石炭からストローまで。ニッチのプロがシナジーをつくる100年企業の戦略
三井松島産業株式会社
代表取締役社長
天野 常雄
三井松島産業株式会社。1913 年、長崎県松島で松島炭鉱株式会社として創業。1983 年、松島鉱産株式会社から、現在の三井松島産業株式会社に社名を変更。2001 年、池島炭鉱が閉山。現在はオーストラリア、インドネシアなどで、石炭生産事業を中心に展開をしている。創業からおよそ 100 年。現在の三井松島産業を率いるのは、代表取締役社長 天野常雄。社会から必要とされる企業を目指す、天野が唱える、新たなる事業戦略とは。
蟹瀬 賢者の選択リーダーズ。ナビゲーターの蟹瀬誠一です。
ドーキンズ ドーキンズ英里奈です。
蟹瀬今回のテーマは事業ポートフォリオ。事業ポートフォリオというのは、企業でいろんな多角的経営する場合に限られた経営資源、これをどういうふうに配合するのかという戦略になってくるのですよね。だから経営者にとっては、とても重要な選択。
ドーキンズ今までいらっしゃったゲストの方の中にも、本業とは違った分野でも「成長しそうだなと思ったら、進出する事は大切だ」とおっしゃっていた方もたくさんいらっしゃいますよね。
蟹瀬そうですね。特に資源関係の企業の場合、資源の価格っていうのは非常に変動が激しい。それからもう一つ、輸入をする場合には、為替変動を考えなければいけないのでしょうね。というわけで、長期的な視点、戦略というものが求められてくるのです。そこで今回は、資源ビジネスを中心に多角的に事業展開をする、ある企業の戦略に迫ります。
ドーキンズ本日のゲスト、三井松島産業株式会社、代表取締役社長、天野常雄さんです。よろしくお願い致します。
天野こんにちは。本日は、よろしくお願い致します。
ドーキンズまず初めにお伺いしたいのですが、三井松島産業が掲げられている理念を教えてください。
天野非常にシンプルなのですけれども、「人と社会の役に立つ」を経営の基本理念に掲げています。
蟹瀬これは、いつの時代も本当に必要な考え方ですよね?
天野そうですね。
蟹瀬いろいろなお話をお伺いできるのを楽しみにしています。よろしくお願い致します。
ドーキンズさて、冒頭のVTRでもご紹介しましたが、三井松島産業は1913年に創業されて100年が経ちました。どのように歩んでこられたのでしょうか?
天野はい。長崎県の松島、大島、池島、というところです。創業以来一貫して炭鉱経営を続けて参りました。その後、現在も、海外において炭鉱の探査、開発、創業、これを行なっておりまして。産出された石炭を、日本の事業家の皆様に安定してお届けしております。
蟹瀬よく子供の頃は、暖房って言うと、やっぱり石炭だったし、いろんな形、豆炭とかね、身近なところに石炭ってあったの。ドーキンズさんの場合はもうちょっと違うかな?
ドーキンズそうですね。テレビの中で、SLのシーンで登場するっていうイメージはあります。
天野あの、今の若い方は、石炭の実物を見られたことがないのではないかと思いまして、今日は、石炭のサンプルをお持ちしております。
蟹瀬私も最近見てないですよ。
ドーキンズわー!こちらですか?
天野はい。こちらなのですけれど、3つあって、みんな同じように見えますけれども、こちらは結構古くて、古生代の二畳紀、2億5千万年から3億年前の地層から採掘された石炭です。こちらの2つは、結構若くて、新生代の第三紀ですから、5千万年から6千5百万年前の地層から採掘された石炭です。
蟹瀬今でも石炭は、採掘されているのですか?
天野世界的に、だいたい年間に80億トンくらいの石炭が生産され、消費されているのですけれども、日本では、残念ながらすべて輸入の石炭に頼っているというふうに考えていただいていいかと思います。
蟹瀬ただ、今でも石炭は重要なエネルギー源ですよね? 日本にとっては。
天野そうですね、はい。
蟹瀬どんなところに主に利用されていると考えればよいですか?
天野そうですね。石炭を用途別に分類しますと、大きく分けて3つになるのですけども、原料炭、一般炭、無煙炭という形になります。原料炭というのは、呼んで名のごとし、製鉄用の原料となる石炭です。一般炭。これは、火力発電所や大きな工場の自家発電署のボイラー。こういったものの燃料になる。最後は無煙炭というものがあるのですけれども、これは先程お話に出ました練炭、豆炭になるものなのですが、ざっといえば、原料炭と一般炭というふうに分けていただいていいかと思うのですが、石炭は、世界的にまんべんなく賦存しておりますので、いわゆる地政学上のリスクも小さいですし、比較的安価なエネルギー源ですので、日本においても、一次エネルギーの4分の1、25%を賄う主要なエネルギー源ともなっています。
蟹瀬掘れる量というか、何年分くらいあるのですか?
天野技術が進めば進むほど、深いところであるとか、そういったところも掘れるようになりますので、ふんだんにあるというふうにお考えいただいたら良いかと思いますね。
蟹瀬では古いエネルギー源じゃないということですね?
天野そうですね。まだまだ新しいというふうには思っていただいてもいいかと思いますね。
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