自らつかんだ転機!「売り上げを今から10倍にする企業にします」の決意
株式会社エイチーム
代表取締役社長
林 高生
最終学歴は中学卒業の男が、起業していまや世界に打って出る会社へと成長させた。「やりたくないことを書くことでやりたいことが明確になる」。ITのベンチャー企業として成功をおさめる至った戦略に迫る
林なぜ名古屋かというと、たまたま私が名古屋の近くに生まれたからです。岐阜県なので、そのまま名古屋で会社をやっていたらそのまま大きくなってしまったので、名古屋じゃなきゃいけないという場所のこだわりはないんですね。スマートフォンの登場によって携帯電話が世界の共通デバイスになってるわけですね。名古屋からでも世界に向けてコンテンツ配信できる時代になったんですね。
諸星名古屋に会社がずっとあるというのは、動いていないのは理由があるんでしょうか? 東京じゃない、大阪じゃないというのは。
林名古屋は採用が比較的しやすいというのがあります。東京は、よく似たような会社さんがたくさんありますので、採用が激化しておりまして採用コストが高くなってますし、人も取りづらい中で、名古屋はそういう会社がないので選んでいただきやすい。かつ、Uターン転職ですね。東京のベンチャーで頑張っていた方が名古屋にも同じような会社があるといいなと思っていただいたときに、エイチームを見つけてもらいやすい。
諸星雇用に関しては流動性はあるんですか? たくさんの方々が参加され、たくさんの方々がお辞めになるというのはどうですか?
林離職率は低い会社でして、非常に長く皆さん働いていただいておりまして、それはかなり私が採用するときに技術面というよりも人物面を重要視させていただいているんですね。ですので、一緒に働いていてもすごく気持ちの良い仲間がたくさんいるので、皆会社のために貢献したいというより仲間に貢献したいという人が多いので、それで会社にとどまって頑張りたい方が多いですね。
諸星社員同士の距離、社長と社員の距離は近いんですか? それともわざと遠く離れてる感じですか?
林かなり近いですね。週5回くらいは一緒にご飯を食べに行ったり。
新井実際、社内の感じがどのようなのか取材をさせていただきました。VTRにまとめましたので、ご覧ください。
林エイチームへようこそ。今日は私自ら会社の案内をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。こちらは、全体ミーティング広場と呼んでるんですが、毎週月曜日に全社員がここに集まって、ミーティングをする。情報の共有の場ですね。
こちらは、開発したゲームを実際携帯電話で動くのかテストをする、テスト端末です。機種ごとに仕様が違っていたりして、動かないこともあるんですよ。同じ一本のソフト、同じように作っていても、機種依存というのがあると。実際の実機で見てみる必要があるという事です。皆勝手に持って行っちゃうと分からなくなるので、持って行った人はここに自分の名刺を入れて、ほかの人が借りたいときはこの人の席まで取りに行くと。
あちらにあるのが電光掲示板でして、たまに社内で回線トラブルがあって、インターネットが繋がらなくなった時に、皆に一斉にその状況を伝えるために着けようという発想だったんですけど、使っているうちに面白くなってきて、たまに社内結婚があったり、赤ちゃんが出来たり、おめでたいニュースをここに流したりしています。
社内には日ごろの業務の疲れをいやす目的で様々なアイテムが設置されています。こちらは、各フロアの休憩スペースに設置されているマッサージチェア。つい眠ってしまうほど心地よいそうです。畳の気持ちよさを会社にも、という林社長の発案で作られた和室。一休みしたり、グループで昼食をとるときに利用されているようです。
ちょっとだけ気分転換したい人のために置かれている望遠鏡。名古屋のシンボル、名古屋城も見えますが、誰が設置したかは不明だそうです。そして、なぜ置かれてるのか不思議なカブトムシ。夏に社員の皆さんで虫取りに行ったときに捕まえたもの。この中で幼虫が80匹ほど飼われているそうです。
林僕は大枠だけです。こういうことがやりたいというと、社員の皆が一緒に考えてくれます。皆が楽しそうに働いてくれると、自然とそういう事がにじみ出て、そういうものが採用の媒体だったりメッセージになって、採用が良くなったり、明るい子が集まってくれる相乗効果があります。
ここで突然ですが、林社長はどんな人なのか社員の皆さんに聞いてみました。
間瀬僕は一般社員からいきなり事業責任者にしていただきました。最初はすごく不安だったんですけど、距離が近いので、色々なアルバイトの人から上の人まで幅広くコミュニケーションをとっているので、細かい相談事までできて助かっています。
