ピンチから一転、上場を支えた「正しく、既成概念にない」サービス力とは
プレミアグループ株式会社
代表取締役社長
柴田 洋一
独立後、間も無くのリーマンショック。事業撤退の危機に直面するも、一転、上場を果たす。事業消滅の危機を乗り越え、そして今なお成長を続けるプレミアグループが目指す、「価値あるライフサポートに向けた金融イノベーション」について、代表取締役社長 柴田 洋一が語る。その徹底した、現場のサービス力とは? 「正しいこと、既成概念にとらわれないこと」の信条が浸透したサービスモデルや、紆余曲折のエピソード。
蟹瀬 プレミアグループの強みという場合に、いろいろな業者がある中で、僕はどの辺が一番強みなのかというのがお伺いしたいのですが。
柴田 実はこの業界のプレイヤーは、ほとんどがいわゆる銀行系の子会社であったり関連会社なのです。その中で私どもが唯一独立系というところが少しユニークなポジショニングで、かつそれが我々の強みになっていると思っています。
蟹瀬 この独立系が強みになるというのは具体的にはどういう意味なのですか?
柴田 まず銀行系の場合ですと、どうしても銀行法という業法規制というのが非常に強くて、例えばいろいろなビジネスを展開したくてもできないという部分があるのです。私どもは、ワランティ事業についても、これは独立系だからできる事業であったり、また整備板金事業なんかも我々は実はやっているのですけれども、こういった事業も独立系であるからこそできる事業だというところで、我々は複合的に加盟店のいろいろなニーズに応えて、フリーに、しがらみなく商品を提供できるというところが我々の強みだと思っております。
蟹瀬 事業展開としては非常に広い分野でやれるということですか?
柴田 おっしゃるとおりです。
ドーキンズ 今後は、そのプレミアグループの強みというのはどのように活かして行こうとお考えですか?
柴田 我々はワンストップで……例えば加盟店さんのほうにいろいろな商品を提供していくことができる。例えば販売するときに事前に整備をして、直すところを直して商品にしていただくだとか。もちろん今コアであるオートクレジット、それからワランティもそうですけれども、今後は、例えばオートリースとか、こういったような事業も展開をして、いろいろな矢を矢継ぎ早に加盟店のほうに放つことによって、我々のビジネスを拡大していこうと考えております。
蟹瀬 まだまだ拡大の余地があるという感じがしますね。
柴田 ありがとうございます。
既成概念にとらわれず、強みを活かして差別化を図る。それがプレミアグループ成長の証。
ドーキンズ さて、柴田社長のプロフィールを拝見しますと、商社に就職された後、大手銀行傘下のファイナンシャル企業に転職されていますが、どんなお仕事をされていたのですか?
柴田 約30年間、いわゆるこういうクレジットに関わる仕事をずっとさせていただいていまして、ちょうど今から15年くらい前、車を販売される会社様のほうから……当時クライアントであったのですけれども、そちらから金融事業を立ち上げたいということがあって、ちょうど私が43歳のときに転職をしたという形です。
蟹瀬 そこで転職しようという決意は、一体何が一番大きな理由だったのですか?
柴田 やはり自分で何か事業をやってみたいという気持ちが非常に強くて、たぶんその気持ちが燻っていたと思うのですけれども、それがちょうどお誘いを受けたタイミングと重なって、思い切って転職したという形ですね。
ドーキンズ さあ、そして立ち上げられて、その後なのですけれど、順調だったのですか?
柴田 そうですね。事業自体は順調だったのですけど、当時事業を立ち上げたのが2007年になるのですけど、翌年にリーマンショックが起こりましたので、親会社自体で事業撤退もしくは売却という方針が出たものですから、私のほうとしては、すでに社員も雇っておりましたので、独立したいということで売却をしてほしいと、親会社のほうに依頼をしたというような経緯がありました。
ドーキンズ どれくらい売れる自信というのがあったのですか?
柴田 私の場合は、事業自体はやっていける、成功できるという自信があったものですから、すぐ売れると確信はしていました。しかし、いざ売却先を見つけるにあたって、実は30社ほど売却のお願いをしに行ったのですけれども、ことごとく「ノーだ」と。事業・ビジネスだというよりも、「この時代に金融事業に出資することはできない」と。
ドーキンズ 正直、そのときはどんなお気持ちでしたか?
柴田 本当に目の前が真っ暗になる、というのはこのことかと思うくらいの気持ちでしたね。
ドーキンズ そこから何か打開策というのがあったのですか?
柴田 その中で、SBIホールディングスの北尾社長をたまたまご紹介いただいたケースがあって、私どもの事業方針ですとか、またはこれからやって行きたいことをご説明して、北尾社長のほうに引き取っていただいたという形でございます。
蟹瀬 出資が決まって、いよいよ独立するわけですよね? ここからどのように事業を展開されたのですか?
柴田 そのときの業界自体、マーケット自体が、リーマンショックの影響があって、各社、かなり大きなリストラをされていました。そういった意味では、加盟店へのサービスというものが非常に劣化していたのですね。我々は逆にそこでしっかりとサービスを提供していこうということで、営業をしっかりと配置をして、丁寧に一軒一軒加盟店さんをフォローしていくという体制をとったというのが、我々が投資したところです。その後、株主が2社ほど代わったのですけれども、2017年の12月に、東京証券取引所のほうに上場させていただきました。
蟹瀬 世の中のピンチがチャンスになったということですね。
柴田 そうですね。おっしゃるとおりだと思います。
蟹瀬 国内のほうを見ると、少子高齢化は進んでいる、経済成長はあまり伸びる期待がない、これからの国内の需要をどのようにご覧になっているのでしょうか?
柴田 国内においては、マーケットは縮小してくるという考え方なのですけど、今後、東南アジアを中心に、海外については伸びが大きいというマーケットになりますので、我々もしっかりと出ていきたいと考えています。
蟹瀬 やはり新興国という経済成長率の高い国のマーケットを狙っていくということなのでしょうか?
柴田 そうですね。おっしゃるとおりだと思います。
蟹瀬 リスク自体は、当然先進国よりも高くなるのですよね?
柴田 もちろん、リスクは高くなると思います。
蟹瀬 しかしそのリスクを取っていく上で、一番重要になってくるのは人材ですよね? これはどのようにして集められている、あるいは育てられているのですか?
柴田 我々の会社の場合は、採用のときもそうですし、また社内に入ってからの研修を通しての教育もそうですけれど、バリュー、いわゆる価値観というものを非常に大事にしています。
プレミアグループでは、人として成長することを目指す共通の価値観として、「強い」「明るい」「優しい」の3つを掲げて実践している。
柴田 「強い」「明るい」「優しい」。これに共感していただける方、またはこの3つの要素をしっかり持ち合わせた方、こういう方を採用していきたいと考えております。
自ら立ち上げた事業の将来性を信じ、熱き思いと共にグローバルに展開をする。それが柴田がつくりあげたプレミアグループの礎。
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