日本列島創生論にある危機感と期待感の共存。「納得・共感」の政治をめざして

蟹瀬賢者の選択Leaders、ナビゲーターの蟹瀬誠一です。

福井福井仁美です。

蟹瀬今回は、今とても注目されている自民党の代議士、石破茂さんに登場していただきます。石破さんが提唱しています「日本列島創生論」。これは一体どういうことなのか、じっくりとお話を伺いたいと思っています。福井さんは、石破さんをどれくらいご存じですか？

福井ずっと政治の世界にいらっしゃって、強面（こわもて）なイメージは正直あるのですが、たまにコスプレをしていたり、少しチャーミングな一面も見せていただける方だなというイメージがあります。

蟹瀬地方創生担当大臣というこれまでになかった役割もされていますから、今回は特別編として地方創生をテーマに石破さんにお話を伺います。

地方から革命を起こせ！　石破茂が語る　日本列島創生論

衆議院議員、石破茂。
1986年、第38回総選挙にて全国最年少で衆議院議員に初当選。その後、防衛大臣、農林水産大臣等を歴任。
2014年、初代地方創生担当大臣に就任。現在、石破は「地方は国家の希望なり」を掲げ、日本列島創生論を唱えている。

石破地方の可能性を最大限に引き出す。東京の負荷を減らす。この2つをやっていかないと国がなくなる。その危機感でやっています。

地方から革命を起こして日本を変える！
石破が唱える日本列島創生論とは？

福井それでは、本日のゲストをご紹介します。衆議院議員、石破茂さんです。

石破こんにちは。

福井よろしくお願いいたします。

蟹瀬どうも、よろしくお願いいたします。お久しぶりです。ご著書の『日本列島創生論』。これは一体、どういう日本を目指すのか、じっくりお話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

石破よろしくお願いいたします。

今　そこにある有事、人口減少問題への危機感

福井さて、冒頭のVTRでもご紹介しましたけれども、今回は石破さんに日本列島創生論をテーマにお話を伺って参りたいと思います。まずは、どういったことを前提に考えれば良いのでしょうか？

石破それはこのままいけば、まず日本はどんどん人口が減る。恐ろしい勢いで人口が減るわけです。それも若い人が少なくて、シニアの人が多いという……。どうやって、社会を維持するのか。食糧をつくって、エネルギーをつくって、赤ちゃんが増えてですよ、東京もものすごく負荷がかかる。地方はどんどん衰退する。一体、日本はどうなるのか？次の時代の人たちにどんな日本を残すのか？ということです。

2015 年の国勢調査を基に国の研究所がまとめた推計によると、2045年までに東京を除くすべての地域で今より人口が減少するという。

蟹瀬今、石破さんがおっしゃったような危機感、これがたとえば、政府議会のなかでどのくらい共有されているのか、あるいは国民のなかでどのくらい共有されているのかというのはどうなのでしょうか？

石破今から5年くらい前に、増田寛也さんが『地方消滅』という本を書かれました。

蟹瀬大変衝撃的でしたね。

石破当時、自民党幹事長でしたが、国会の与党の代表質問であの本を取り上げてお話ししました。やはり、あれが一つの原点だったと思います。あの本は結構読まれました。では、それぞれの市町村に置きかえてみて、「じゃあ、うちの町はどうなの？」ということを市長さんや市役所の人たち、町長さんや町役場の人たちは知っていても、一般の住民の方々まで周知徹底していないのではないかと。漠然とは感じているけれども自分が生きている間はそんなことは起こらないという、そういう方も多いのではないですかね。そういうマインドである限りは、危機感は出てこないと思います。

生きている間は大丈夫だと思う人が多い危機のなか、初代地方創生担当大臣へ

蟹瀬初の地方創生担当大臣という大変な仕事だったとは思うのですが……？

石破私、あの仕事はやってみたいと思ったんですね。やはり、農林水産業、そして、地方。それは防衛と並んで、私のライフワークだったので……。それで、日本国中1718市町村のなかの、まだ250くらいしか回ってないですけどね。「自分はこんなに日本を知らなかったんだ」という驚き、反省が今でもすごくあります。