「シルクロードを逆走せよ」マーケットの見方を変えるために必要なこととは?!
クオンタムリープ株式会社
代表取締役社長
出井 伸之
日本が取るべきアジア戦略。次世代を担う起業家たちの育成。山積する日本経済の問題、課題。そんな中、一人の男が新たな会社を立ち上げた。日本が誇る世界企業ソニーを牽引してきた男である。新たにクオンタムリープ株式会社を設立した代表取締役、出井伸之は、これから何をなそうとしているのだろうか。その理念と戦略、その全容に迫る。
蟹瀬それと、アジアのエコシティっていう構想もお持ちだとか。
出井アジアのエコシティじゃなくてね。僕は、日本の中にサテライトシティみたいなのを作りたい。
蟹瀬日本の中に離れた街ということですか?
出井東京を今いじろうと思って。例えば、太陽光とか風力でやっても、こんなに電気の配分が上手いところに新しい街なんか立ちませんよね。そうすると全然離れたところに小さな街をつくると。福岡でも良いですし、金沢でもどこでも良いんですけど。そこに畑と街の真ん中くらいに小さなコミュニティをね。インフラを作って、エネルギーから何から全部やるのをね。日本の技術を集結して。
蟹瀬モデル都市みたいな。未来のショールームというか。
出井そうそう。それで、例えば、日本は下水道は東京都がやっていますし、事業区は出ないですよね。フランスなんか水ビジネスは、巨大なビジネスなんですけれども。日本は、行政がやっているんですよ。だから、そういうのをプロジェクトとしてやって、それを先ず日本で、インドとか中国の田舎の都市と一緒になってそういうものを作る。それが実際は、アメリカと中国でそういうことをやろうっていう動きが実はあるんですよ。
ですから、そういうのに日本が加わっていくと、その日本で10か所以上くらいにね。僕は、コンクリートがそういうのじゃなくて、インテリジェントなコンクリート。インフラね。それから人も同時に育つと思うんですよ。そのプロジェクトがね。僕は国策としてね。要するに、日本でゼネコンを否定するんじゃなくて、あれも一つの育ててきたパワーなんだから、そういうものが街づくりをやる。どういう街を作るのか日本中でコンペしたら良いと思うんですよね。そうすると、みんな知恵を出し合って北海道でつくる街と、沖縄でつくる街とはぜんぜん違いますよね。
そうすると、北海道だともちろん寒冷地に合うし、沖縄のモノはインドネシアに合うかもしれないじゃないですか。だから日本は、こんなに長いんだから、そうするとそれで都市のOSですね。OSがインフラになっていてアプリケーションは病院とか、そうすると皆、年を取ってくるでしょう。うちの家内が足を折ってから、こんなに段差がある街だと僕は思わなかった。そうやると日本そのものがエッジングソサイエティと。それから気候変動に、また津波もあるし地震もあるし台風もある国でしょう。日本がこのニーズに合わせて作ったら、そのものが異質するっていう概念じゃなくて、そことのコラボが出来るじゃないですか。
蟹瀬世界のモデルとして提案が出来るわけですね。
出井人が羨むようなインフラ都市を日本で作ってしまう。それをどこか地方都市、地方都市で一緒になってやる。
蟹瀬それは良いな。
豊かな創造力に支えられた出井の未来の選択とは?
蟹瀬出井さんのお話を伺っていると時間が経つのが早いのですよ。いろんなことを伺って面白いから。番組っていうのは、時間の制限があるので申し訳ないのですけど。一つね。お伺いしたかったのは、名刺にクオンタムリープのロゴがありますね。会社の。これ、とても変わったロゴですね。なんか、丸にバッテンのような。これは、どういう意味がこめられているのですか?
出井これは掛け算です。例えば、経験がある蟹瀬さんと若手の掛け算とか。お金持っているおじさんと、アイディアを持っている若者の掛け算とか。それから、異質のものが合うと。
蟹瀬ええ。アイディアっていうのは、いろんなところで、いろんな形で。
出井だから違うモノの掛け算が必要なの。
蟹瀬その想いというのが、その中に入っているという。
出井掛け算だぞってことです。
蟹瀬それから、やはり出井さんっていうと時代の先を読む目っていうか、その鋭さにいつも感銘を受けるのですけれども。そういう中で、今後の未来戦略っていうのを実はキーワードで書いていただきたいと思うのですけれども。お願いしてよろしいでしょうか。
石田お願い致します。
蟹瀬これお持ちいただいて。
出井一つはね。未来の実験を日本国内でというのは、さっき言ったような新しいインフラの都市ね。今から、日本っていうのはこういう電気がありますけれど。このインフラが「交流」なんですね。今、風にしろ何にしろ、全部「直流」で出来ちゃう。パソコンが直流でバッテリーでしょう。
蟹瀬ええ。
出井ウォークマンもバッテリーでしょう。そういうモノから見るとほとんどバッテリーなの。直流と交流のような新しい実験をね。日本の国内でやりましょうと。いきなり輸出するとか言われたら、「アジアへの輸出」とか成長戦略に書いてあるとぞっとするんですよ。
自分が出来ないモノ何を輸出するんだと。だから、先ず日本でやる。それからあと、シルクロードを逆走しようと。僕は、最近、日本の歴史に凝っているんですけれども。奈良のお水取りに行ってみたんですよね。お水取りって短期的なラマダンみたいな断食があって、その次に火の粉被るわけですよ。あれってすごくイスラム的だと思いません?
蟹瀬言われてみればそうですね。
出井それって、シルクロードからあそこへ勾玉なんか持ってきていると。あれ必ず日本から逆走していったものがあるんですよ。あれは、向こうから来たものじゃなくてこっちからも行っている。今度はね。日本は、アメリカ行って、エンターテインメントな人だと、すぐロサンゼルス行ったりしていたんだけど、そうじゃなくて、先ず中国、それからシルクロードの方に向かって文化を逆走させようというのを皆でやると、マーケットの見方がぜんぜん違ってきますよね。だから、そういうようなことっていうのは、僕が自分でやりたいことなんですよ。
蟹瀬音楽の世界だと、ヨーヨーマがだいぶ前にシルクロードプロジェクトっていうのをやられて奈良からスタートされましたね。
出井成熟した国は、文化、伝統、それからポップカルチャーみたいなのが出てくるわけですから。ファッションもそうですけど。これを逆走して、どんどんいく。上海万博みたいな向こうの舞台に乗らないで日本が古として。だからシルクロードを逆走するっていうのはいろんなことが出来ると思いますけどね。
蟹瀬やはり貿易っていうのは、一方通行ではなくて両方に動いているっていうね。今度、時差がある中で、それを行っていくと。このキッカケっていうのは作っていきたいと思います。
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