海外の一線級で学んだから実現したい、日本モノづくりのDNAで世界標準へ
エイブリック株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
石合 信正
時計作りで培った技術を活かした、高品質な「アナログ半導体」。デジタルの半導体は聞き慣れた言葉だが、「アナログ半導体」も、デジタル社会を支える一翼を担う。1937年創業、現在のセイコーインスツル株式会社を前身とする、株式会社エイブリックを牽引する代表取締役社長兼CEO・石合信正。GEのジャック・ウェルチにも学んだという、海外の一線級からカムバックして感じた、日本のモノづくりDNAに対する思いと未来とは?
蟹瀬賢者の選択Leaders、ナビゲーターの蟹瀬誠一です。
坪井坪井安奈です。
蟹瀬今回は時計作りで培った技術を活かし、高品質なアナログ半導体で世界に挑む、あるメーカーの取り組みに迫ります。
エイブリック株式会社。1937年、現在のセイコーインスツル株式会社の前身、株式会社第二精工舎設立。1970年、世界初となるIC搭載のクオーツウォッチを実用化。以来、時計用のほか、さまざまな民生機器や携帯機器、車載機器向けにアナログ半導体を提供し続けている。2016年、アナログ半導体部門が分社化され、エスアイアイ・セミコンダクタ株式会社として営業開始。そして、2018年、エイブリック株式会社に社名を変更。時計技術をルーツに長年培ってきた技術力でエイブリックを牽引するのは代表取締役社長兼CEO、石合信正。
石合エイブリックは不可能を可能にする技術力と、それを活かす現場力が特色です。「Small Smart Simple」で、アナログ半導体でお客様に感動を提供していきたいと思っています。
不可能を可能にする技術で世界に挑む!
石合が唱える、ニッポンのモノづくりとは?
蟹瀬それでは、本日のゲストをご紹介します。エイブリック株式会社、代表取締役社長兼CEO、石合信正さんです。今回は何といっても、不可能を可能にする技術、そして、現場力。この話をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
坪井まず、はじめにお伺いしますが、アナログ半導体とは一体、どういったものなのでしょうか?
石合まず、百聞は一見にしかずでございますので、ここに実は実物を持ってきております。ご覧いただけますでしょうか。
蟹瀬これは何も入っていないですよね?
石合もう少し、近くに寄っていただいて、この中心部のあたり……。
蟹瀬あっ、この小さな黒い点ですか?
坪井えっ、この点ですか?
蟹瀬1ミリもない……。
石合これがアナログ半導体の、私どもの製品の一つでございます。
坪井これが製品なのですか?
蟹瀬なんか、くしゃみをしたら飛んでいきそうな……。
坪井見失ってしまいそう……。
石合非常に小さいモノでございます。
坪井これは一体、どういうものなのでしょうか?
石合はい。これはもう少し拡大しますとはっきりいたしますが、これが5センチ角の大きさの中に、私どもの製品のほんの一部なのですが、載せて拡大した写真がこれでございます。実際はこういう形に見えるのですが……。
蟹瀬これが全部ではなくて、この中に見える小さな一つのモノが製品ということですか
通常、半導体というと、デジタルの「0」「1」ですよね。これはどのあたりが違うのですか?
石合本来、半導体には私どものアナログ半導体とデジタル半導体があり、おっしゃられた通り、デジタルは「0」「1」ということで、非常にシンプルなので、大量の演算だったりとか、あと、メモリーに代表されるように、大量の記憶ができるということになります。
一方、私たちを取り巻く森羅万象の現象、音、光、温度、それから力ですね。これらは「0」「1」ではなくて、表現の変化をするんです。従って、このアナログの情報をデジタルにつないでいく橋渡しをすることがアナログ半導体の役割なのです。
蟹瀬アナログというと、時代遅れのようなイメージがあるのですが、そういうわけではないということですね。
石合はい。
坪井具体的にはどういったものに使われているのですか?
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