

失敗とは無縁!?「最大のリスクは後悔することだ」の前進力
楽天株式会社
代表取締役会長兼社長
三木谷 浩史
「営業は、もうこれはとにかく数と熱意で回る」。IT時代にあって華々しく登場した三木谷。そこには意外な哲学も潜んでいた。数ある同種の事業の中で巨大な存在へと登りつめた戦略、ノウハウとは?
三木谷反対意見も出るんですけど、それは情報としてはプットするんですね。最後はでもやっぱりほとんど自分の中での決断ですね。
石丸決断。
河合ではそういうふうに相談を持ちかけるときは、本当はもう心の中は決まっている?
三木谷いや、意外とひっくり返るのは素人の意見ですね。世の中的に見るとこれどう映るかとか、そういう意見を結構逆に聞きますね。専門家の意見はあんまり聞かないですよ。
森永これだけお金が出てくると、「こういう情報をうちとコンサルティングしませんか?」とかとか、「こういうビジネスありますよ」とか売り込みに来る人ってたくさんいますよね? 逆にそういう人はうさんくさい人も多いという感じですか?
三木谷そうですね。あとは結構、僕のアメリカ人のパートナーに電話で、アメリカでこんなこと考えているんだけどどうなのかと。だいたい日本人の人って成功した後は、もう拍手喝采で賞賛するわけですけども、それ前って「なんで証券会社買うんだ」「なんでトラベル買うんだ」と去年は言ってましたけど、「やっぱりあれは正解だった」ということになるわけですよね、成功すれば。今もプロ野球に関しても「なんでプロ野球を買うんだ」と言うけども、多分来年にはやはりやってよかったという話になると思いますね。
森永プロ野球の新球団で参加申請をされたということで、これはそもそものきっかけというのは、先ほど三木谷さんおっしゃったような社会還元というのと、それからビジネスいうのと、これどちらの立場で出ていこうと思われたんですか?
三木谷これは両方ですね、いい格好するわけじゃないんですけど。やっぱり社会公共性が高いが故にビジネスとしても成り立つということなので、どちらが鶏と卵ということではなくて、やっぱり社会性があり、なおかつビジネスとしても成立すると。
森永でも今までの既存の球団というのは、30億とか40億とかって毎年大きな赤字を出し続けてきましたよね?
三木谷だから北海道であったり福岡であったり、成功している例がパ・リーグの中でも出てきていますし、宮城仙台というのも成功するのではないかなと思いますが。
森永そこは今までのプロ野球球団とは違う、先ほど三木谷さんおっしゃったそのこれまでにない仕組みを考えている? 仕組みというのは、何かこういうことをやればビジネスとしても成り立つのではないかというアイデアというのは何か考えてらっしゃるんですか?
三木谷そうですね。やっぱりインターネット、携帯を使った顧客へのアピール、これをやっぱりどんどんやっていく必要があるだろうなというのと、例えば野球の試合をインターネットで流すとか、携帯でいわゆるファンクラブの会員を募っていくとか、結構こういう積み重ねがすごく効いてくるんですよね。
森永では一つこんなことをやったらドーンと黒字になるというのではなくて、楽天市場をつくったときのように、一歩一歩積み重ねていくということなんですかね?
三木谷そうですね。 一つ分かっているのは、これも仮説、実行、検証ではないですけど、華のある選手はやはり必要だというのはありますね。
河合でも、イルハンはどうだったんでしょう?サッカーですけど。
今年の1月、ヴィッセル神戸の経営を引き継いだ三木谷は、スター選手として元トルコ代表のイルハン選手を召致。しかし、わずかに2戦で右膝を故障しわずか2戦で故障しスピード退団することとなってしまった。
三木谷まあ話題づくりという意味では成功したのではないですかね。残念ながら、彼、今松葉杖で本当に非常にかわいそうなことになってますけど、膝を傷めてしまったということで本人も非常に落ち込んでますけども、そこは残念ながらそういう形になってしまったんですけど、でもあのまま膝が悪くならなければ大変なことになっていたのではないかと思いますけどね。
森永私もその三木谷さんのおっしゃる華のある選手って、スター。これスターというのはもう成績ではなくて、本当に華なんですよね。松井秀喜選手がアメリカに行く前の、もう松井秀喜という場内アナウンスがあっただけで、球場が全体がどよめくような一種のカリスマ性というのがある選手。もうめどはつけてらっしゃいます?
三木谷これからです。
森永それはやっぱり営業活動に行って「うち来ませんか?」というような感じで、三木谷さん自身が動かれるようなことを考えてらっしゃるんですか?
三木谷そういうことになるでしょうね。
森永ああ。そうすると、でもそういう人に限ってお金いっぱい欲しいとかって言ったりしますよね?
三木谷まあ、経済性を考えつつね。でも使うときは使わないと駄目じゃないですか?
森永ええ。
三木谷せこいことばかりやってたら成功しないのかなとも思いますし。
森永で、この審査承認委員会が1カ月ぐらいかけてというのが申請してからかかると言われているんですけれども……。
現在日本プロ野球機構に加盟を申請中。しかし最終的に加盟できるのは1社のみ。同じく申請を行ったライブドアと競う形で承認が降りるのを待っている。
森永三木谷さんの今のお気持ちの中では、勝算というのはどのぐらいと思っていらっしゃいますか?
三木谷分からないですね、本当に。とりあえず、もうまな板の上の鯉なので待っていると。
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