日本を支える!「顧客満足を超えた、顧客感動を目指す」の心意気


日進機工株式会社
代表取締役社長
林 伸一

特選インタビュー

「常に新しいことを考えていく」。水を中心とした独自の技術とともにあらゆる産業のメンテナンスを行い、日本経済を支える役割を担う企業がある。数十年にわたり、その世界でリードしてきた企業の取り組みとは? 

福井まずはじめにお伺いしますが、日進機工は一言でいうと、どのような会社なのでしょうか?

当社はプラントのドクターであり、プラントメンテナンスの専門医です。

蟹瀬具体的にどういうお仕事をなされているのか、今日はじっくりお話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

福井日進機工は創業から50年以上経ちましたが、どのような経緯で創業されたのでしょうか?

創業時代

私の父、先代の社長が1965年に創業したのですが、ちょうど1965年というのはいざなぎ景気がちょうど始まった頃だと思うのですが、やはり、人手不足というか、洗浄機器を販売するのはよいのですが、いろいろな機器を洗浄するという、そういった仕事をやってくれないかという要望があったところから、洗浄メンテナンスと我々は呼んでいますが、そういった仕事をやるようになりまして、それで今に至っているというところですね。

水鉄砲

福井さて、この番組では日進機工の今を象徴するものをお持ちいただき、番組を進行させていただきます。今日はどのようなものをお持ちいただいたのでしょうか?

はい。今日はこういった昔ながらのアレ……水鉄砲を持ってきました。

蟹瀬いや~、なつかしいですね。僕が子供の頃はこれを作って学校で、実際に水を飛ばして遊んだことがありますけれども、福井さん、知っています?

福井私は小さな頃に祖父が作っていて、それを見せてもらったことがあるという思い出がありますが、プラスチックになっていましたね、私たちのときは。

蟹瀬そうですね。ところで、この水鉄砲がなぜ、日進機工を象徴するものなのですか?

ウォータージェット工法

はい。当社のメイン技術になるんですけれども、ウォータージェット工法というのがありまして、そのウォータージェットというものが、まさにこういった、言ってしまえば、水鉄砲を使った工法になるわけなんですね。

ウォータージェット工法とはモーターやエンジンの力をピストン運動に変えることで、超高圧水を発生させ、それを噴射させて、様々な作業を行う工法。ウォータージェットの破壊力、衝撃力を使うことで、今まで作業が難しかったプラントやそのほか、様々な設備のメンテナンスや加工が可能になったという。

蟹瀬原理はこの水鉄砲だけど、これがそれだけの仕事をするようになるということですね。

はい。

福井これは実際に水の力を使ってメンテナンスを行うというのは、具体的にはどういうことなのですか?

水の使い方によって、いろいろなことができるのですが、主に我々がやっていることは、洗う、はつる、切ることができますので。

水の力

これは製鉄所の中のコークス炉というところなのですが、そこにある設備にいろいろ、コールタールとか、そういったものが設備に付着したりするものを水の力で洗い落としているところです。

蟹瀬これは水の力だけでこれだけ洗い落とせるものなのですか?

そうですね。

福井へぇ……。すごい、霧のようになっていますね。

水で洗う

蟹瀬すごい圧力ですけれども、これは、このほかにもいろいろなところで使えるわけですよね?

工場の中で言うと、やはり、いろいろな配管がありますので、そういった配管の中の洗浄とかが多いですね。

福井でも、配管の中って、なかなか見えないと思いますけれども、見えない配管をどういうふうに洗浄していくのですか?

人間で言うと、胃カメラのようなカメラを通して、中を確認して、洗浄する場合もありますし、フレキシブルホースという柔軟性のあるホースの先にいろいろな形のノズルをつけて、それで洗浄するのですが、前方に水が出るノズルと後方に水が出るノズルといくつかあります。
たとえば、「中が詰まっている状況だな」というと前方の水の勢いを強くして、詰まりを抜いていって、あと、後方の水というのは結局、それによって、ノズルが自分で中に走っていってくれたりしますので、それで中のほうにノズルが入っていって、最終的にはそれを人手になりますが、引っ張り出すときに洗いながら汚れを全部かき出して、もってくるといった形になります。
配管の中では少し曲がったりしている部分などをちょっと先のほうでホースをこう……、ホースを回したりすることで、ノズルの角度をうまく変えていって、中のほうに入っていったりとか……ということができるのは熟練の方でないとできないかなと思います。

