競争力の源泉!「自分の基準を高く持つ」という誇り


株式会社リブセンス
代表取締役社長
村上 太一

特選インタビュー

「自分が幸せになるためには、多くの人に喜んでもらわなきゃだめだ」。インターネットの技術力を駆使して新たなビジネスモデルを起こし、ベンチャービジネスのリーダーとなった村上が掲げるスピリッツとは?

村上の成長戦略① ベンチャーコンテスト

白石ベンチャーコンテストは、どういったコンテストなんですか?

村上私は高校時代会社を起こしたいという気持ちを持っていた際、母がトイレのコルクボードにある新聞の切り抜きを貼っていて、そこに紹介されていたのが、早稲田大学のベンチャー起業家コンテストという記事なります。優勝すると、オフィス1年間無料の特典があるというような講座のコンテストになります。

宮川それお母様が貼られてたんですか?

村上はい。私が会社を起こしたいという気持ちは両親にも伝えていましたので、それを汲んでくれてか、トイレのコルクボードに無言で。

白石そのベンチャーコンテストでは、どのようなビジネスモデルをお考えだったんですか?

経験から生まれたビジネスプラン

村上私が高校時代に感じた不便さを解消するビジネスモデルを発表いたしました。私は高校時代アルバイトを探す際、飲食店の前だったり、コンビニの前等でアルバイトの募集という張り紙、週何日、時給いくらという張り紙をたくさん見て、世の中にはアルバイトを募集している店舗はたくさんあるんだなと思っておりました。
一方で、インターネット上で同じようにアルバイトの情報を検索してみると、全然情報が載っていないと。それが何故なのかなと調べてみたところ、情報を載せることに費用が発生する。それがために、アルバイトを募集している店舗すべてが、インターネット上に情報を載せることができていない。
結果として、私はインターネット上に乗っていないので、張り紙を探しに隣駅まで自転車で、張り紙探しの旅に出るというような経験をしました。インターネット上に常に情報が掲載されていて、それが検索できるようなサイト。そういったものを、ビジネスプランとして発表しました。

白石結果はどうだったんですか?

村上結果は、おかげさまで優勝させていただきました。授業中からも、会社を起こしたいという思いをアピールするために、授業時は常に、関の一番前の真ん中に座って、授業が終わった後は先生に質問も行ったりというような形で、会社をやりたいという思いをコンテストの前の段階、授業の段階からアピールしていました。
ベンチャーのコンテストの発表もの時も、街中でアンケートを取って、「こういったサイトあったら使いますか」というようなアンケート結果を、アンケート用紙とともにアピールして、これだけの人が使いたいと言ってくれているサイトをやろうと考えていますと。とにかく会社を起こして、世の中にサービスを提供したいという思いが強かったので、そういった行動に自然と移すことができました。

宮川会社を起こすためには、何が必要ですか? まず資金は?

両親の資金援助

村上資本金300万円でスタートしました。300万円、創業メンバーのみで出したんですけど、私は200万円を出して、うち150万円は両親に貸していただいて。50万円は自分で出して、150万円は両親に、しっかり成果を出して頑張るのでという思いを伝えて。初めは大丈夫かという声をかけられたんですけど、思いを伝え続けて、最後は頑張れよという形で応援していただきました。

宮川それから活動としては営業活動をおやりになるんですね?

村上営業活動に関しては、ベンチャーコンテストで優勝した後、社会人経験も一切ない中で会社を起こすというのは、非常に難しさもあるのではないかと思いまして、大手企業とベンチャー企業の2社ほどインターンシップをさせていただきました。そうは言っても、今振り返ると営業ができているかと言ったら、学生が半年ちょっとインターンシップという中でやっていたので、まだまだという中でのスタートではありました。

宮川そして、学生時代から会社はスタートされたんですか?

村上2006年、私が大学1年生の19歳の時に会社を設立いたしました。

起業当時のリブセンス

村上会社といっても、お金のためにやっているという感覚というよりは、世の中にこんな新しい仕組みのサービスができたらいいよねという思いでやっていて、どちらかというとサークルみたいなマインドで会社をやっていました。ただ、サークル感覚といっても、仕事に対するプロ意識というのは、私は徹底していたので、来るという予定から1分でも遅れたら、チームメンバーに奢るをおごるとかですね。仕事に対するプロ意識を持ちながら、事業をやっていました。

開始しばらくはお給料ゼロ円。途中から給料5万円を出すようにしました。ただ、当時、創業1年目の時給を後から計算してみると、66円ですね。私はなんて生産性の低いことをやっているんだろう。しかも、赤字か黒字かギリギリのような、設計をしていたので、非常に生産性の低いビジネス、生産性の低い仕事をしているなというので、苦しんでいました。

始めはうまくいくと思っていても、色んな方々から「大手がやっていないのには理由があるんだよ」「学生じゃあね」と批判されていく中で、実はビジネスの売却を考えた時もありまして、このビジネスモデうでうまくいくかどうかわからない。先が見えないという苦しい時に、とある経営者の方から、「人材ビジネスやりたいんだよね」というお話をいただいて、私たちの事業を使ってやりますかという形で、お話をしたということはありました。そうはいっても、今の一瞬の苦しさに負けて事業を手放したとして、将来後悔してしまうんではないかという思いがあって、そこはどうにか思いとどまりました。

宮川それが好転するきっかけというのは?

