KLab株式会社の成長戦略を象徴する業態転換の仕組みと必要性


KLab株式会社
代表取締役社長
真田 哲也

特選インタビュー

受託型のソフトウェア開発事業から一転、自社開発のソーシャルゲーム開発に業務転換し、成功を収めたKlab株式会社 代表取締役社長 真田 哲弥氏は、会社が成長するための柔軟な変革の必要性を訴える。成長戦略の一環として導入した国際分業化とはなにか。また、社員の能力を向上させる新陳代謝の良い経営とはなにか。その核心に迫る。

国際分業化で世界を舞台に新たな市場開発を目指すKLab株式会社、代表取締役社長、真田哲弥。次なる成長戦略、新陳代謝とは。その背景にある真意に迫る。

蟹瀬3つ目のキーワードとしては、新陳代謝ということをおっしゃいました。新陳代謝って言うと、体のことは分かるのですけれども、企業の場合はどういうことを意味するのですか。

企業の新陳代謝

真田一度成功すると、何かもうそこに、それでいいやと思って、次のことに行かなくなってしまうことっていうのが多いのですけど、我々は成功して収益が出たらその収益を、どんどん次の新規事業に投資し、どんどん次の何かをやっていくと。でたくさんのものをやって、その中でダメだったら当然やめますし、上手くいっていても黒字の間に撤退するという、黒字撤退を毎年必ず何かやっているのです。

蟹瀬普通だったら黒字化をさせるのがまず目標で、黒字になったら続けるというのが普通の考え方ですよね。

真田そうですよね。黒字になっている状態でずっと続いていても、まだ黒字でもこのまま放っておくと、こう赤字になってしまうってことがもう明白な場合は、わりと早い時期に撤退ということもやります。どんどん下がっていっている事業だとモチベーションがなかなかわかないので、その人たちを次のまた新しいことに(挑戦させる)。この生み出すところに人間って一番パワーが必要で、新しいものを作ることをずっとやり続けると、従業員、社員の能力がどんどん上がっていくのです。

蟹瀬モチベーションも上がる。

真田モチベーションも上がるし、新しいことを生み出せる能力が身に付いていくのです。

蟹瀬だけど普通だと、企業で黒字が出ていると、だんだん減っていくのは分かるけど、まだ大丈夫と、もう1年大丈夫、もう2年くらい大丈夫だろうと、こう思っちゃうのが人情ですよね。でもそれじゃダメなのですね。

真田それじゃダメですね。もう黒字が出ている間に撤退の決断をしてやめていかないと。

蟹瀬それは経営者の決断ですね。

真田決断ですね。そういうことをどんどんやって、その分その人材を新しいことに移していくってことをやり続けて、それで新陳代謝を繰り返していくということをやり続けたいですね。

蟹瀬でもそのためには先が見えないとダメですよね。その先を読むっていうのはどういうことで考えていらっしゃるのですか。

真田基本的な精神としては、歴史に学ぶことしかできないと思っていまして。

蟹瀬意外ですね。

歴史に学ぶ

真田温故知新という言葉もありますけども、先なんて当然誰にも見えないのですが、過去を勉強することによって、パターンがあって、この先どうなるかっていう予測がある程度つくことがある。例えば一定の普及率を超えると、15、6%まで普及するのに2年、3年かかっても、15、6%、20%くらいを超えてくると、あとは一気に1年で8割くらいまで普及するみたいな、普及をする時の法則ってやっぱりあるのです。そういう法則性みたいなものをある程度勉強して理解していると、そろそろ来るなってことが見えますよね。
例えば、スマートフォンのアプリケーションの開発って、この3年前くらいから日本では言われていて、どんどんスマートフォンの開発に色んな会社が飛び込んでいったのです。それで、うちでも社内からやりたい、やりたい、やりたいっていう声が出ていたのですが、僕がまだだ、まだだと言って、ギリギリまで待って、昨年の秋からようやく、どっと一気に力を入れ始めたのです。
普及するタイミングを見計らって、適切なタイミングで一気に投資をかけていかないと、ムダなお金がどんどん出るので、そこもそんな3年先どうなるかを見られているわけではないのですが、じっと観察して、適切なタイミングで一気にアクセルを踏むみたいなことは大事だと思っています。

蟹瀬早ければ良いというものではないのですね。

真田早ければ良いというものではないですね。早かったらその間にどんどんまた変わっていきますから、そんなにすごく先を見る必要はないと思っています。僕はよく言うのですが、多くの人は10年後を過大評価して、1年後を過小評価する。だから、1年先に他の人が過小評価しているタイミングぐらいに一番アクセルを踏む良いタイミングが来ますよね。

蟹瀬そこをちゃんと見極められるか、そこの目を持たないといけないですね。

真田そうですね。

蟹瀬これからの経営者、かならずしもITだけじゃなくて、いろんな分野で必要なことですよね。

真田必要ですよね。基本的な精神としては歴史に学ぶ。先なんて当然誰にも見えないのですが、過去を勉強することによって、パターンがあって、この先どうなるかという予測がある程度つくことがあると。

過去の歴史に学び、未来を見つめること、それこそが戦略の鍵であり、成功への第一歩ではないだろうか。

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出演者情報

  • 真田 哲也
  • 1964年
  • 大阪府
  • 関西学院大学(中退)

企業情報

  • KLab株式会社
  • 放送日 2012.04.15
  • 業種:
  • ゲームソフト、インターネット関連
  • 本社:
  • 東京都
  • 所在地住所:
  • 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
  • 資本金:
  • 46億2,136万円(2017年9月末現在)
  • 売上高:
  • 195億9,900万円(2016年12月期実績)
  • 従業員:
  • 458名(2017年9月末現在)

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