「防災・減災・再生」自然災害の多い日本にITという武器で挑戦し続ける!
ライト工業株式会社
代表取締役社長兼最高経営責任者
鈴木 和夫
建設業界の中で創業以来、自然災害の多い日本に必要な「防災・減災・再生」を使命とし、独自の技術を以て発展し続けている企業がある。ライト工業株式会社。他社とは一線を画した経営戦略と、創業以来引き継がれている企業DNAを元に、発展し続けるライト工業株式会社のリーダー、鈴木和夫の成長戦略に迫る!
蟹瀬その瞬間、それからその直後、仕事はもちろんありますよね。今既に3年経っていますよね。3年経ったこの時に、やはりやらなきゃいけない仕事ってどういうようなお仕事が多いですか?
鈴木直後は、先ほどの緊急対応の仕事が多いんですが、それからいろんなものを復旧。それで時間が経ってきますと復興という形になるんですが、必ずしも元に戻らないという意味では、復興よりも寧ろ再生というような、意味合いの強いものというのがけっこうあると思います。
蟹瀬今すごく重要なことを仰ったと思います。要するに元通りに戻すということが本当に重要なことなのか。今仰ったように再生、元通りじゃなくてそれよりもっと優れた形、あるいは防災ができる、あるいは減災ができる形に戻すという、これはものすごい発想、イマジネーションが必要ですね。
鈴木そうですね。機能はやはり前の通り、あるいは前以上に確保してあげると、そういうことは重要だと思うんです。ただ、形は変わってしまいますよ。ということだと思いますね。
蟹瀬そういう仕事をされている時、一番大変なことは何でしょうか?
鈴木やはり気を付けることは、「前と違うじゃないか」というようなことがないようにしたいなと。ただ、やっぱり使ってみて「ああ、良かったな」と思われればこれは最高ですよね。
蟹瀬そんな中で、いろんなライト工業の技術というのは使われてきていると思うんですけれども、先ほどのマンホールのケース以外にも、どんな技術があるのですか?
鈴木例えば震災で今よく使われているものに、RASコラム工法というのがあります。
蟹瀬それは何でしょうか?
鈴木これは地盤改良工法の一種なんですけれども、例えば液状化した護岸を液状化しないように改良していくと、あるいは道路盛土なんかですね、この地盤が弱いと沈下したり崩れたりするということで、この強度を高める、そういう改良をしていくという工法なんですけれども。日本の地盤というのは複雑で、けっこう柔らかいところ、硬いところがあるのですけれども、そういう地盤を選ばずにその工法を適用できるというようなことで、広く今用いられていますね。
農地の除染に使われているのがこちらの機械を使ったスキマー工法。被災地で埋まった放射性物質は表土の上数センチ付近に付着している。スキマー工法は、この放射性物質で汚染された土壌を効率よく薄く剥ぎ取る技術。この機械一台で一日におよそ1000平米の汚染土壌の除去が可能。
蟹瀬元々そういう技術がおありだったのですか? あるいは、あの震災に対応してということなのですか?
鈴木対応してっていうのもあるんですが、元々たまたま持ってたんですね、同じようなすき取りの技術を。それを更に震災後にパワーアップして、それで今はそれをメインに使っているということですね。
蟹瀬じゃあ、お持ちになっていた技術が、本当にまた生きたと。
鈴木ええ、生きたということだと思います。
蟹瀬事業をやっていてね、社会の役に立っているという実感が持てるというのはそんなに多くないですよね。その瞬間があったというのが僕は非常に、変な話ですけど、いいご経験をなされたのではないかという気がします。
鈴木本当にありがたいことですね。
蟹瀬僕学生時代に、地下鉄のトンネルを掘っていたことあるんですけれども、これはけっこう感動しましたよ。シールド工法っていうトンネルみたいなものを入れていってね、それでパラパラっと砂が落ちてくるとみんなで逃げたりとかね。(笑)
鈴木それはすごい経験ですね。
蟹瀬いやいや。だから、ああいう現場は僕は好きですけどね。あれがあって我々の社会ができているわけですからね。
鈴木そうですよね。
蟹瀬防災・減災・再生。こういう側面、仕事の中で今環境への配慮ということも非常に重視される部分だと思うのですけれども、その辺の技術というのはいかがなのでしょうか。
鈴木エコクレイウォール工法というのがあるんですね。これは……。
蟹瀬難しいですね(笑)
鈴木ええ、ちょっと長ったらしい名前ですけれども、例えば汚染物質で汚染された土壌を囲い込む技術なんですね。汚染土壌から汚染物質が流出しないように……。
蟹瀬遮断してしまうということですね。
鈴木はい、そうですね。あるいは地下水が入ってこないように。これを強度のある粘土の壁を作って囲い込んでしまうという技術なんですよ。例えば地震で地盤が揺れるんですけれども、コンクリートの壁なんかだと亀裂が入ってしまうことがあるんですが、その地盤に追随して変形できると、なおかつ少々の傷があっても自己修復で元に戻ってしまうという、そういったような壁なんですね。成分そのものも、主要材料そのものも自然由来の粘土鉱物が材料になっておりますので、エコという意味では環境に配慮した工法じゃないかなと思っています。
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