ビジネスモデルの切り替え

村上成功報酬型のビジネスモデルでスタートしたんですけど、創業時はユーザーの方がアルバイトに応募するごとに費用をいただいていたんですけども、お客様の声等を受けて、途中から採用するごとに費用をいただく、というようなビジネスモデルに切り替えました。それにプラスして、ユーザーの方に採用決定時にお祝い金、現金でお祝い金を振り込んでるんですけど、そういったものを提供する、ビジネスモデルを少し切り替えたのが一つのきっかけになっています。

宮川お祝い金というのはなんですか?

村上具体的には数千円から、多い時は最大2万円のお祝い金を提供して、アルバイトを当社のサイトを経由してユーザーが決まった場合、当社からお金を振込みさせていただきます。始めは応募ごとに費用をいただいていたんですけど、「企業様から採用で費用を払うのじゃダメなの?」「応募じゃあね」と。確かに、応募した後、企業様は応募をもとに採用するかどうかジャッジが、応募というのは採用の前のところですが、そこで課金されるのではなく、本当の目的である採用で課金をしたいと、そういう要望をいただいておりました。

そうはいっても、採用を確認する方法というのも難しいですし、どうしようと悩んでいた中で、採用ごとに課金をして、採用の確認の意味を込めて採用された場合ユーザー様に申請させると。申請は何もなしではしてくれませんので、申請をしてくれたら当社からお祝い金を提供しますよと。そうすると、ユーザーの方は申請してくれます。かつ、それをもとに企業にも課金をすると企業様の要望を応えることができ、かつユーザーにもメリットが提供できます。そういう仕組みにできるのではないかと、考えに考えて営業しました。

新たなシステム導入により、2007年から売り上げが急増。初年度の20倍になった。

白石新しいビジネス、うまくいった時に、皆さんでお祝いなどされたんですか?

焼肉店での達成会

村上新宿の焼肉ランキングで食べ放題。学生だったので、食べ放題に惹かれました。食べ放題、飲み放題のランキングで1位のところで、みんな「ここいいよね」と言っていたところを達成会としてチームメンバーで言って、今でも聖地と言っていて、それが1,000万円達成会の時に初めて行って、その後達成会がある度に行くような、そんなお店にもチームメンバーで行けるようになりました。

宮川しかし、成功報酬型というのは色々なビジネスのモデルとしてあります。当然他社が、模倣をしたり、競合する会社もあると思いますけれども。

競合他社との闘い

村上初めは「このビジネスモデル自体がうまくいかないよ」と「他社がやってないのには理由があるんだよ」と散々否定をされて苦しみ続けてきた中で、どうにか出口が見え始めたころ、出口が見え始めると不思議なもので、「なんで今まで考えていなかったんだろう。このモデルはWin-Win-Winだからうまくいくに決まってる」とうまくいき始めてから他の企業も参入し始めました。

そのような中でもインターネットビジネスで言えるのは、当社のサイトですと特にですけど、先行者メリット。求人のサイトですと、情報があるのでユーザーが集まって、ユーザーがいるので情報も集まってという正の連鎖が起きる一方、新規で立ち上げる場合、求人もなかなか集まらない、ユーザーも集まらないという負のスパイラルが起きるのかなと思います。

ビジネスモデルの先行者メリット以外にも、サイトを制作するような力。具体的には検索エンジン等を使ってユーザーを集めていくようなノウハウというのも、創業時お金が無かったという理由もあるのですが、全て内製化していきました。そのノウハウが溜まっていたということもありまして、他社が参入してきても優位性が発揮できている状況です。

白石続いての成長戦略を象徴する言葉はなんでしょうか?

村上「言語化」です。

村上の成長戦略② 言語化

宮川どういう意味の言語化ですか?

村上やりたいことであったり、自分の思いをしっかりと言語化することを大切にしています。私が事業売却をしようかと悩んだ際、改めて何で会社をやってるんだろうと考えた時、自分自身が会社をやりたい理由をしっかりと言語化して、現在の経営理念のもとになっている、世の中に影響を与えたい、だから会社をやっているということをしっかりと言語化しました。

その前が、「なぜ会社をやるんですか?」と聞かれたときに、私は「やりたいからやるんです」と感情だけで答えていたんですけど、感情だけだと何か苦しいことがあった際、感情に踊らされてしまって、あきらめそうになってしまう。それをしっかりと、やりたい理由を言語化することで、苦しい時、改めて「自分ってなんでこんな感情なんだっけ」と振り返ることで、自分の軸が強くなれるという経験がありました。

白石自分の思いを言語化して、次々と新しい展開、事業というのは生まれてくると思うんですけれども。

出演者情報

  • 村上 太一
  • 1986年
  • 東京都
  • 早稲田大学

企業情報

  • 株式会社リブセンス
  • 放送日 2012.10.14
  • 業種:
  • インターネットメディア運営事業
  • 本社:
  • 東京都
  • 所在地住所:
  • 東京都品川区上大崎2-25-2 新目黒東急ビル5F
  • 資本金:
  • 234百万円(2017年6月30日現在)
  • 従業員:
  • 正社員 308名、臨時従業員 132名 (2017年6月30日現在、リブセンス単体)

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