今や社会分断など混迷の時代に、ネット上の虚偽情報も影響


時代刺激人 Vol. 329

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。

今こそ先を見据えたリーダー必要、目先終始では問題解決せず

社会の分断や経済のデフレ化などの問題解決は今や最重要課題だ。しかし、それらに積極チャレンジする優れたリーダーが欠如している。どの国でも、時代の先を見据えて力強く方向付けする政治や経済のリーダーが必要なのに、リーダーによっては大胆な構想力に欠け、指導力も発揮できないでいる。残念ながら日本でも似たような状況だ。

要は、多くのリーダーたちが、結果的に、目先の問題対応に追われ、状況に流されてしまっているからだ。それでは問題解決にならない。やはり、ここはリーダーと目される人たちが毅然として難局に対処する積極行動が必要だ。それこそが責任ある指導者の要諦だ。

韓国大統領の非常戒厳宣言は大問題、民主主義ルールを無視

リーダーの対応が問われた最近事例で言うと、韓国のケースが最悪だろう。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が2024年12月3日に突然、非常戒厳事態宣言を発動し世界中を驚かせた。少数与党政権下で、野党がことごとく反対行動に出て身動きが取れないため業を煮やして強権発動に出た、という。野党が大反発し国会で宣言解除の議決を行なったため、大事に至らなかったが、民主主義国家のルール無視で、リーダーのとるべき行動ではない。

友人の専門家は、尹大統領が、検事から政治経験のない政治の世界に転じて大統領職に就いたため、民主主義政治の根幹を十分に学ばなかったばかりか、強大な政治権力を持つ大統領職に就くことで、何でも行える、と錯覚したのでないか、と述べている。尹大統領の行動は、民主主義ルール無視であり、今後、憲法裁判所から厳しい裁断が下されるのは確実だ。

問われるトランプ氏の「米国第一主義」DEAL(取引)外交

今後の政治リーダーとして、私が大いに気になるのは、米国次期大統領のドナルド・トランプ氏だ。2025年1月の第2期大統領就任に向けての最近の動きは、レームダック(死に体)化したバイデン現大統領をまるで無視するかのように、政策アドバルーンを上げると同時に、次期政権の閣僚人事を次々に打ち出し、主要国関係者の関心を誘っている。

「米国第一主義」、それに「偉大な米国を(MAKE AMERICA GREAT AGAIN)」はいずれも第1期政権時に打ち出したものと同じで、真新しさはない。しかし、2017年からの第1期政権時代と違って、最近の動きは、米国研究者によれば、トランプ氏も学習している、しかも側近の有力幹部の反発による離反もなく、アクティブで評価できる、という。

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