日本のこれからを担う
2人の起業家。夢と情熱で
世の中に貢献するヒント
西田亮介(株式会社チトセロボティクス 代表取締役社長)
倉原直美(株式会社インフォステラ 代表取締役CEO)
近年、日本では「アントレプレナー(起業家)」、夢を持って行動に移す若者が減少してきていると言われている。そこで、今回は「日本アントレプレナー大賞」を受賞した2人の起業家を招き、起業の背景やこれからの展望を語ってもらった。2人のアントレプレナーの目に映る「夢」と「情熱」、「起業に対する姿勢」はこれからの若者に対する明確なメッセージが込められていた。
蟹瀬 賢者の選択 Leaders、ナビゲーターの蟹瀬誠一です。
ドーキンズ ドーキンズ英里奈です。
蟹瀬 今回のテーマは「アントレプレナー」。「起業家」ですよね。これまで日本では、起業に対する意識が低かったり、それから手続きが複雑だったり、あるいは資金繰りに対する不安、こういうものがありましてなかなか起業家が育ってこなかったんですよね。
ドーキンズさんは起業ってどんな感じですか?
ドーキンズ 憧れはしますけれどやっぱり失敗するのが怖いなっていう印象はあります。挑戦してそこから失敗しても学べばいいのかなっていうところも思うんですけれど、なかなか厳しいのかなと思いますね。
蟹瀬 起業するわけですからどうしてもリスクは伴うんですけど、最近は政府、それから大手企業なんかも、その辺のアントレプレナーの重要度というのが理解されるようになりまして、いろんなサポートをしているんですね。
実はこの番組に出演された方、それから日本のトップ起業家、経営者で作られました「賢者の選択リーダーズ倶楽部」これもその1つなんです。「日本アントレプレナー大賞」というのを創設しまして、新人の起業家のビジネスアイデアを発掘したり、選考したり、実際に産業化していくサポート。こういうことを目的にして、起業家の創出に一役買っております。そこで、今回は特別編として日本アントレプレナー大賞を受賞した2つの会社の取り組みに迫ります。
株式会社チトセロボティクス-2018年に現在の代表取締役社長である西田亮介が創業。
独自技術である「ALGoZa(アルゴザ)」を使い、ロボット向けの制御アルゴリズムライセンス事業を展開している。ロボット技術で人手不足を解消したい。西田が唱える-ロボット工学で挑む社会問題解決方法とは?
ドーキンズ さて冒頭のVTRでもご紹介がありましたが、独自技術の「ALGoZa」とは、どのような技術なんですか?
西田 「ALGoZa」とはロボットの制御理論で我々が独自に発明したものです。「ALGoZa」は人間のように目で見て、そしてロボットの体を動かすセンサーがたくさんついているんですけれども、ロボットの目とセンサーの技術をうまく統合してロボットアームをうまく動かす。そんな制御理論です。
従来はロボットにはキャリブレーション、ティーチングといった初期設定がたくさん必要でした。でも、人間はそんな初期設定なくても、うまく体を動かせますよね?
ドーキンズ はい。
西田 そういった人間がうまく体を動かすっていうのを数学的に理論化したものが我々の「ALGoZa」なんです。
「ALGoZa」を搭載したロボットは、一体どのような動きをするのか?
西田 こちらは針の穴に糸を挿入するという作業をロボットにさせています。糸というのは柔らかくて、揺れるものですから、非常に制御することが難しいんです。今ロボットの手先にカメラが付いていて、針の穴と糸の先端を見て、そして針の穴にじわじわっと近寄せていって挿入しています。この精度は20マイクロメートルの精度で挿入が可能です。
この映像ではロボットをキャリブレーションせずに、つまり大雑把においてロボットの手に乗っているカメラでマシュマロを掴んでいるところです。これは今までロボットを厳密に位置を決めておかなければできなかった作業をロボット自身のカメラでマシュマロの位置を認識して掴んでいます。
蟹瀬 マシュマロって結構柔らかいし、位置が変わったら難しいですよね?
西田 そうです。ロボットが固定されていない状況ですと、毎回掴むたびにロボットの位置やマシュマロの位置関係が全部変わってしまうんです。それでもロボットがカメラや他のセンサーを使って周りを認識してうまく微調整しているということです。
ドーキンズ そのロボットは簡単に制御できるというのはわかったんですけれど、それでも実際に導入するとやっぱり初期費用だったり初期設定っていうのが相当かかるんじゃないですか?
西田 そうです。ロボットっていうのは一般的に言って、初期設定がすごく大変なんですね。でも、我々のアルゴリズムを使うとロボットを簡単に設置できて、そして簡単に使い始められるんです。これによって、実は処理費用というのはググッと時間的にもコスト的にも抑えることができるんです。
そうすると、今まで初期投資がとても大きかったロボット。「なかなか導入できないよ」っていう企業さんも多かったんですけれども、「これくらいの初期費用なら払える」っていうのでロボットを導入いただく新たな企業さんが増えています。
ドーキンズ 実際にどのようなところに導入されているんですか?
西田 我々ですと、基本的には三つの市場というのを考えています。一つは、外食産業です。外食産業というのはまだまだ人手に頼る領域がすごく多くて、例えばお皿洗い、例えば調理、例えばセントラルキッチンというのがありますけれども、そこの箱詰め、モノの移動、すごく人の手が入っているんですね。こういったところを一つずつを置き換えていく。これが我々の一つ目の市場です。
もう一つは柔らかい素材を扱うということです。ビニールで包装された柔らかい製品のそういったものをつぶさずに待つ、そして、つぶさずに持ち上げて箱詰めしていく。そんな作業に使われています。
そして三つ目がとても難しいんですけれども。柔らかいそして、扱いにくい布地のような製品です。縫製作業だったりとか、それに付随するいろんな作業っていうのはいまだに人でやっています。それをちょっとずつロボットに置き換えていこうという取り組みが社内とご協力いただいている企業さんと一緒に始まっています。
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