新農業モデルは10次産業化 観光農業で消費者引き込む


時代刺激人 Vol. 193

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。

かねてから、私はこの「時代刺激人」コラムで、高齢化や後継者難など、さまざまな課題を抱える日本の農業に関して、ネガティブに考える必要はなく、取り組み方次第で成長産業の一角を担えるので、がんばれと申し上げている。

 かねてから、私はこの「時代刺激人」コラムで、高齢化や後継者難など、さまざまな課題を抱える日本の農業に関して、ネガティブに考える必要はなく、取り組み方次第で成長産業の一角を担えるので、がんばれと申し上げている。

農業主導で2次、3次に手を広げる6次産業化に
4次として観光加えるのがミソ

そのポイントは、現場の農業者が、状況に流されず戦略的にモノを考える、ということだ。具体的には、志を共有できる人たちと一緒にスクラム組んで、マーケットリサーチを通じて売れる農産物づくりなど、経営感覚を持って農業ビジネス実現にチャレンジすること、とくに卸売市場流通に頼らず独自の産直バイパス流通を開発し、その柳津パイプをベースに、1次産業主導で2次の製造業分野に積極的に踏み込みカット野菜や冷凍野菜を手掛ける、さらにサービス産業の3次分野ではレストランや農産物販売などに手を広げる。こうやって1次、2次、そして3次の産業をつなげた6次産業化のビジネスモデルで臨めばいいのだ。この6次産業化は次第に定着しており、今はむしろモデルの深化、端的にはどこまで収益性の高いビジネスモデルにしているかが問われるほどになりつつある。

戦略ポイントはまだある。今や新興アジアでは日本の食文化に対する評価が定着しており、この新興市場への農産物や加工食品の輸出、さらには外食との連携でビジネス展開を図るのも1つだ。日本の農産物は「おいしい」だけでなく安全・安心、品質のよさなどの評価が高いので、この付加価値部分に磨きをかけ、中間所得層の上のランクの人たちや富裕層をターゲットにして輸出攻勢をかけるのも重要課題だ。

ちょっと発想変えればビジネスチャンスがいっぱい、
農業は成長産業になる

これらの先進モデル事例となるたくましい農業者の人たちを現場取材で知っているので、自信をもって申し上げることが出来る。大事なことは、閉そく状況を切り開くチャレンジ精神だ。そこで、今回は、ちょっと発想を変えれば、さらに面白いビジネスモデルが出来る、ということを取りあげたい。要は、6次産業化に第4次産業部分を加えた10次産業化をビジネスモデルにする、という提案だ。

思わず、「何だ、それ?」と思われるだろう。要は、観光農業を第4次産業と位置付けて、これまでの1次産業の農業、そして農業者主導で行う農業の第2次製造業部分、さらに同じく農業者主導でレストラン展開をしたりする第3次産業部分の延長線上に、観光農園や農業体験、農業ツーリズムなど第4次産業と言える部分を加えて、1次+2次+3次+4次を合算した10次産業化の新ビジネスモデルをつくればいい、というものだ。

たまご直売センターに行列ができる熊本県の中山間地域の
コッコファーム

現場をベースにした時代刺激人ジャーナリストのこだわりで、さっそく、いくつかの事例をご紹介しよう。その実例を見ていただけば、ビジネスチャンスはいっぱいある、要はビジネスモデルづくりとそれを実行に移す行動力だ、ということがわかっていただける。

まず第1に紹介したいのは、熊本県菊池郡の中山間農業地域で鶏卵の生産、販売を手掛ける株式会社コッコファームだ。公益社団法人の日本農業法人協会会長の松岡義博さんが創業者で、現在は会長として経営全体を統括する立場だが、単なる養鶏ファームとはまったく違う。人口が多い都市部や平野部から離れた中山間農業地域だというのに、このコッコファームのたまご直売センターの前には何と毎朝、産みたての新鮮なたまごを買い求める行列ができる、というのだ。

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