「最適の解が、最善の解」四社統合や歴史的エネルギー転機を乗り越えた矜持
ジクシス株式会社
取締役社長
土井 隆之
ジクシス株式会社。2015年、コスモ石油・昭和シェル石油・住友商事・東燃ゼネラル石油のLPガス事業が統合し設立。各社が持つ幅広いネットワークを活かし、LPガスの輸入調達、出荷基地運営、物流・卸販売、海外トレードを展開している。近年LPガスは都心への人口集中化などの理由から需要の減少が進んでいる。しかし需要の先細りが危惧される反面、LPガスは災害時などに役立つ分散型エネルギーとして再評価もされている。そんな中インフラとしての使命と新たな可能性を追求し続けるのは、代表取締役社長、土井隆之。
蟹瀬賢者の選択Leaders。ナビゲーターの蟹瀬誠一です。
坪井坪井安奈です。
蟹瀬今回は、LPガスで社会に安心と安全を提供する、あるエネルギー供給会社の取り組みに迫ります。
土井LPガスの特質を活かした災害に強いエネルギーとして日本で普及していきたいという風に考えています。
坪井それでは本日のゲストをご紹介します。ジクシス株式会社代表取締役社長、土井隆之さんです。よろしくお願いします。
土井よろしくお願いします。
蟹瀬今日はLPガスのお話をお伺いすることになると思うのですけれどもね、このLPガスというのは確かにクリーンエネルギーのメリットはあるけれども、様々な課題も抱えているということで、じっくりお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
土井よろしくお願いします。
坪井さて、ガスと言いますと、LPガスと都市ガスが一般的ですよね。現在日本では、LPガスと都市ガスはどのような比率で供給されているのでしょうか?
土井全国的に見ると、都市ガスの方がLPガスを上回っているというのが現状ですね。件数で見れば都市ガスの方が多いんですけれども、地域で言えばLPガスの方がまだまだカバーしている地域が多いというのが現状です。
蟹瀬やはり地方の場合はそういう細かいパイプラインというのがなかなか通っていないわけですから、LPガスというのは本当に便利な存在だと思うのですけれども、冒頭のこのVTRの中に「需要が減少している」という言葉がございましたよね。これはもちろん都市への人口の集中化というのが大きな要素なんでしょうけれども、それ以外はどういうことが考えられるのですか?
土井やはり人口そのものが減っているということが一番大きいのですけれども、近年都市ガスの自由化、電気の自由化というのがございましたので、厳しい競争に晒されているというところもございますね。
蟹瀬競争といいますと、アメリカではシェールガスというのが商業として成り立つようになりつつあると。
蟹瀬かつては中東に依存していたわけですけどね、この辺の買い付けの難しさと言いますか、いろんな変化というのはどういう風になっているのでしょう?
土井まあ、私自身はもう20年前近くからアメリカからLPガスの買い付けをしているんですけれども、その頃はまだシェールガスがこれほど生産されるということはなかったので、自分自身びっくりしてるんですけど。これによって中東に対する影響力が大きくなったということは言えるかと思いますね。
蟹瀬そうすると、中東とアメリカというのは一種の競争相手になっていくと、マーケットには発展しないのですか?
土井ええ、そのようになってくると思います。
土井結局、中東のLPガスの価格がアメリカの価格に抑えられるということにはなるかと思いますね。
坪井コストが下がるということは私たちにとってはとても嬉しいことですけれども、先ほどのお話では日本国内の需要は減少しつつある。ということは、あまり輸入の必要がないということなのでしょうか?
土井もちろん、日本の需要の回復、開拓を続けることは重要なことだと思うんですけれども、今海外で何が起きているかと言いますと、中国・インドは引き続きLPガスの需要が伸びています。これからインドネシアの需要も増えます。フィリピンも増えます。新しい需要としては、ミャンマー、ビルマ、この辺からもLPガスの需要が出て来るんですね。
土井それとあと、我々がそこに対するLPガスの供給、これも一つの大きな勝機という風に捉えていますので、今現在日本と同じぐらいの量を海外に供給していますけど、ますますこれを増やしていくということになるかと思います。ただ、課題は収益性ということになるかと思います。
蟹瀬そうしますとこの事業の内容というのも徐々にこう変わってはくるのではないのですか?
土井はい、やっぱり海外との取引というのはリスク高いですから、ただ単に売ればいいっていうことにはならないので、社内の管理体制をしっかり作っていくということは重要ですね。まあもちろん、人材を揃えていくということも非常に重要かと思います。
こちらは海外との交渉やオペレーションを担当する社員。マーケット変動の激しい海外との交渉について話を聞いた。
宮前LPガスの産油国である中東、並びに最近はシェールガス由来でアメリカからも生産が増えておりますので、アメリカとの契約の交渉、また海外から日本へ持って来るまでの船のオペレーションの方を担当させていただいております。
LPガスは非常に季節変動要因がある製品ですので、マーケットを見ながらバランスを見極めながら行動すること、また長期的には今LPガスは世界的には非常に需要が増える製品となっておりますので、将来的なマーケットの見極めをしながら行動していければなと思っております。今LPガスを含めて、省エネ並びに二酸化炭素削減というミッションがあると思いますので、それに向かって弊社としても将来的に何ができるかといったことを考えながら行動できればいいかなと考えております。
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