ホテル業界のLCCを目指す?貸し会議室のフロンティアが言う、マルチタスクの重要性とは
株式会社ティーケーピー
代表取締役社長
河野 貴輝
インターネットで借りられる貸し会議室。近年はホテル事業にも手を伸ばし、取れるリスクは取っていくという、株式会社ティーケーピー 代表取締役社長 河野貴輝が訴えるマルチタスクの重要性とはなにか。その真意を探る。
低迷する日本経済、事業縮小を余儀なくされる企業が相次ぐ中、オフィスの空き室増加が問題となっている。そんな中、空き室の有効活用に飛躍のチャンスを見出した企業がある。全国の主要都市で700室以上の貸し会議室、ホールを運用する株式会社ティーケーピーである。2005年に会社を設立した河野 貴輝(かわのたかてる)は、不況を逆手にとったビジネスモデルを打ち立て、瞬く間に事業を拡大、一役業界トップへと躍り出た。ティーケーピーを率いる39歳の若きリーダーが見据える次なる成長戦略、その全容に迫る。
諸星Leader & Innovation賢者の選択。ナビゲーターの諸星裕(もろほしゆたか)です。
白石白石みきです。
諸星さて、およそ全ての企業は自分のところの採算を色々分析して、そしてあまり儲かっていない部分を切る、そして整理して、新しい事業に展開をしていくというのは、これは世の常だと思うのですけれども、とは言え、それでは切られてしまった、整理されてしまった、例えばビルであるとか、事業だとか、これらはどうなるのか。
考えてみたら、捨てる神あれば拾う神もあるわけで、この捨てられたものを拾っていって、そしてそれにまさにこの番組のタイトルであるイノベーション、このリーダーがイノベーションして、そして事業を展開していくという、とてつもなく元気の良いIT企業があります。今日はその会社のリーダーに来ていただきました。
白石それではさっそくゲストの方をご紹介いたしましょう。株式会社ティーケーピー、代表取締役社長の河野貴輝さんです。よろしくお願いします。
さっそくなのですが、河野社長ティーケーピーは一言で言うと、どういう会社なのでしょうか。
河野ティーケーピーは企業向けに、ホテルの宴会場や貸し会議室を全国で700室運営する会社です。
諸星ところで、そのティーケーピーという名前はどこから来たのですか、何の略なのですか。
河野名前は、私の名前ですね。河野貴輝の貴輝、河野、パートナーズということで、河野貴輝とそのゆかいなお友達ということで。そんな感じです。
諸星いいじゃないですか。でもホームページを見るとちょっと違うことが書いてありますよね。
河野ホームページでは、トータル・マルチ・パスファインダーと。
諸星あとでこじつけたと。
河野そうです。
白石さっそくなのですが、番組では企業の変革を象徴する3つのキーワードで進行させていただきます。さて、最初のキーワードは何でしょうか。
河野最初のキーワードは「ITとリアルと金融の融合」です。
諸星ITとリアルと金融。つまりITというのはリアルじゃないということですね、基本的には。
河野そうですね。ITとリアルをどう融合させて、そこに金融的な考え方をどう入れ込んだかという、ここがミソです。
諸星分かりました。楽しみですね。それではこちらへどうぞ。
河野貴輝、1972年、大分県生まれ、1996年慶応義塾大学商学部卒業後、伊藤忠商事に入社。為替証券部を経て、日本オンライン証券、現在のカブドットコム証券設立に参画。その後イーバンク銀行、現在の楽天銀行、取締役営業本部長に就任。インターネットにおける金融業を経験したのち、2005年ティーケーピーを設立。代表取締役社長に就任、現在に至る。
白石プロフィールを拝見いたしますと、伊藤忠商事からカブドットコム証券、そして、イーバンク銀行へと移籍されていますが、どのようなお仕事をされていたのですか。
河野伊藤忠商事の時代は、為替証券部に在籍していまして、為替と債券と株式のリーディングをやっていました。でもその時に、伊藤忠商事がインターネットに出ていくということになりまして、カブドットコム証券の立ち上げというのに参加することになりまして、為替証券部からカブドットコム証券を立ち上げるということでネット証券の立ち上げに奔走しました。
諸星そうすると、ファイナンスの世界からITに、そこで転換があったのですか。
河野そこで初めてITとの出会いがあったのです。あとはベンチャーとの出会いですね。商社にいましたけど、やっぱり新しくベンチャーで入ってきている人たちって、もう本当に夜も土日も働くのです。どこがそのモチベーションになっているのだろうかというのが、すごくびっくりしましたね。
諸星それ嫌だなとか思わなかったのですか。
河野いやいや、感覚的には僕、こっちの人間だなと思いまして。
諸星そうですか、それは良かったですね。
河野ネット証券やりますと、これからはインターネットの世界だと思い、決済と物流というものに対して、すごくこれからニーズがあるなと思ったのです。そうして、これからはインターネットの銀行を作ろうと思いまして、イーバンク銀行を立ち上げるということになりました。
諸星それが何歳ぐらいのときですか。
河野それがちょうど27歳の時です。
諸星世の中はどういう目で見ていたのですか。
河野そうですね、本当にまだネットバブルがちょうど来ていた時でしたから、新しい人たちもどんどん会社を興していた時代でしたから、時代の流れに自分も乗っているつもりではいたのですが。それで、ネット銀行、イーバンク銀行を立ち上げまして、そこでは銀行の免許を取得したり、あと個人の口座を集めたりとか、そういった営業とか、そういった経営企画的なことをやっておりました。
諸星その営業はもちろんご自分でやられたのではないかもしれませんが、やはり足で稼ぐ営業だったのですか。それともITだったのですか。
河野それはやはりITですね。当時ヤフーさんとか楽天さんにも出資していただきましたし、そういったITの企業様と組んで、仕組みで、個人の口座を獲得したり、預金を獲得したりするということに注力していきました。
諸星さて、それで、貸しスペース、貸し会議室、そこにどうやって行くのですか。
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