「たじろがずに自分をかえていく」200年企業が次に乗り越える時代の潮流
鈴与株式会社
取締役社長
鈴木 与平
目まぐるしく変化する世界経済と地球環境。かつてない変化とスピードの違いに我々はどう向き合う。時代を牽引する賢者のターニングポイント賢者の選択。静岡県清水区。江戸時代の終わり頃に創業し、この港を拠点にして港湾物流事業を中心に発展してきた鈴与株式会社。鈴与は次々と新たな事業分野を開拓し、現在では140社を要するグループ企業へと成長してきた。1991年に参入した航空事業では富士山静岡空港の開港によって静岡発のエアラインが加速度的に充実しつつある。鈴与は港で発展してきた。これから空の港で発展する。創業200周年の節目を担う老舗企業8代目鈴木与平の未来戦略に迫る。
石田ターニングポイント賢者の選択、今回は港湾物流事業からエネルギー事業そして航空事業を手掛けられる鈴与株式会社取締役社長の鈴木与平さんをお迎えしています。
蟹瀬富士山静岡空港と言うのが開港され、これ相当地元の経済界は力を入れられたわけでしょ?
鈴木実は空港不要論というのも当時根強くて、経済界自身はですね、あんまり関心をお持ちにならなかったですね。
蟹瀬首都圏からも関西圏からもそんなに距離がないから、別に飛行機が飛ばなきゃいけないというわけところでもないだろうという議論。 そういう議論に対してやっぱりどのようにお答えになったんですか?
鈴木日本の経済というのはですね地方の時代と言われて。これはそれなりにどこに行っても同じようになったわけですけれども。文化の格差というのはですね、東京一点集中なんですね。いつまでたってもこの格差は減らないわけです。
鈴木我々地方に住んでますとこれはとんでもなく息苦しい世界なんですね。やっぱり我々が自分で文化のレベルを上げていかなきゃいけない。そのために何をしたらいいかと。やっぱり地方と地方が手を握ってですね。それで交流を深めてそれで文化のレベルを上げていく必要がある。例えば、外国へ行くのも必ず東京のお世話にならなきゃならないんです。新幹線で東京まで来て、成田空港から行く。あるいは新幹線で名古屋へ行って、名古屋からセントレア空港へ。
蟹瀬ただ現実を見た時にねJALはもう撤退しているわけでしょ?AIRDOというのは民事再生入ってますよね。スカイネットですか。アジア航空というのも産業再生機構入りというんでしょうかね。かなりの逆風ですよね?それでもやっぱりやらなきゃいけないと強い思いがおありなわけですか?
鈴木そうですね。まあ正直に言って航空事業自身は大変厳しい事業ですね。
鈴木ただ僕ら地方に住んでる者にとって、東京というのはこの人たちだけが素晴らしい文化を享受して、地方はいつもそこまで出かけてって行かなきゃいけないのかといつも思うんですね。やはり地方の自立というのは、本当は文化が自立しないと常々思ってるんですけれども。
蟹瀬そのためにはやっぱりインフラがきちんと整わないといけないと?