水ではつる

蟹瀬そして、続いてはこれ、「はつる」という言葉ですけれども……。

はつるというのは建設土木関係の専門用語になるのですが、コンクリートをよくブレーカーとかで、道路のコンクリートを砕いたり……。

蟹瀬ドドドドドっていう……。

あれをはつり作業というんですけれども、ブレーカーとか、機械でコンクリートを壊していくと、どうしてもすごい、要はコンクリートの砂埃とか、粉じんがすごく立ちますので、作業環境が非常に悪くなってきたり、実際に街中で工事をやろうとする場合には周りに対する影響も大きいわけですけれども、それを我々は水の力を使って、やるという……。こうやって、水の力でコンクリートを……。

蟹瀬これ、コンクリートなのですね。

はい。コンクリートを削り取っていく、壊し取っていくわけなんです。
続きましては、こちらが今、見ていただいてお分かりかと思うのですが、コンクリートをはつっているのですが、中に入っている鉄筋がありましたけれども、選択的はつりという言葉を使いますけれども、あれをきれいに、そのまま元の状態のまま残すことができます。

選択的はつりとは水圧と水量を調整することで、内部の鉄筋はそのまま残し、コンクリートだけを破砕する工法。この工法を使用することで、コンクリートの老朽化した弱い部分だけを破砕し、まだ十分に強度が保たれている部分だけを残すこともできる。こうした選択式はつりもウォータージェット工法の大きなメリットの一つ。

たとえば、我々がやった仕事なんかですと、高速道路などのトンネルの屋根の上の部分、こういったところのコンクリートが劣化して、たとえば、落下してきたりすると、大事故になりますので、補修作業をやります。
まず、ウォータージェットをバーッとかけていって、それで弱くなったところだけを取り除いていく。それで残っている部分はまだ生きている(強度が保たれている)部分なので残しておいて、それに対して補修をするといったことをやったりもします。

蟹瀬全面補修することを考えれば、そういう意味では非常に工期も短くて済みますし、コストも安く済むということになるのですかね?

コストというより、工期の部分が非常に、まあ……、結局コストにつながると思いますけれども、大きいかなと思います。

水で切る

蟹瀬三つ目の「切る」という作業ですけれども、具体的にはどういうものを切っていくのでしょうか?

古くなった設備を解体したり、撤去したりするといったときに、ウォータージェットで切断して、解体するといった工事をよくさせていただいております。
これは配管をウォータージェットの力で輪切りにしているところですね。

福井へぇ……すごい……。

蟹瀬これは水の力だけで、ああいうものが切れてしまうのですね。

コンクリートとかでしたら、水の力でも簡単に切れるのですが、さすがに鉄はちょっと水の力だけでは切れないので、鉄などの金属をカッティングするときには、研掃剤と呼んでいるのですが、ガーネット……宝石にもありますが、砂状の粒ですね、それをウォータージェットとノズルの先端で水と研掃剤ガーネットを混ぜて、それを鉄に打ち付けていますので、切るというより、ある意味、水が当たった細かいところを削り取っている感じですね。

蟹瀬今、映像で拝見したのは、割と小さめの配管でしょうか、そんな感じのものでしたけれども、実際にはこれはガスタンクみたいな大きなものを切られるときもあるのでしょうけれども、これはどうやってやるのですか?

我々がトラバーサーと呼んでいる装置がありまして、そういったレール上のものをタンクの周りに取り付けていって……。

蟹瀬いわゆる、ガイドみたいなものですね。ガイドがあって、それに沿って切っていくと……。

そういうことですね。あとは、映像を見てお分かりかと思うのですが、水のカッティングで非常にきれいに切断することができますので、解体とかではなくて、たとえば、配管にちょっと横穴を開けて、新しい配管をつなげたりとか、タンクに新しい点検口というか、穴を開けたりとか、そういった場面でも水を使うことが多いですね。

福井なるほど……。切るという作業でいいますと、高熱高温でパッと切断するというやり方ももちろんあると思うのですが、水を使うメリットというのはどこにあるのですか?

石油コンビナートとかはコンビナート自体が当然のことながら火気厳禁区域になりますので、そもそも火を使うことができないということがありますので、そういった場面ではウォータージェットでのカッティングが採用されることが多いですね。

出演者情報

  • 林 伸一
  • 1961年
  • 愛知県
  • 一橋大学

企業情報

  • 日進機工株式会社
  • 放送日 2017.09.03
  • 業種:
  • 建設業
  • 本社:
  • 愛知県
  • 所在地住所:
  • 愛知県名古屋市守山区花咲台二丁目401番地
  • 資本金:
  • 9,750万円
  • 売上高:
  • 平成28年6月期  125億円
  • 従業員:
  • 296名(平成28年6月現在)

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