「シルクロードを逆走せよ」マーケットの見方を変えるために必要なこととは?!
クオンタムリープ株式会社
代表取締役社長
出井 伸之
日本が取るべきアジア戦略。次世代を担う起業家たちの育成。山積する日本経済の問題、課題。そんな中、一人の男が新たな会社を立ち上げた。日本が誇る世界企業ソニーを牽引してきた男である。新たにクオンタムリープ株式会社を設立した代表取締役、出井伸之は、これから何をなそうとしているのだろうか。その理念と戦略、その全容に迫る。
出井人材の交流も出来るし、そういうことを実際にやったほうが良いんじゃないかと思うんですね。それが一つですね。もう一つ大企業から見ると、なかなか自分の中で話していると違った目で見られないから、客観的な目がいるわけですね。
日本は、回ってみると物凄く優秀な企業がたくさんあるんですよ。売り上げから見れば、1000億から2000億くらいで東京では全く知られてないんですけど、その方たちが悩んでいるのは、この次どうしようかっていうことなんですね。ですから、そういう企業の相談にイノベーティブなコンサルティングをしてやっていくと。
巨大企業でやっていても、あと何年で100周年を迎えるけれども何か変えなきゃとか、新しいことっていうような、モノやアイディアを出すっていうような、2つがけっこう大きな仕事になってですね。その他、大和証券と合弁でアジアに成長するファンド、大和クオンタムファンドっていうキャピタルパートナーズっていうのを作って、これを通じてアジアに投資していくと。先日、第1号の投資を致しました。これは、リーマンショック以降にお金が集まったというか、何とか集めてスタートが出来たっていう。
蟹瀬大変だったのですか?
出井大変だった。ただ、お金を集めるのには、物凄く悪い時期なんですけれども。投資するのには物凄く良い時期だと思うんですね。それもやっぱり、アジアで成長するベンチャー、成長する会社を買い取っちゃうファンドじゃなくて、それを・・・。
蟹瀬育てていく。
出井それは二つ目ですね。
蟹瀬今、投資するのに良い時期だっていうのは、どういう意味なのですか?
出井アジアには、成長する企業がたくさんあるからですよ。例えば、何十年前かにソニーがやった会社は、アジアでたくさんあるんじゃないですか。ですから、それをちゃんとした目で見ていくと。金融の目と事業者の目で両方で見ていくというのが私、重要だと思うんです。
だから、そういう意味で今はインドネシア行ってもベトナム行っても、フィリピンに行っても、マレーシアに行っても、シンガポールに行っても物凄く大変化ですよ。やっぱり明治維新のとき。そこだと思うんですね。だからそういうふうに企業の新しい事業を再定義するコンサルティングと、それからアジアに投資するファンドにお金を集めて、それからどうしていくっていうこの2つですけど。あと、1年に1回アジアイノベーションフォーラムっていうのを日経新聞と一ツ橋国際大学院と3社でやっているんですね。
蟹瀬これは、相当力を入れてらっしゃるのですね。
出井去年は500人くらい集まっていただいて、ユーチューブでスピーチを出して、それからツイッターでつぶやいてもらって。今年も9月にそれをやります。日本の若手の方に20人くらい僕のアドバイザーになってもらって、その人たちにテーマも決めて、あとアジアの人たちに日本に来てもらって、その人たちにチャレンジをしてもらうっていうことです。日本は同じ人たちだとディベートしにくいじゃないですか。ところが韓国から見て、シンガポールから見て、どういう風に思うかみたいなことをストレートに言うと。
蟹瀬違うじゃないかということをストレートに言うと。
出井けっこう大変なんですけど。それって去年も、モデレーター黒川清先生にやっていただいたんですけど。彼の方が興奮しちゃっていて、すごく面白いことになったんですけど。
蟹瀬僕も大学で持っている学部っていうのは、留学生が非常に多いのですね。韓国と中国と。彼らとディベートをやらせると日本の学生もそれに触発されて、どんどんどんどん新しいアイディアが出てくる。
出井本当ですよ。日本の若い方にもどんどんチャレンジしてもらって。そうだ。日本のそういう人も今度、出してくださいよ。イノベーションフォーラムに。
蟹瀬ぜひぜひ。ありがとうございます。あの、先ほどいろんな若いベンチャーを育てていくというお話がありましたけれども。出井さん鯉のぼりの会でしたか?あと、いくつか作られていますよね。
出井ええ。僕ハワイに行って、これくらいの鉢に鯉が、桶に泳いでいるんです。それで、鯉のブリーダーの方に聞いたら、この中でお金になるのは3匹くらいですかね。あ、これだこれだと思って。山古志村の鯉。そこで写真撮られて、ネットに載せて、それで買う方が値段付けている。20ドルとか。
蟹瀬オークション型になっていると?
出井ええ。それで、面白いビジネスモデルになって。これだこれだと思って鯉のぼり。それで、ビジネスモデルを皆に発表した時は、まな板の鯉とか。上手く鯉を使いながらね。もう少し大きくなったら錦鯉の会とか。
蟹瀬でも、そういう一種の言葉遊びじゃなくて、新しいコンセプトみたいなのが生まれていますよね。
出井やっぱり優秀な若手はたくさんいて、こういう上場する希望もあんまりないシーンはね。だけどもアジアで伸びてきたりとか、こういうことをやりたいっていう日本の若手の人っていうのはね、すごくたくさんいると私はまだまだ思って。それに、さっき言った企業がコーポレートエンジェルになっていただきたい。
蟹瀬そうですね。
出井やっぱり、世代交代しませんかっていうことですよね。だから、今の40代くらいの人たちは、やる気のある人がたくさんいるように思うんですよ。だけど会社をやっていると、まだまだ最近の若い者は心配だとか言って、なかなか変わらないじゃないですか。僕は、引いてみて分かったんですけど、やっぱり若手の人たちが力を出したら物凄く良いモノ出来ますよね。最近、ネットでソニーのモノ見ていても良いものあったら必ずネットで褒めることにしているんですけど。ああ、これオレも欲しいなとか。そういうのがね。
蟹瀬それで、こう若手を鼓舞している。
出井だって、褒めて育てないとやっぱり。自分がトップでやっている時は、お前なにやっているんだって言いたくなるけど。
蟹瀬立場が変わるとね。
出井言うことが違う。
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