強い信念で日本企業に火を灯す。日本発、独立系コンサルティング企業の戦略
株式会社レイヤーズ・コンサルティング
代表取締役CEO
杉野 尚志
日本の企業としては、珍しい独立系のコンサルティング会社である、レイヤーズ・コンサルティング株式会社。取引先は400位上にものぼり、一部上場の名だたる企業を顧客に持つ。代表取締役CEO 杉野尚志は、たとえ大企業であっても、自分の強い信念を武器に数多くのプロジェクトを成功させている。杉野が語る「戦う創造集団」と壮大な野望に迫る。
宮川 賢者の選択 Leaders、ナビゲーターの宮川俊二です。
福井 福井仁美です。
宮川 今回は、独自の哲学で大企業を本気にさせる、ある経営コンサルティング会社の取り組みに迫ります。
株式会社レイヤーズ・コンサルティング-1983年、現在の代表取締役CEOである杉野尚志が、日本発の独立系コンサルティング会社として設立。一部上場企業を中心に顧客は400社以上。1000件以上のプロジェクト実績を持っている。
杉野 戦わない組織は滅びます。イノベーションしない組織も滅びます。日本企業を強くするために戦う創造集団として、企業を支援したいというふうに思っております。
日本企業を強くし、世界にイノベーションを起こす。杉野が唱える「戦う創造集団」とは。
福井 それでは、本日のゲストをご紹介します。株式会社レイヤーズ・コンサルティング 代表取締役CEO 杉野尚志さんです。よろしくお願いいたします。
宮川 どうぞよろしくお願いいたします。
杉野 よろしくお願いいたします。
宮川 今日は戦う創造集団とはどういうものか、それをじっくりと伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
杉野 お願いいたします。
福井 さて、冒頭のVTRでもありましたけれども、日本発の独立系コンサルティング会社。こちらはどういったものなのでしょうか?
杉野 やはり日本の風土、文化に合ったコンサルティング会社を経営したい、という思いで「日本発」ということをしています。独立系というのは、いろんな企業に買収されるコンサルティング会社って多いんですね。したがって資本も我々自身が持っております。
宮川 我々自身というのは?
杉野 我々の幹部社員が持っていて、外部には持っていないというのが特徴でございます。
宮川 日本の会社の特徴というのは、どういうふうにご覧になりますか?
杉野 日本の企業は、ミドル・マネジメントが非常にしっかりしている。ミドルまでというと、部長、課長、係長、この辺ですね。欧米の企業というのは、例えばミドル・マネジメントは基本的には、トップから言われた範囲の仕事しかしません。したがって、トップが考えた水準より上に上がることってほぼありません。日本の企業は、下はなかなか動かないんですけど、動かしたらこれよりビューっていきます。そういう特徴がものすごくあります。しかしながら、日本のミドルは実は非常に保守的で、なかなか動かないという特徴がありまして。だからミドルをいかに納得させるか、腹落ちさせるかっていうのが非常に重要なことになります。
福井 なぜ日本の風土の中で、ミドル層が保守的になっているんですか?
杉野 これは明治とか戦後、それだけミドルが保守的ではなかったと思うんですね。むしろ、高度成長時代のときはミドルも元気ですし、どんどん給料も上がると積極的だった。その後バブルが崩壊して、よく言われる「失われた30年」の間で、トップもそうなんですけども、ミドルはよりリスクを取らなくなった。そういう意味でもう一度、世界の中で日本が輝けると、そういう企業というものになってほしいし、我々もその一助となれば良いなというふうに思っております。
宮川 日本の企業を、どういうふうにコンサルを進めていかれるのですか?
杉野 そうですね、今、4つのステップでもって仕事をやっています。まず、第一のステップっていうのは、プロジェクトは一体何のためにやるのか。このプロジェクトのミッションなり、あるいは目指すべきビジョンなり、目的というものをまず明確にする。これは、やっていると途中で手段が目的化することがよくあります。例えば本来は、営業力を増すために仕組みを変えようと。もっと営業マンを教育しようと、営業力を増そうというんですけども、いつの間にか、実は営業のそのシステムを作るのに一生懸命になっていると、いうような間違いを犯すことがあります。
したがって、まず「目的を明確」にする。二番目は「共振」。共に振動すると書きます。これはコンサルやってて一番良くないのは、社長とコンサルタントだけで一生懸命振動して、あとの社員はしらけているというのが一番最悪なケースです。したがって共振すると、誰と共振するんだ、ミドルと共振するんですね。あるいは現場と共振する。ミドルなり現場が「うん」と言ってくれりゃ、もう失敗はしません。ほぼ。逆にこれを「うん」言わないと、ほぼ失敗します。
三番目が「計数化」する。数字化すると、例えば3年後に1,000億にするんだと言うと、じゃあ今はどうしようかとか、進捗率はこうだとか、足らないとかいう議論になるわけですけれども、単に定量的に増やしたいというふうには意味がないわけです。四番目のポイントは「実行」です。これは当たり前ですね。動かなきゃしょうがない。例えば、我々だったら営業の現場に行く。あるいは工場の現場に行く、あるいは経営の現場に行く、物流の現場に行くことが大事ですね、行って一緒にやることですね。実行したら今度それをもう一度、目的とかビジョン、ミッションと合っているかどうかをチェックする。ビジョン・ミッション・共振・計数化・実行、これをぐるぐる繰り返しながらやっております。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク