KLab株式会社の成長戦略を象徴する業態転換の仕組みと必要性
KLab株式会社
代表取締役社長
真田 哲也
受託型のソフトウェア開発事業から一転、自社開発のソーシャルゲーム開発に業務転換し、成功を収めたKlab株式会社 代表取締役社長 真田 哲弥氏は、会社が成長するための柔軟な変革の必要性を訴える。成長戦略の一環として導入した国際分業化とはなにか。また、社員の能力を向上させる新陳代謝の良い経営とはなにか。その核心に迫る。
真田受注型のビジネスの場合、しっかりきっちり正しく作らないと。仕様、決められた通りのものを作らないといけないですね。
蟹瀬そうですよね。
真田それを決められた通りにやることが重要なのですが、一方で今我々がやっているソーシャルゲームみたいなものは、仕様なんてどんどん変えていくのです。やりながら、こっちの方がいいと思ったらじゃあそこを変えようって、最初に仕様をきっちり決めてやるんじゃなくて、作りながら考えていく。こっちの方がよかったら、じゃあそうしようって、どんどん技術者と企画者が一緒になって作っていくような作り方で、そこのスタイルがまるで違うのです。ですので、ここの感覚を転換することっていうのが非常に難しいです。
蟹瀬だけど、ご自身では、先ほどもうやるしかないとおっしゃいましたが、ひょっとして失敗するのじゃないかと、こう頭の中で思われたりされなかったですか。
真田そうですね。もうその時点で社員が100以上の会社でしたので社員を路頭に迷わせるわけにはいかなかったので、勝負をかけつつもリスクヘッジとして、例えばそのゲーム部門は、本社化して100%子会社でゲーム事業をスタートさせているのです。これは上手くいかなくなったら、そのゲーム部門に外部からのベンチャーキャピタルとかの資本を入れたりできるように、あらかじめそういう資金がショートした時の対策を事前に打つということも一方で片ややりつつ、社員の前では絶対にいけるからという両面でいっています。
蟹瀬じゃぁ、家に帰ったら布団の中では、大丈夫かなと。
真田そうです。不安ですよね。ヒットするまでの間は不安でしたよね。
白石では、続いての成長戦略を象徴する言葉は何でしょうか。
真田「国際分業化」です。
業態転換で受託型事業からの転換を図り、成長路線に乗せたKLab株式会社の代表取締役社長、真田哲弥。その真田の次なる成長戦略、国際分業化とは。その核心に迫る。
蟹瀬さて2つ目の成長戦略のキーワードということで、国際分業化とおっしゃいましたけれども、その前にそのベースになっているいわゆるITの環境ですね、2000年に会社を作られて、今そんな長くは経っていないのですが、相当その環境って変わっているものなのですか。
真田もう、えらく変わりましたね。実は私、今の会社の前にサイバードという会社も経営していたのですが、ちょうどiモード、日本でiモードの大ブームがあった時に、海外にiモードコンテンツ、iモードビジネスを輸出しようとしまして、色んな国にその現地法人や拠点を作って、色んな国でコンテンツビジネスをやろうとしたのです。
私だけではなくて、色んな会社がそれをやったのですが、結局1社も成功しなかったのです。その頃は、例えば通信キャリアさん、携帯電話キャリアさん1社ずつ、1国1社ずつ、1つの国ごとに個別に契約して、その国の法律に則って、その国の制度にのっとってやる。データーセンターを借りて、サーバーを置いて、サーバーを置くってことはそこにメンテナンス要員、技術者を配置してということを全世界でやる必要があったのです。
蟹瀬自前でやらなきゃいけないのですね。
真田自前で。ところが今はですね、クラウドサーバーというものができて、これももう(国内に)居ながらにして東京からネット上で、インターネットで操作をする。その全世界のサーバー上にそのプログラムを置くことができる。自分自身で全世界にそういうことをやる必要が全くないんですね。ここがもう大きく変わったところです。
蟹瀬もうインフラが便利になったということですね。
真田そうですね。世界共通のインフラができたので、極端なことを言うと、海外全世界でビジネスをするのに自分の自宅から一歩も出ずにできる時代ですね。
蟹瀬なるほどね。そういう中で国際分業化とおっしゃいましたけど、具体的にはどういうことを分業するのですか。
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