毎日1,000通の手紙を読む!「お客さんの声は宝物」の誠実さ
株式会社壱番屋
創業者 特別顧問
宗次 德二
家庭料理の定番、カレーライス。チェーン化は難しいとの世間の常識を打ち破り、夫婦二人三脚経営で成功をつかんだ男がいた。「もう自分がいいと思ったことは、やっぱり社員の人にも味わっていただきたい」。海外合わせて1,000店舗以上にのぼる成功の秘密とは?
全国展開を達成したカレーハウスCoCo壱番屋、宗次はこの後、経営の第一線から退く。その後、同社を退社。創業者特別顧問に就任。NPO法人イエロー・エンジェルを設立、理事長に就任。1,555店舗達成。東証一部・名証一部に上場します。
蟹瀬50代で社長から会長になられて、53歳でもう経営から、いわば退かれたと。
宗次ええ。
蟹瀬これはすごい決断だと思うんですけどね。
宗次すごいですね。皆さんびっくりされます。
蟹瀬その若さでと思いますよ。
宗次そんな前例がないと言われますね。
蟹瀬これから脂が乗ってという年齢ですもんね。
宗次ええ。まして自分たちが苦労して一から作り上げた会社ですから「信じられません」と言われますけどもね。一番の理由は、やはり今の社長が素晴らしい社長でして、もうこの社長に託そうという、それが一番です。
蟹瀬後継者の方、浜島様ですか?
宗次後継者に恵まれた。もう二十数年間、30年近く社長業、トップをやられて、一つだけ最大の喜びはなんですか? とよく聞かれるんですが、躊躇なく「後継者に恵まれたっていうことですよ」と、最高の喜びですね、これは。
蟹瀬どういう方なんですか? 年齢とかも教えていただけますか。
宗次年齢は一回りぐらい下なんです。19歳で「アルバイトさせてください」と入ってきたんですよ、そもそもは。で、私たちと一緒にいろんな山あり谷あり、艱難辛苦(かんなんしんく)味わって今日(こんにち)までお互い成長してこれたんですが、まず人物的に素晴らしいという、これが一番なんですよね。
蟹瀬素晴らしいというのは?
宗次誠実で公明正大で。裏表がないという、でないと信用できませんからね。そんな人に、もし問題があったら託せません。いくら力があって社交的で人脈豊富だとかいろんな要素があっても、まず誠実で公明正大という。それと勉強熱心で能力的にも申し分ないし、いろんな総合力ですからね。総合点では最高の後継者ですね。
蟹瀬やっぱりたくさん社長さんがいらっしゃいますよね、世の中には。一番悩んでいらっしゃるのは、やっぱり自分の後継者をどう育てるか、どうやって見つけるかということ、よくおっしゃいますよね。
宗次ええ。私たち夫婦から見ると、執着しているだけじゃないですかという人が多いんですがね。お金に執着したり、やっぱり権力だとか地位だとか名誉だとかそういうものに執着すると、そういう理由でずるずるといってしまうという経営者さんは多いんですよね、確かに。
蟹瀬だけど宗次さんもスパッと辞める、確かに外から見るとスパっと辞めていらっしゃいますけど、やっぱり悩まれたでしょう?
宗次いや、それないんです。
蟹瀬全然ないんですか?
宗次ええ。私が辞めたのが53歳で3年ほど前ですが、その1年ほど前に今の浜島社長に副社長になってもらって、代表権を付けたんですね。そのときに、私たち夫婦から今の社長に「社長をやる自信が付いたらいつでも言ってきてほしい、いつでも譲る用意をしておきますから」と言ったら、半年後に来ましてね。いや、ちょっと待ってくれよと内心は思ったんですよ、あと3年待ってくれたら1,000店舗になって、自分自身はそれを花道にすればいいかな。まさか本人から言ってくるなんて、そういう想定はしてなかったんでびっくりしましたけども、でもやっぱり勇気を振り絞ってそういう結論を出して私たちに言ってくれたと、もう今しかないということで。
蟹瀬浜島さんにとっても大変な決断だったでしょうからね。
宗次だと思います。
蟹瀬そして、今はNPO法人のイエロー・エンジェルというのを立ち上げていらっしゃると。
宗次そうですね。
蟹瀬これはどういう組織なんですか?
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク