潜在患者数は530万人！まだ世に知られぬタバコと関係がある生活習慣病とは

小関　いっぱい息を吸って、そこから勢いよく吐いてください。

ドーキンズ　フー！

ドーキンズ　（小関さんから結果を受け取る）はい、ありがとうございます。ええ、嘘！？
私25歳なんですけど、肺年齢が34歳でした。プラス9歳。

小関　肺年齢はちょっとプラスで出てしまったんですけれども、こちらの（検査結果を指差す）。

ドーキンズ　これは正常ってなっていますね。

小関　そうですね。

ドーキンズ　これでCOPDかどうかわかるんですか？

小関　COPDの指標にはなる検査なんですけれども、これだけでCOPDと判断することができなくて、他にもレントゲンの検査であったり専門医の先生の判断が必要になります。

肺年齢

今村　肺年齢っていうのがありまして、その検査を受けていくといただくと、例えば40歳の方の肺の年齢が30歳代ですって言われれば、自分の肺は健康なんだなっていうのはわかりますし、40の方が肺年齢80って言われたら、自分の肺はそんなに老化しているのかっていうような、わかりやすい指標もその検査で得られることになっています。

COPD啓発プロジェクトでは、COPDの認知と普及活動を展開。肺年齢測定会、イベント、講演会などを全国各地で開催するなど、継続的に啓発活動を行っている。

悪化させない　COPDの治療

ドーキンズ　COPDと診断されると、どのような治療を受けるんですか？

今村　重症度にもよるんですけども、基本的には空気の通り道「気道」といいますけど、そこの炎症を抑えるお薬だったり、あるいは空気の通り道を広げてあげる、というような吸入薬ありますので、それを使うということが最初の基本だと思います。
そこからさらに、病気が進んでいくとやっぱり栄養がとても大事になりますので、良質なたんぱく質を摂るような食事療法。さらに、どうしても呼吸をするときに体の首からお腹までの筋肉をいろいろ使うので、筋肉の強化のためのリハビリっていうのがあります。「呼吸リハビリ」といいますけど。そういうリハビリを受けていただくと。
そして、一番重症になるともう酸素が十分に体の中に取り込めなくなりますので、「酸素療法」といって、酸素を人工的に吸うっていうような治療になるという。その病状によって段階がありますけれども、そういう治療があります。

身近な生活習慣病を知らない人に啓発活動を続ける。予防と治療の先にある健康寿命の延伸、それがCOPD啓発プロジェクトの使命。

日本医師会　日本医師会の役割

ドーキンズ　さて、今村先生のプロフィールを拝見しますと、医師そして日本医師会の副会長、さらにCOPD啓発プロジェクトの理事もされていますが、日本医師会としては今後の医療における役割については、どのようにお考えでしょうか？

今村　広い意味で医療全般の様々な医療制度であるとか、あるいは実際に病気になられた方の治療だけではなくて、その前の予防の部分ですね、健康診断だとか予防接種だとか、そういう予防の部分、そして、医療が必要になった人に適切な医療を提供し、さらには、地域の中で介護を受ける方たちも多いので、介護分野に関してもいろいろな取り組みをしていると。広い医療制度全般に関わっている団体というふうにご理解をいただければいいのかなというふうに思っています。
その中の一つが疾病対策ということで、いろいろ大きな病気たくさんありますけれども、それぞれにどうやって国民の方に良い医療を提供できるかっていう、いろんな取り組みを医師会としてもしているということです。

命を守る医師の総意の元に、時には国に意見し連携を取り、予防に努める。それが、日本医師会が進む道。