世界の足元へ「よろこびを敷きつめる」、創業百年を見据えた伸びしろはどこだ
東リ株式会社
代表取締役社長
永嶋 元博
兵庫県伊丹市、この町に大正時代に建てられ、今も尚保存されている建築物がある。95年前の1919年大正8年に創業した会社の本館事務所である。その会社とは床材などに使われる、国産リノリウムを日本で初めて製造販売した、東洋リノリユーム株式会社、のちの東リ株式会社である。東リの95年の伝統と確かな技術に裏付けられた製品の数々は、社会の様々な場所に使われている。5年後の創業百年に向けて、更に飛躍するべく経営戦略をはかる、東リ株式会社 代表取締役社長・永嶋元博に迫る。
永嶋当社は先ほども申し上げましたように、リノリウムでの創業時代に培いました技術の強味を、その後塩ビの樹脂系床材ですとか、繊維系の床材、こういったものの開発に活かしてまいりました。そんな中で私どもはいつの時代におきましても、実際にそこを使われる方たちのニーズに則した品質、性能、デザイン、こういったものをどうやってかたちにしていくかということに、技術を磨いてこだわりと情熱を注いでまいりました。いつの時代におきましても確かな物作りをする。こういった徹底的なこだわりの精神というものが、当社の長い歴史の中で受け継がれてきたDNAだと、このように考えています。
蟹瀬その東リのこだわりから生まれた具体的な製品というと、どんなものがあるんですか。
永嶋最近の事例で1つ上げさせていただきますと、高耐久性防汚加工というのがございます。これは現在NWシリーズという、塩ビの床材シリーズで展開している商品なのですが、NWというのはノンワックスを意味いたします。
蟹瀬ワックスかけなくていい?
永嶋塩ビの床材は普通はですね、汚れを防ぐためにワックスがけをおこなうんですけれども、そういったワックスメンテナンスが長期間必要でございません。実際には種類によりますけれども、30年から50年ぐらい使えるということなんで。
蟹瀬そうなんですか、すごいですね。
永嶋そうしますと実際はそのぐらいの期間には張替えをされますので、実際は最初から必要ない。そんなようなものです。例えばお客様にとりましては病院、福祉施設ですとか、店舗ですとか、実際の日常のご負担が軽減されるということと、長期間気持ちよくご利用いただける、このようなことになります。
蟹瀬おっしゃるとおりですね。
永嶋今塩ビ床材の話をしましたが、カーペットの例をあげますと、ずっと以前から行っていることですけれども、
永嶋撥水加工というのがございます。カーペットというのは、足触り、手触り、非常にやわらかくていいものなのですが、やはり毛の部分が汚れやすいんじゃないかというような印象をお持ちですよね。そうした悩みを解決するために、われわれもこれまでの歴史の中で、様々な工夫を凝らしてまいりました。では今日はタイルカーペットの現物を2枚ほど用意しました。実際の撥水撥油加工、これをやっているものと、やっていないものの違いをご覧いただきたいと思います。
蟹瀬こうやってみると2枚とも同じに見えますね。
白石そうですよね、見た目で違いは分からないですけれども。
永嶋全く分からないと思います。今日はコップの水を用意してきましたので、少し汚れを想定してこぼしてみます。
白石まずは加工なし。
蟹瀬こぼしました。あっという間にしみ込んでしまいました。
永嶋このような、汚れがすぐにわかりますよね。その加工を施したもの、こちらにこぼしてみます。
白石どうなるのでしょうか。あ!すごい!はじいています。
蟹瀬完全にはじいています。
永嶋浸み込んでしまいますと、浸み込んだものも汚れになってしまいますけれども、浸み込んだことで乾くまでにまた別の汚れ付着しますよね。このようなかたちであれば、気が付いたときにこうやって拭くことで、ほとんど浸み込みません。
白石すごい。すごい。
蟹瀬本当だ、きれいになりました。
白石お掃除が楽ですね。
永嶋汚れも浸み込みませんし、後から余計な汚れは付着しない。こんなようなことになるわけです。
蟹瀬何か見えないところで、すごいことがされているということが分かりました。
永嶋私どもは実際にそこで生活する人、あるいは働く人、そしてその場所を利用される方々、そういった方々が安心して気持ちよく過ごせる、そういったプラスアルファの価値を求めていくことが、東リのこだわりだと考えております。
蟹瀬なるほど、すばらしい。さて東リはインテリアの総合メーカーということですから、床材だけではなく、いろいろなことをなさっていると思うのですが、どんなものがあるんですか。
永嶋一般的に申し上げますとオフィスビルでタイルカーペット、塩ビシート、塩ビタイル、例えばホテルになりますと、ロールカーペットやカーテン、壁紙、こういったものが使われています。また商業施設、こういうところにおきましては、石目調とか木目調の柄物ですとか、幾何学模様、こういった塩ビタイルをよく、皆さん方もご覧いただけるのかなと思います。
そして病院ですとか福祉施設、こういったところでは主として塩ビシートやカーテンが使われております。
一方では住宅におきましては、水回りのクッションフロアですとか、ロールカーペット、ラグマット、カーテン、壁紙、こんなものがあるわけですけれども、最近では土足用途のタイルカーペットを、住宅用にアレンジしました、ファブリックフロアというのがございます。
また様々なリフォーム商材につきましても、開発に力を注いでおります。具体的に申しあげますと、浴室専用の床材ですとか、階段専用床材ですとか、既存の床の上に重ねて貼れるリフォーム商材、こういったものも高い評価をいただいております。
蟹瀬今ああいうお風呂でも、体洗ったりするところがあるでしょう。あそこの床材が裸足で乗っても、温かみがあってやわらかいとか、変わってきていますよね。
永嶋そういう意味では、みなさま方の普段生活されております身の回りに、私どもの製品はたくさん存在すると、こういうことです。
蟹瀬名前を書いておいてもらわないと分からないですよね。
白石たくさんありすぎて。
蟹瀬インテリア総合メーカーとして、国内のシェアというのは今どのぐらいなのですか。
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