権利は武器だ! その権利で武装しろ!! 知的財産の大切さと今後のあり方について問う
山本特許法律事務所
代表
山本 秀策
男は、知的財産のエキスパートになった。キッコーマン中央研究所の研究職から弁理士の道に進み、スタッフ200人以上の規模を誇る山本特許法律事務所を育て上げた、前代表、山本秀策。知的財産問題に関して国際的に高く評価されるにいたった経緯と、知財の権利について山本の考え方とは?!
山本私、日本人でありながら日本をちょっと悪く言うようですけど、これは国がそれなりの分野で発展していく過程で、当然あり得ることなんですけど、まずアメリカと日本はステージが違うんですよ。
蟹瀬そうですか。
山本はい。要するにアメリカという国は権利をどう動かすかということに尽きるわけですね。だから訴訟問題が多いと。
蟹瀬そうですね。
山本はい。ところが日本はそこに行くまでの状態なんです、今は。特許出願件数を競う時代はもう終わりました。もう明らかに終わっています。今はいい特許を取るのにどうするかということなんですね。アメリカはそこを超えて、取った権利をどうするか、日本はこれからですね、取った権利をどうするかというのは、まだちょっと人に攻撃をかけるというのは躊躇される国民性ですよね?
蟹瀬あまりいいことだと思われないですしね。
山本そうです。
蟹瀬それから、僕なんかは取材をしていて経験するんですけれども、日本人というのはとっても心優しくて、技術がなくて困っている人がいると、その技術を「じゃ、俺が教えてあげよう」「私が教えてあげよう」って教えてあげて、そしたらいつの間にか気が付いたら、向こうのほうが同じものを作って安く売っていると。中国なんかのビジネスは結構そういうのがありますよね?
山本そういうことです。
蟹瀬まさに軒(のき)を貸して母屋(おもや)も取られてしまうと、これからはそういうことやっていてはだめなのですね?
山本だめ!もう生きていけないですね。これは人間がいいとか悪いとかの問題ではなくて、正しいことはちゃんとやるということですよ。だから権利があれば、権利でちゃんと権利を与える制度があるわけですから、まず権利で武装しておいて、刀にしろ銃にしろ、抜くかどうかは本人が決めればいいので、まずは武装するということが大前提ですね。で、いざという時はそれを使うということです。これが知財の基本なんですね。
蟹瀬なるほどですね。で、日本はこれから、まだそれをやっていかなければいけない。
山本そうです、これからですね。
蟹瀬われわれが働いているこういう分野でも、結構契約書なんかちゃんとなかったりするというようなことがあるんですよね?
山本なあなあでいかれる。
蟹瀬日本の場合は「まあ、こんなもんで」という「紙は、別にこれ一応手続きだから、時間のあるとき書いといて」みたいな、そういうふうな、それではもうだめな時代だと?
山本はい。よく日本は白紙委任ってあるでしょう?
蟹瀬はい。
山本中身見ずにサインするではないですか? あんなことはとんでもないという話です。やっぱり相手を信じてはいるけれども、一応ちゃんと中身を確認した上で、納得してサインですよね。
蟹瀬はい。それと日本はやはり製造業というのは、もう随分いろんなところから追いやられてきて、安くいいクオリティを作る中国やインドや、いろんな国が出てきていますよね? そういう意味では知財の価値というのは、さらに高まっているのではないですかね?
山本ええ。もう日本は「ものづくりは負けないよ」なんて言っているようでは、とてもじゃないですけども遅れますよ。中国、アジア諸国の能力、緻密(ちみつ)さ、それから頭の良さからすれば、そんなものづくりがどうのと言っているようでは、もう日本を評価する外国が許さないですよね、日本に対して。そういう意味では知財、要するに独創的な考えに基づいて、高度なサイエンスを育てるってことですよね。で、それを知財権というのが保護しているわけですね。で、保護に留まらず、それをどう使ってビジネスをやっていくか、とい時代に入っていると思いますね。
蟹瀬はい。今日はどうもありがとうございました。
津島ありがとうございました。
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