山根人を喜ばせることを真剣に考えて、色々先頭に立って進めていかれる方だと思います。周年イベントが今年の2月29日に行われた時は、ナゴヤドームを貸し切ってみんなで運動会をして、その後で全員が外に連れ出されて取締役4人で歌を歌って、その後林社長の方から社員の人数分の打ち上げ花火があがって、皆感動でした。
平山僕が一番最初に彼に会ったときに、エイチームに入ろうかと誘われて最初に彼が行ったのは「上場したい」という話がありまして、意外に思って「お金に困ってるの?」と聞いたら、「そうじゃなくて社員たちの親が安心するから親を安心させるために上場したい」と。そういう感覚はいつもまじめに社員たちのことを考えるのは、今になっても一緒ですね。
林エイチームは2月29日が設立記念日なんですね。
諸星4年に1回しか来ない。
林12年前にそこを狙って設立したんですけど、2012年2月29日に東証マザーズさんから承認をいただいたんですね。4年に1回しかない設立記念日に狙ったというか、上場承認をいただくと。うちの経営理念は皆で幸せになる会社という事なんですが、4と4が合わさる、幸せの日に上場しまして、そこから11月22日をいい夫婦の日を目指して、東証一部の承認をいただくという流れでやってきたんですけど、そういったような困難な事、我々にとって高い目標ではあったんですけど、全社員が一丸となってやることで、皆の成功体験になるんですね。引き続き高い目標に向かってやっていくことが大切かなと思っています。
新井続いての成長戦略を象徴する言葉は何でしょうか?
林「採用プロジェクト」です。
諸星これからの成長戦略を象徴する言葉として、採用プロジェクトとおっしゃったんですけど、聞きなれない言葉なんですかこれはなんですか?
林技術者不足がこの業界では叫ばれておりまして、我々の会社も同じような状況になってるんですけど、その中で変わった試みとして水9プロジェクトというのを今年やっております。
諸星どういう字を書くんですか?
林水曜日の9。
諸星ドラマの話ですか(笑) それは朝の9時ですか? 夜の9時ですか?
林夜の9時です。これは、私たちの会社に転職してきてくれた子に、転職する時どうだったという話を聞いたんですね。そうしたら実際の職場を見てみたいとか、採用媒体に書いてある内容と違わないか確認したいと、あとは自分の実力が通用するのか、いきなり面接じゃなくて、まずは話をしてみたいという思いがあったみたいなんですね。不安に思っている方が多かったので、我々は毎週水曜日の夜9時から、実際のエイチームの職場を開放して、自由に職場を見ていただく。かつ、技術者とお話をさせていただく。僕たちが嘘偽りのない職場環境ですよ。皆が楽しく働いてますよと、色々新しいことに挑戦しやすい環境ですよというのを、オープンにさらけ出して安心していただきます。
諸星転職プロジェクトといえ、あくまでエイチームに転職してくる人たちを対象としたプロジェクトですか? 採用は色々気を遣うところもあって、あまり合わない人を採用してしまったらお互いが不幸なんですね。そこは結構気を使ってやらせてもらってます。
エイチームでは、水9プロジェクトの他にも、技術者採用のための養成講座、エイチームキャンプを行っている。参加者は1日8時間、エイチームのプロジェクトマネージャーからプログラミングに必要な知識やスキルを一から学ぶ。3ヶ月の講座を終えた受講者は、社員としての採用試験を受けることが出来る。受講者に話を聞いてみた。
AさんもともとIT系の仕事を探して就職活動していたんですけど、未経験という事で、技術もなかったものですから採用してもらえなくて、そのような中でこちらのキャンプを見つけて、応募させていただきました。
Bさんすごい充実してて、毎日ずっと課題を作っていたんですけど、楽しかったですね。
Cさんプロのプログラマーになるのはもちろんのことですが、より上を目指して頑張っていきたいと思います。
エイチームキャンプは自社の技術者養成だけでなく、業界全体に貢献することを意識した取り組みだという。
岩田エイチームのキャンプで勉強をしていただいて、この東海地方や技術の世界で活躍していってもらえると、業界としても活性化しますし、色々な場所で良いゲームを作っていれば僕たちも負けてられないなと作らないといけないので、どんどん技術者がこの世の中に増えていくといいかなと思っています。
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