鈴木特に人の流れが変わってくというか。これが大事だと思いますね。
石田では鈴与が手掛けます航空事業、フジドリームエアラインズを取材してきました。こちらをご覧ください。
2009年6月4日全国で98番目となる富士山静岡空港が開港した。同年7月23日ついにフジドリームエアラインズが就航した。グランドハンドリングと呼ばれる地上業務には鈴与グループのSASが当たっている。機体はエンブラエル社製の小型ジェット旅客機ERJ170と175 が採用された。鈴木与平とこの機体との出会いが、エアラインビジネスへの本格的な参入を決定づける。FDAではフライトシミュレーターを所有しており、乗員訓練を社内で行える環境が整っている。JALのパイロットだった蓬莱さんは同じ大学のグライダー部の先輩だった鈴木与平から熱心な誘いを受けて転職してきた人物である。
関係者2005年の10月なんですが、鈴木与平からメールが入りましてエアラインいよいよやることになったと。ついては話を聞きたいので出てこいと。2時間半ほど夢について話を聞きました。鈴木与平がビジネスマンとして鈴与を今の大きさまで、祖先から受け継いだ鈴与を大きくしたと。
ちょうどタイミングよく静岡空港が開港する。ここで祖先が清水港でですね、鈴与を大きくしてきたのと同じように飛躍のチャンスである。腰を据えて200年やっている企業ですから、そこのトップがですね先のことを考えて投資をして将来にわたって回収していくと。こういう意味ではこういうのもありなのかなという風に思いましたですね。
蟹瀬ただこのエアラインビジネスに参入する前も、鈴与という企業は当然航空関係のビジネスもやってらっしゃるわけですよね?
鈴木はい。物流をやっておりますから航空貨物は当然一番早くからやっておりまして。もう一つは県の防災ヘリコプターですとか、新聞社の報道用のヘリコプター、それからビジネスジェットですね。これをやっている。これは小さな会社ですけどね、二つは前からやっておりました。
蟹瀬しかし航空事業をやってられたと言っても、エアラインビジネスとなると当然採算を取るというのは相当難しいと思うんですが。
蟹瀬今さっきのグライダー部ですか?
鈴木そうですね。航空事業を立ち上げるというのは、一つは採算取ること。もう一つは安全を中心にしっかり立ち上げるということ、二つあるんですが、こっちの立ち上げの方は、私の大学時代の後輩それから学生航空連盟ってあるんですけど。日本国中の大学に入って るわけですけれども。
鈴木いろんな大学のグライダーの経験者が馳せ参じてくれてですね。まあ支えてもらって作り上げたと言うことが言えると思います。
蟹瀬飛行機自体は何機ぐらいお持ちなんですか?
鈴木5機持っています。
蟹瀬5機。それはもうフル稼働と言う感じですかね?やはり機種の選択というのは航空機の事業やるときはものすごく大事になってるわけですけれども。
鈴木やはりこの機体との出会いというのはひとつこの航空事業に参入した大きな理由でもあり。これはロンドンのファーンボローというところでエアショーがあるんですけれど、ここで実機を見てですね、中の乗り心地それから全体の性能が今までの飛行機にないものを持っていたんですね。
たぶんプロはあれですけれども、ご存知のない方でしたらおそらく普段乗ってらっしゃる日本航空さんや全日空さんのボーイングとかエアバスとほとんど乗り心地が変わらない飛行機なんですね。
しかもこの飛行機は三菱さんのMRJというジェットなんですけれども。ですからこの5年間ぐらいはですね、このタイプの飛行機はこれしかないと思うんですね。ですからその間に日本の航空業界がものすごく変わるだろうと言うことでこの飛行機を選んだんですけどね。
蟹瀬割と適正サイズでフットワークよく回れることでしょうね。
2010年10月31日フジドリームエアラインズは富士山静岡空港と信州まつもと空港を結ぶ静岡松本線の運行を開始した。両空港を50分で結び、富士山、南北のアルプス、諏訪湖を眼下に望む美しいロケーションの路線である。現在FDAの運行路線は静岡松本、松本札幌 のほか、松本空港経由の静岡札幌、静岡小松、静岡福岡、静岡熊本、静岡鹿児島、松本福岡、松本鹿児島、名古屋小牧、福岡の地方と地方を結ぶ10路線となった。
関係者撤退するかもという話題が上がった時点で、何かしらの航空会社が残ってほしいというのは思っていました。それでFDAさんが来てくれるということになって本当に良かったなと思いましたね。
関係者結構眺めがいいもんで乗ってみようかなと思って。機体が小さい割にゆったりと座れるような気がする。
蟹瀬気になるのは料金の方ですが。これは相当を安く設定されてるんですか?
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