リスクがあっても任せる人材育成。10兆円企業へ、先代から伝承した教えと夢
大和ハウス工業株式会社
代表取締役会長
樋口 武男
男は、創業オーナーの意志を継いで会長となった。赤字の関連会社を立て直し、本社の赤字も解消、大和ハウス工業・樋口武男(ひぐちたけお)代表取締役会長が語る、熱湯経営の哲学とは?
樋口ちょうど無借金になった後、亡くなってますね。
蟹瀬そうですか。じゃあ約束を果たした?
樋口果たしました。
蟹瀬素晴らしいですね。
樋口2年、3年、そうですね。
蟹瀬それはご報告に行かれたんですか?
樋口これはもう全部書類見てますもん。
蟹瀬じゃあきっと喜んで。
樋口一切の書類は全部、重要書類は全部向こうに行きますもん。で、関連グループ会社の社長なんかもずっと定期報告に行ってましたけど、亡くなる1年ほど前から「もう全部来んでええ」と「樋口君に報告があったらしといてくれ」と私だけが行ってましたけどね。
蟹瀬もう任せて大丈夫だという、おそらく思われたんでしょうね。
樋口それと肺気腫だったからしんどいでしょう?
蟹瀬ええ、話すこと自体ですね。で、樋口さんと石橋オーナーとの間でのいろんな対話がありますよね? それをきちんと残されていらっしゃるというお話も伺って……。
樋口残してますね。特に耳が聞こえなくなったのが、亡くなる2年ほど前からですから、それは筆談になるでしょう? それは段ボールの中にきっちり全部残してあります。
蟹瀬それ、全部ご披露いただくというのは難しいでしょうけど、なんかそこでこころに残るものを一つか二つでも、もし教えていただければと思うんですけどね。
樋口やっぱり人材育成が一番大事だということを、繰り返し言ってるのと、それと晩年1、2年前に一番よく言われた言葉は、 「先の先をよんでくれ」と、「先の先やぞ」と。
蟹瀬先ではなくて、その先ですか?
樋口はい。
樋口それと「君は75歳まではやってくれ」です。「なんで75歳にこだわるんですか?」って聞いたら、「わしも75まで元気でやれた」と言うんですよ(笑)。
というのは、もう一つは「次の社長を選んで、その次の社長も責任持って選んでくれよ」と。そうすると、そのぐらいの年齢になるわけですよ、74〜75に。
蟹瀬この大和ハウスという会社の先の先はどうなるんでしょうか?
樋口オーナーが描いた夢は、もうフーフーいってる人が48周年目のときに「50周年は1兆5,000億やってくれるんやろ?」と、「そしたら100周年のときに10兆円の企業群にしてくれ」言ったんです。そしたら、それをまた真面目に2人で「それやったら一番大事なのは人材ですな」と「そうや、その通りや」と「だから人材育成には力入れてくれ」と「わしが創業以来、一番苦労してきたことはそのことや」と、「人材育成ほど難しいことはない」と。だから人材育成ができたら事業の拡大、どんなにでもできるということですね。
蟹瀬目指すは10兆円ということになるわけですか?
樋口気が遠くなるでしょう?
蟹瀬そうですね。
(一同笑い)
蟹瀬どうもありがとうございました。
樋口どうもありがとうございました。
津島ありがとうございました。以上、今週のゲストは、樋口武男会長でした。
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