日本の舞台産業の縁の下の力持ち。創業100年を超える舞台機構の老舗の成長戦略
森平舞台機構株式会社
取締役営業統括
森 大
森平舞台機構株式会社は劇場やホール、テレビスタジオの舞台づくりのほか、大道具や昇降装置などを開発、施工している企業だ。1906年から続いてきた舞台づくりに関するノウハウ、安全性と使いやすさを兼ね備えた製品づくりで業界内では絶大な信頼を得ている。変化する時代のニーズに応え続けるためには何が必要か?取締役営業統括 森大が胸に抱く舞台機構への想いを聞いた。
ドーキンズ舞台機構というとニッチな分野ではありますが、他の会社との差別化も含めて、森平舞台機構はどんなところが強みだとお考えですか?
森私どもの製品は作って納めて終わりというものではなく、劇場やホールが完成してから初めてお客様とのお付き合いが始まります。保守点検やメンテナンスを通じてお客様と意見を伺いながらサービスを提供していく。その上で我々の培ってきた経験値や施工案件数というのは大きな強みになっております。
蟹瀬これはやっぱり急にやろうと思ってできる仕事じゃないっていうことでしょうね。時代を重ねてきて技術のレベルも上がってきて初めて信頼が勝ち得られるっていうご職業ですね。
森難しいことだとは思いますけれども、お客様に合わせて製品を開発提供していたことが今日に至っていると思っております。
蟹瀬本当に長い付き合いが大事なんですね。
長い歴史の中で培った技術と経験、そして時代に合わせた変革。それが森平舞台機構が未来へ進むための原動力。
ドーキンズさて、森さんのプロフィールを拝見しますと、サラリーマンを経験されてから森平舞台機構に入社されています。入社する前っていうのはどんな会社だと思われていましたか?
森生まれたときから家業が舞台機構という特殊な家に生まれましたので、舞台機構という響きには馴染みはあったんですけれども、実際舞台機構がどんなものかっていうのは、小さいときはわかりませんでした。会社に入って初めて、現場を見て、舞台機構を学んでいったというのが正直なところです。
蟹瀬どうしても職人さんのいる世界っていうのは、我々のイメージからすると徒弟制度があって、もう厳しく鍛えられて、という感じがするんですけども。どういう職場を作っていこうと思われているんですか?
森私が入った頃は良くも悪くも職人気質なところがまだ残っていました。一人一人はすごくいいアイデアやノウハウ、経験値を持っているんですけれども。例えば一つ、この装置を安全につけたいっていうふうに考えたときに、個々に正解を持ち合わせていて、もっとノウハウを集約すればもっといいものができるんじゃないかと感じました。
蟹瀬どうやってバラバラになっているアイデアっていうのを一つにしていこうと思われたんですか?
森私の同期と年齢の近いメンバーで少しずつ変えていかないかと、私たちの経験値を共有することから始めないかということを考えてみました。
ドーキンズ自分より経験のある方にそれを提案していくのは難しくないですか?
森やはり経験値のある方は我々の言葉にも耳を傾けていただけるので、そういったことも我々が学んだ環境整備の一つかもしれないです。
蟹瀬今の立場になって、社内を変革していくリーダーシップをとらなきゃいけないわけですね。どのあたりから手をつけて、どういうところをゴールというふうに考えてらっしゃるんですか?
森働きやすい環境を整備するということに舵を切ろうというふうに考えました。私達は2016年に健康宣言を会社が行いました。2017年には健康経営優良法人という認定を続けて2年連続で認定することができました。
かつて森平舞台機構は、男性社員の割合が高い職場だったが、現在は女性社員の割合が増えているという。
森女性社員の比率が3割を超えています。中には育児休暇をとったり、産休を取ったり、それからまた復職して活躍してくれる女性スタッフも数多くおります。働きやすいように、そういった制度も、いろいろ取り揃えるようにしています。
森平舞台機構では、働きやすい環境作りを目指し、様々な制度を取り入れている。こちらは産休育休制度を利用している社員。制度についてどう思っているのか、話を聞いた。
(インタビュー:営業部 エンジニアリンググループ 相川 尚子さん)
相川現在は2人の子供の子育てをしていて、一人目のときも二人目のときも、産休育休を取得して職場復帰しました。子供がまだ小さいので迷惑をかけることが多いのですが、上司や周りから理解を得られる環境も良いところだと思っています。今後、利用者が増えていけば、女性の活躍の幅がさらに広がると思います。
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