加速する人手不足!時代を読み、日本の製造業の担い手を育成する企業の挑戦
日総工産株式会社
代表取締役社長
清水 竜一
近年、日本の労働人口の不足は深刻な社会問題となっている。海外の働き手を呼び込む動きも顕著になる中、適切な人材を適切な現場に送り込むことは雇用側と非雇用側の両方の課題だ。日総工産株式会社は人材サービス業を中心に成長してきており、日本の製造業の現場に数多くの人材を送り込み、メイドインジャパンを支えている。代表取締役社長 清水竜一が唱える「働き方改革」、その真相に迫る。
ドーキンズ 具体的にどんなことを研修するんですか?
清水 はい。現場に実際に配属された方が自分の手を動かすときに、怪我をしたり、疾病にならないようにスムーズに現場に入れるような、そういった実際の機械をオペレーションしながら、そして現場に配属するというのが、最初の配属前の研修の大きな考え方です。
日総工産では全国に教育訓練施設を展開。人材の育成に力を注いでいる。
坪井 今回は宮城県にある日総テクニカルセンター東日本にやってきました。こちらで教育の現場を見させていただきたいと思います。
2016年、廃校になった小学校をリノベーションして開設されたこちらのセンターでは、現在およそ30名が多種多様なプログラムを受講している。
(インタビュー:製造統括部 エンジニア育成課 講師 大澤 和也さん)
大澤 どこの現場に行っても対応できるような基礎的な知識をまず得てもらって、工具の使い方、パーツについて、その他の実際に使うものを、実習として教えています。
実際に受講している訓練生に話を聞いた。
(インタビュー:訓練生 仙台事業所 菅原 健太さん)
(インタビュー:訓練生 仙台事業所 田中 聡一郎さん)
田中 車の工場にそのまま配属になる予定ですので、インクの塗布であったりだとか、あとはネジ締めについてやらせていただきました。
菅原 実際の作業内容に沿うような作業だったので、不安も少し解消されたかなと感じます。
田中 現場でしか学べないこともあると思いますが、こういった研修施設でしか学べないこともありますので、そういった両面から技術を高めて支えていけるように頑張っていきたいと思います。
菅原 製造の現場は結構派遣社員が多くて、現場を支える一つの柱になってきていると思うので、自分もその一員として頑張っていきたいと思っています。
こちらのセンターでは、製造業のノウハウを包括的に学べるため、宮城県から認定職業訓練校に指定されている。
(インタビュー:製造統括部 エンジニア育成課 青木 雅臣さん)
青木 いつも教えているときのポリシーが、少なくとも昨日より今日、今日より明日っていう形で一つでもいいから覚えて欲しいっていうふうに思って教えてるんですけど、理解してくれたみんなが新たに日本の製品を作っていくときに、助けになればと思ってます。
こちらのセンターでは、安全面に対する訓練も行っているという。訓練では、実際に製造現場で起きた災害を再現。自ら体験することで安全対策を身につけることができるという。
(インタビュー:製造統括部 教育研修課 佐藤 政則さん)
佐藤 こちらが鉄板、木材そういったものに穴を開けたりする機械です。
坪井 はい。
佐藤 こういったボール板っていうのを使うときには、軍手とかの手袋は着用禁止です。
坪井 そうなんですか。
模擬体験として棒にかぶせた軍手を機械に近づけてみる。
坪井 一瞬でこんなことになってしまうんですね。
佐藤 これがもし、作業者が手袋をしたまま、ちょっと触れてしまいましたっていうことになると引っ張られて、もう左腕はズタズタになってしまう。
坪井 頭の中だけでは、どうしても想像がここまではできないですね。
佐藤 そうですね。実際に災害事例とかもありまして、両手に重いものを持って全てそのものを落としてしまいました。足に落とした場合は、衝撃が大きいということになります。こちらが普通のスニーカーになります。つま先の部分に粘土を入れます。もし、作業に当たった場合は、どのようになるかという体験をしていただいてます。
坪井 6キロと書いてるこの重りを。
佐藤 上から落とします。
坪井 うわぁぁ。
佐藤 行きます。
坪井 はい!
佐藤 (落下させた後)つま先の部分がこのように。
坪井 どうなったんでしょうか。うわあああ!ぺたんこですね。
佐藤 これを防ぐためには安全靴着用。つま先の部分にこういった補強が入っております。
こちらでは、安全靴の有用性を体験できる。
佐藤 準備良いですか。
坪井 はい!
佐藤 はい。いきます。
佐藤 (重り落下後)いかがでした?
坪井 足は無事です!あー怖かった。実際にこれを見てしまうと、本当に日々安全に履いておこうって思いますね。
佐藤 そうですね。はい。
佐藤 いきます。きましたか?
坪井 はい。ちょっとビリビリッときました。
佐藤 実際に現場で感電をしてしまって、いろんな怪我に結びついたということで。じゃあどういった形で体感できるかなっていうことで、こういった装置を作りました。
坪井 やっぱり身をもって知るってこういうことですね。
佐藤 そうですね。やっぱり私達の仲間が災害に遭ってしまうっていうことは、残念なことに繋がってしまいますし、一生この会社で働いていただけるようにするためには、自分の身の安全は自分で守るということを徹底していただければということで、やらせていただいてます。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク