ホテル業界のLCCを目指す?貸し会議室のフロンティアが言う、マルチタスクの重要性とは
株式会社ティーケーピー
代表取締役社長
河野 貴輝
インターネットで借りられる貸し会議室。近年はホテル事業にも手を伸ばし、取れるリスクは取っていくという、株式会社ティーケーピー 代表取締役社長 河野貴輝が訴えるマルチタスクの重要性とはなにか。その真意を探る。
河野今までは不動産の有効利用で、行きつくところはホテルというところまできたのですが、やっぱり不を取りますと「動産」。世の中に余っている、使っていない資産っていっぱいあるんですよ。そういったものを今度はどう有効利用しようか、そうしますとこの延長線上で事業を、どんな事業でも良い事業とか、良い人っていっぱいあるのです。
上手くいっていなくても良い事業、良い人っていっぱいいますよね。そういった事業をどのように再生していくかというところを、そこも我々の今までのノウハウと言いますか、フルサポートで、ただお金を出すだけでなくてフルサポートで再生していく、そういった事業再生をやっていきたいと思っています。
諸星ということは業種としては、限りなく広いのですね、ターゲットというか。
河野そうですね。ものを決めたくないのです。飽くなき成長と言いますか。とにかくどんどんどこまでも伸ばしていきたい。サラリーマン辞めていますから、成長させ続けるために辞めていますから、どこまでも成長させ続けていきたいのです。そうしますと、対象物を一つに固定するというのは性分に合わなくて、とにかく何でもできるようなそういった業態にしていきたいと思っています。
諸星そういうふうにお考えになれるようなところまで来たのですか。基本的に、そのある程度スケールメリットがあって、顧客ベースがあって、そしてもうビジネスモデルも確率されて、次のことを考えられる。ある程度リスクテイキングができるのですね。
河野そうですね。信用力と、ブランド力、資金力ですから、今まで一番最初会社を作ったときからここを注意して育ててきたところですので、これを利用して次のビジネスにどんどん展開していきたいと思っています。
諸星なるほど。さて、限界なき成長ということですけれども、国外のことは考えていらっしゃるのですか。
河野もちろん。震災後やはり、国内、東京で将来どうなっていくかとすごく思いましたので、その時にはもうすぐに、東京以外の地域であるとか、上海とニューヨークにすぐオープンしました。これからはシンガポール、香港と、アジアであるとかヨーロッパであるとか、そういったところにどんどん出店していきたいと思っています。
諸星ですけど、商習慣も違いますし、様々な法令、法規も違いますよね。これ、かなりの投資と言いますか、必要じゃないですか。
河野そうですね。私どもは、取れるリスクを取るというのがポリシーでして、今利益が出ているその範囲内で、今やれることはやろうと思っているのです。今あるリスクを、取れるリスクをどんどん取っていく、そういう意味では今がリスクを取るチャンスだと思っていまして、どんどん展開していっています。
白石今日色々お話を伺ってみて、起業してから本当に順調に事業が成長している印象を受けたのですけれども、何かここで大失敗したというエピソードとかありませんか。
河野実はですね、会社をつくって2期目に、札幌でホテルをやったんですよ。
諸星自分ところでですか?
河野借り上げてですけど。まだ会議室、本当に取り壊しの決まっているビルしかやっていない時に、ホテル丸ごと宿泊も含めてやったことがあった時に、やはりこれは重くて、人のマネジメントからですとか、やっぱり施設の管理も重くて、4ヵ月だけやってすぐ撤退したり。
あといろんなものに投資と言いますか、事業のシナジーがあると思うと、すぐ投資して買収したりとか、小さい金額でやったりとかしていたのですが、ことごとく失敗するんです。失敗したら即撤退ということを繰り返していますから、ほとんどダメなんです。挑戦するのですが、すぐ撤退、撤退、撤退。
諸星でも何か学ぶことはあるのでしょう。
河野そうですね。それら一つずつがノウハウとなって、今度は気をつけようとなるのですが、今度は違う次元のところで失敗するんですけど、撤退、撤退で、気付いてみると、貸し会議室事業だけがグーンと伸びているのです。
もう挑戦はするのですが、ダメなものはすぐ損切り、利益の出ているものはとことん伸ばしていくという、ディーラー時代に培ったノウハウそのものを事業に使っているというような感じになっています。
諸星金融の世界で少しでも飯を食われた方っていうのは、その辺のところっていうのは、ある程度感覚で分かるのでしょうね。
河野ちょっとおかしいなと思うと体がブルブルっと震えるのです。目がピクピクしたりとかして、そうなるとすぐ撤退なんですよ。
諸星それがプロなのでしょうね。もちろん色んな努力はされてきたのですが、されてきたことがうまいこと、さっきシナジーという言葉を使われたのですが、本当にうまいこと融合されて、学ぶものを全部学んで、まず最初にディーラーとしての、それから銀行であり証券であり、それからITと。ちゃんと整合性がありますね。
河野もう全部の集大成なんですよ、本当に。
諸星でもこの歳で集大成されちゃったら困りますけど。最後に一つ、最終的にどこにいくのですか。今までは何となく、そこに行く手段であるというお話がずっとあったのですが、僕の今の感覚ではまだまだ違うところに行きつくなっていう感じがするのですけど。
河野やっぱり会社を立ち上げた当時っていうのは、ネットバブルのあと、また更にいろんな会社、若い経営者が上場したりする時期だったのです。その時に僕としては見てられなくて、本物の会社を作りたい、ほんとに利益が出る、マネーゲームとかではなくて、しっかり事業をして地に足がついた形で利益を出す、そういった会社を作って僕の今までの集大成を、若くて見てきたものいっぱいありましたから、それを形にして世の中に送り出したい。こういう思いが本当に強くなって起業したのです。
だから本当は別に会議室ではなくても良かったし、不動産じゃなくても良かったのです。何でも良かった。そこにたまたま不動産があって、会議室があったからこの事業を始めたわけですけど、僕としてはこのティーケーピーを通じて本当に世の中に、こうやってビジネスってなっていくのだな、こうやって利益を生み出す、利益を生み出すっていうことは社会が利益を生み出したわけですから、三方良しですよね。売り手良し、買い手良し、世間良しですから、皆が利益を生み出すから、自分も利益を生み出すわけですから、ここを実践して世の中に本物の会社を送り出したいという、このキーワード、これだけでやってきました。
諸星こんな言葉を使っていいのか分かりませんけれど、虚業と実業という言葉。
河野まさしくそうです。とにかく実業でちゃんと利益を上げられて黒字の会社っていうのは、本当に数少ない、これは自分でやらなきゃいけないと思ったぐらいなのです。これを絶対にやり遂げたいと思っていまして、ぜひ皆さんに見せていける、そんなところに力を入れていきたいと思っています。
諸星分かりました。ますますのご健闘をお祈りいたします。ありがとうございました。
河野ありがとうございました。
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