(前篇)ボランティアを持続可能にすることで社会問題を解決!これが新しい支援の形
一般財団法人 大吉財団
理事長
山本 吉大
一般財団法人 大吉財団は2017年に理事長である山本吉大によって設立された災害支援、子ども支援を軸にした団体だ。災害時には行政では行き届かない被災者1人1人へのケアをするだけでなく、ボランティアメンバーが効果的に活動できるマッチングサービスを展開、さらにNPO団体の収益化支援なども行っている。山本が唱える、人の気持ちをつなぎ社会に貢献をする社会問題解決手法とは?
宮川 ボランティア活動をしている団体の課題の解決、これをメインの事業にされた、これはどういう理由ですか?
山本 我々が一人一人の子どもだとか被災者を支援していくには、あまりにもその数が多いのと、多岐に渡ると。非常に効率が悪いと、一方でたくさんの団体と我々が提携していくことによって、より多くの、より幅広いジャンルの課題解決が取り組めるということで、この方がやはり量と質の問題でかなり多く行けるんじゃないかというようなところで、我々はそういう団体を支援していこうというふうに決めました。それぞれの団体には、それぞれのお悩みとか課題があって、そこを解決してあげると、もっともっとたくさんの子供だとか、もっともっとたくさんの被災者の方々が、よりよくなるというふうに、我々も外部から見て思うことがたくさんあるわけなんですね。そこを一緒に考えて活動していくと。
宮川 そういう発想は、どういうときに山本さんは思いつかれたんですか?
山本 やはり私自身が、過去企業経営に携わってきたということと、ゼロから起業して立ち上げていたということで、0を1にしていく、1を10にしていくってこのステップアップっていうことを過去ずっとやってきてましたので、私の経験がそういったところで、このボランティアの世界にも生かせるんじゃないかっていうことで、やらせていただいてます。
宮川 やっぱり財源の方が気になってくるんですけど、どういうふうにやっていらっしゃるんでしょうか?
山本 我々の財団の財源は、大きく分けると四つあります。一つは、立ち上げ当初に私が出した個人の資産と資金、二つ目が我々法人と個人と会員がたくさんいらっしゃいますので、会員さんからの会費。三つ目が起業や個人からの寄付、四つ目が我々もいろんなイベントだとか事業を行ってますので、事業からの収益であったりとか、いろんなところの委託費だったりとか、そういったところで我々の財源は賄われております。
宮川 その中で今後、もっとこう増やしていきたいというのは、どういう部分ですか?
山本 はい、やはり会員の裾野を増やしていきたいということと、我々もいろんな有益な社会貢献活動によって、色んなところから委託、負託を受けていけるようなものを増やしていって、大きく分けると二つでこの財団を大きくしていきたいなというふうに思ってます。
ドーキンズ 会員になることで、何かメリットはあるんですか?
山本 はい。個人の会員様は、自らが被災されるっていうこともあるわけなんですよね。被災された場合は、我々はいち早くそこに駆けつけていろんなお手伝いをする、というようなことをやってまして、本当に2018年は非常に災害の多い年で、6月に大阪の北部で大きな地震がありましたし、7月にも、西日本で大規模な台風による災害があったと思うんですけれども、我々は大阪の北部の地震であったりとか、西日本の大水害のときに広島だとか岡山だとか我々の会員様も被災されて、すぐに我々駆けつけて、いろんな支援活動なんかもやって来ました。
こちらは大阪府守口市に住む大吉財団の個人会員の堀結美子さん。堀さんは平成30年6月、大阪北部地震で被災した際、会員による駆けつけ隊の支援を受けたという。
堀 悲鳴のような声で起きてグラグラしてて、バーカウンターのグラスがもうスローモーションのように落ちて、どんどん落ちて、為す術がないというか、その後もどこから手をつけようかなっていう状態だったんで。ご連絡も迅速であったことと、やっぱり来られてからの対応もとても皆さん、キビキビとしてたし、ホスピタリティがとっても有難かったです。
その翌月に発生した西日本を中心とした豪雨の際も、駆けつけ隊は個人会員宅の支援に向かったという。こちらは財団からの連絡を受けて、被災地支援に駆けつけた大吉財団の個人会員。そのメンバーの多くが初めてのボランティア経験だったという。
(インタビュー:個人会員 佐竹 真綾さん)
佐竹 今回の大吉財団の募集を見たときに、ちゃんと案内として、こういう服装で来てくださいとか、こういう持ち物はこうですよとか、これなら行っても大丈夫かなと。注意事項をずっと書いたものを資料としていただきましたので、それを見たときに安心したんですね。
(インタビュー:個人会員 妙泉 和彦さん)
妙泉 お誘いを受けたことによって、そしたらこういったみんなで行くっていう、一つのきっかけを作っていただいたということで、非常によかったと思ってます。
(インタビュー:個人会員 金海 勇希さん)
金海 今回ボランティアに参加させていただいて、ほとんど皆さん初めてお会いする方たちとの共同作業だったんで、コミュニケーションの大切さだったり、すごく大切なことが勉強になったなと思いました。
(インタビュー:個人会員 木下 時彦さん)
木下 ボランティアのその志の元になっているところが、はっきりわかってますので、何で私達がボランティアしてるのかっていうのも、リーダーの志に沿ってやってるっていう安心感がありますので、やっぱりそれは、おすすめできるところだと思います。
(インタビュー:個人会員 小河 美智恵さん)
小河 次にそういうことがあったとしても、前回のやっぱり教訓を活かして、次にまた新しい方が加わったときに、今度は、ちゃんと指導できるように、なれればいいなと思っております。
(インタビュー:個人会員 井上 佳子さん)
井上 1回行ったことで色々学んだこともあるので、それをまた次に活かそうと思ったら、やっぱりこれは続けていかないとと思います。
山本 あんなことが起こったら、自分たちで、あんなのどうしようもないんです。お隣さんにお手伝いしてもらうにも、お隣さんも被災されてますから、やはりその専門のある程度の知識だとか、装備があるところでないと、なかなかできない。業者さんに頼むにしても、業者さんもたくさんのお客様を抱えてますから、今でも大阪へ行くと新幹線の中に乗ってもらえると、屋根にブルーシートまだかかってますよ。だから、まだ復旧・復興できてないんですよね。そういう状態ですから、いかにいち早く、対応していくかっていうようなことが、我々も微力ですけれども、お手伝いができていくんじゃないかなというところで、サービスを展開させてもらってます。
宮川 それはいいですね。自分ももちろん行くけども、やっていただくっていうことですよね。
山本 はい。
ドーキンズ 年会費はちなみにお幾らぐらいなんですか?
山本 個人の会員は年間1万円で、法人会員が一口3万円という会費構成でやらせていただいてます。
宮川 結構お安いという感じであれですけども。
山本 そうですね、はい。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク