「懐かしい教育未来をつくる」理念を実現するサービスは、個に向き合うこと


株式会社東京個別指導学院
代表取締役社長
齋藤 勝己

特選インタビュー

株式会社東京個別指導学院、代表取締役社長、齋藤勝己は、1964年埼玉県で生まれる。
1987年中央大学経済学部卒業後、富士屋ホテル株式会社に入社。富士屋ホテルを退社後、1998年株式会社東京個別指導学院に入社。
教室長、エリアマネージャー、マーケティング部門責任者、教室運営責任者を歴任、2004年取締役に就任。2014年代表取締役社長に就任、現在に至る。

エリアマネージャー・森寺講師って東京個別ではアルバイトというよりは、パートナーというふうに呼んでいるんですけれども、講師と一緒に一人の生徒を見ているという感覚ですので、そこはコミュニケーションをとりながら、うまく共有しながらやれているかなとは思いますね。
そうはいってもどこか自信がなかったりとか、初めて先生をやるという子も多いので、一人ひとりの個性だったり強味をしっかり教師長が見てあげて、そこに気づいて言葉にして伝えていくというところが一番大切かなと思います。社会人になっても頑張って活躍している様子を教えてくれるので、とてもそういう部分は誇りをもてる仕事だなと思います。

蟹瀬講師が実際の現場で学ぶことは、どんなことがあるのですか。

講師の成長

齋藤やはり生徒の、子供の成長に関わりますので、人を育てる、それから誰かのために仕事をするという仕事の意義を見出すことができるというのが、ぜんてとして非常に大きいと思います。その中で講師たちが得られる力としては、1つは何といっても人材を育成する力ですね。人の成長と向き合って支えていくという力、それから子供たちの課題を対話を通して発見します。
対話の推進力、それからゴールまで生徒を導きますので、論理構成力、こういったことも子供たちの成長に関わる中で、身に付けてそして社会に出ていけると思います。

蟹瀬お話を伺っていると、大学で大学生やっているよりは、こっちのほうが学べるかなという気がしてきましたけれども、私の立場としては非常に言いにくいことではありますけれども。講師が大学生ということになりますと、採用基準、これはかなり神経を使わないとですね、かえってよくない結果になることもあり得ると思うのですが、それはどういうふうになさっているのですか。

講師の採用基準

齋藤採用の試験は筆記と面接を行うのですけれども、大きく2つの力が必要だと思っています。1つはやはり何といっても講師ですから学力ですよね。これはもちろん必要です。そしてもちろんもう一つは、子供たちの成長に寄り添いますから、相手の立場に立って、そして考えたり表現したり行動できる、またそういうことが好きかどうか、そういったことを面接を通してキチンと見るようにしています。

蟹瀬だけどそれはとっても大事でしょうね。

齋藤大事です。

蟹瀬教える側のクオリティ、物を売っていたらその物の品質ということになるわけですからね、ここが一番コアになってくるかなという気がしますよね。もう1つ僕が気になるのは、学生ですよね。そうすると大学を卒業していろいろなところへ就職していく、この教師、講師をやっている時間というのは、案外長くはないですよね。どんどん人が代わっていくということもあると思うのですけれども、このへんは経営の方面から考えて、どうなんでしょうか。

受け継がれる講師の精神

齋藤講師が先輩が後輩に、ちゃんと受け渡していくというのが、教室の文化としてつくるようにしているんですね。部活のような感じに聞こえるかもしれないのですが、先輩が後輩にちゃんとバトンを渡していくということによって、思いと指導方法は受け継がれるような仕組みにしています。

蟹瀬今は人材を探すのが大変な時代ですよね。まして知的な労働ですから、そのへんの見極めはものすごい大変だと思いますね。

白石では3つ目のキーワードは何でしょうか。

齋藤「自立と共生」です。

生徒を成長させることで講師自らも成長する「連鎖」

白石賢者の選択Leaders、本日お招きしておりますゲストは、株式会社東京個別指導学院、代表取締役社長の齋藤勝己さんです。

蟹瀬さて、3つ目のキーワード「自立と共生」と答えになっていますけれども、これ具体的にはどういうことになるのですか。

自立と共生

齋藤子供たちの未来を考えたときに、どんな力が必要になるかなということをよく考えるのですね。やはり子供たちが大人になるころ、今の小学生が大人になるころって社会は大きく変わってきていると思います。
これは言うまでもないと思うのですけれども、勿論グローバル化ももっと加速しているでしょうし、技術革新もあります。そんな中で子供たちがちゃんと大人になったときに、自分らしく生きていくためには、やはりいろいろな多様な価値観の人と暮らしていく中で、自分の気持ちをちゃんと自分の言葉で表現する、これが一つ重要だと思うんです。
一方で今いろいろな多様な価値観の人と申し上げましたけれども、いろいろな人のその自立をちゃんと受け止めるという力も必要だと思うんですね。一人一人の個性を尊重し理解し、そして支え合っていく力、この2つの力が必要だと思っています。
私どもの教育はもちろん知識を子供たちにもってもらう、ということはですね大切なんですけれども、それだけではなくちゃんと自分で考えていけるような、そんな力を子供たちに手渡したい、そんな思いでこのキーワードにしました。

蟹瀬知識という話がありましたが、われわれの時代はとにかくたくさんいろいろな知識、たくさんいろいろなことを知っているやつが賢いと言われたのですが、今はGoogle検索でキーワードを入れればですね、何でも出てきます。

齋藤おっしゃる通りです。

蟹瀬一人一人が世界最大の百科事典をもって歩いているわけですね。そうすると知識があるというだけでは全く意味がない、ないよりは持っていたほうがいいのでしょうけれども、それをどうやって使うのか、どうやって探索していくのか、どこに意味があるのかということが分かるようにならないと、本当の意味で自立ということは難しくなっているということでしょうね。

齋藤そうですね。

蟹瀬共生のお話も、唯我独尊ではダメだということですね。

齋藤そうですね。おっしゃる通りですね。

蟹瀬どうやって手を携えてやっていくのか。そういう力を養っていくためには何が必要なのということになると思うのですけれども、次のステップとして。

齋藤このためには2つ必要だと思っていまして、1つはやはり自立という意味ではちゃんと自分で考えて、自分の言葉で表現をする力。それからもう1つは周りと、結局やはり支え合って生きていきますので、周囲の人に対する感謝の心をですね、育むことが必要だと思っているんですね。
今の個別指導の中でも、自分の目標をちゃんと設定して向かっていくという、そういった自立することを育んでいくシーンと、あとは自分を支えてくれている講師への感謝の心ということですね。この中で育まれていきますので、こういったこともキチンと底辺にもちながら指導をしています。

蟹瀬世の中本当に早いスピードで、変化していっているわけですよね。そうすると当然教育、教育の現場というのは変わっていかなくてはいけないと思うのですけれども、それに対してどういうふうに対応をなさっていくのですか。

齋藤いろいろな側面があると思うのですが、まず大切なことはちゃんと自分の気持ち、自分の考えを自分の言葉で表現し、相手に伝えるというこの力が必要になってくると思うのですね。

蟹瀬プレゼン能力ですね。

齋藤そうですね。私どものほうは今やっている少し個別指導とは違ったサービスで、文章表現という、教育プログラムをもっているんですね。

白石文章表現ですか。

齋藤文章表現です。この文章表現というのは自分の考えを、小学生を対象にしていますけれども、自分の言葉で表現をして相手に伝える、そして今度は相手から「こう思ったよ」というフィードバックをもらうというようなですね、こういう授業なんですね。

白石そういってもとても難しそうですよね。自分の思いを言葉にして伝えるというのはですね。

齋藤少し抽象的なので白石さんに1つやっていただきたいことがあるのですが、よろしいですか。

蟹瀬きましたね、なんでしょう。

白石大丈夫ですかね。私できますか。

齋藤もちろんです。子供たちが誰もが知っている、われわれもそうですけれども、じゃんけんてありますよね。このじゃんけんぽんを手振り身振りをせずに、全くじゃんけんを知らない子供たちに、文章で伝えてそれを理解して、記憶してもらうためにはどのように伝えますか。

白石難しいですね。でも小学生のみなさんがいつもやっているんですよね。

齋藤小学生の子にやってもらっているプログラムです。

白石じゃんけん。じゃんけんですね。じゃんけんは人数問わずできるゲームです。そして手を使うのですが、3種類の表現をします。グー、チョキ、パーというのですが、グーは石だと思ってください。チョキはハサミだと思ってください。パーは紙だと思ってください。チョキはハサミだと言いましたよね。
なのでパーの紙は切ることができるので、勝つので勝者です。だけどチョキであるハサミは、グーの石には勝てません、石は硬いので、だからグーの勝ちです。紙は石を包めてしまうので、蟹瀬さんに手伝ってもらっています。

齋藤やはりさすがですね。これを伝えるときに、構造を自分の中で整理するということが必要になってきますね。だから子供たちは頭の中で3つ、グーとチョキとパー、この3つが出されたときの勝ち負けの、三すくみの情報をきちんと伝えないといけない。そのグーがチョキに勝ってということを伝えるだけでは、それは記憶されませんので、パーというのは紙だから、石を包み込む、だからグーには勝てるんだよといった、意味を添えてあげることによって、子供たちは記憶するということですので、今やってみて非常に難しかったと思うのですけれども。

白石難しかったです。

齋藤こういうことをトレーニングしていくと、いろいろなことを構造を整理して、そしてわかりやすく意味を添えて伝える力というのが、身についてくるんです。こういったことを小学校の子供たちにやっています。

蟹瀬これはすごいですね。とても大事な能力だなという気がしましたよ。私がやられたら倍ぐらい時間がかかったかもしれない気がしますけれどもね。どうです、実際やってみて。

白石簡単そうでとても難しかったんですけど、1つのものやことを言葉で表現すると、いろいろな角度から見ることができるので、とても勉強になりますね。

蟹瀬アメリカなんかでも、Show and Tell(ショー・アンド・テル)ってご存知のように、小学生の頃から授業があって、自分の気に入ったものをクラスに持ってきて、クラスメイトの前で「僕はなぜこれが好きなんだ」「私はなぜこれが好きなんだ」というのを1、2分で説明するんですよね。
それに対してクラスから質問が上がってきて、そこでお互いに説明をし合うという、構造は割と似た感じですね。さて塾はビジネスですから、ビジネスサイドの話もお伺いしたいのですが、今最大の問題とは恐らく少子化だと思うのですね、子供たちがどんどん減っていっている。
そうすると普通の言い方すると、ビジネスのパイが小さくなってきているわけですから、このパイの奪い合いという状況が、起きてきていると思うのですが、そのあたりはどういうふうにご覧になっているのでしょうか。

出演者情報

  • 齋藤 勝己
  • 1964年
  • 東京都
  • 中央大学

企業情報

  • 株式会社東京個別指導学院
  • 放送日 2015.08.23
  • 業種:
  • 教育 商社 人材サービス(派遣・紹介) 専門店 コンサルティング・シンクタンク・調査
  • 本社:
  • 東京都
  • 所在地住所:
  • 東京都新宿区西新宿1丁目26-2 新宿野村ビル25階
  • 資本金:
  • 6億4,215万円(2017年2月28日現在)
  • 売上高:
  • 179億900万円 (2017年2月期)
  • 従業員:
  • :445名(2017年2月28日現在)男性 300名 女性 145名 講師他 8,097名

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