が育てた緑豆を日本の技術で安定的に生産させ、バングラデシュと日本で販売、供給しようという「緑豆プロジェクト」を展開している。
蟹瀬グラミン、あるいはユヌスさんとの出会いというのはどのあたりだったのですか?
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