世界中を震撼させる「コロナ」感染リスク


時代刺激人 Vol. 312

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。
2020/03/31

世界中を震撼させる「コロナ」感染リスク

中国・武漢市を発生源にした新型コロナウイルスの感染リスクが、ここまで世界中を震撼させる重大危機に拡大するとは、誰も想定しなかっただろう。ウイルスという目に見えない「敵」との闘いとはいえ、今やヒトの動きに大きな制限が加わり、それがモノの生産活動に波及、経済は失速しかねない事態となった。国際的に、まさに非常事態だ。

当初は、感染者の隔離、治療対応にとどまっていたのが、次第に危機管理対応は住民の外出禁止など都市封鎖、さらには感染者が急増する国々からの入国制限にエスカレートした。今では感染リスク遮断を理由に、シンガポールがすべての外国人の入国禁止という国境封鎖に踏み出すと、EU(欧州諸国連合)が同様にEU域外からの入域を30日間、原則禁止した。米国も自国内の都市封鎖にとどまらず、EUなどからの入国を封じた。連鎖が拡大すれば、世界中が鎖国状態に陥ってしまう。現に、その最悪状態に向かいつつある。

国境封鎖や相互不信を止め、グローバル連携を

そんな中で、国際問題の専門家が鋭く問題指摘する。「中国が2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の教訓をもとに、新型コロナウイルスへの対策を素早くとっていれば、中国武漢の新型肺炎、中国の風土病にとどまっていたはず。その責任は間違いなく大きい。しかし疾病のグローバル化スピードがケタ外れだ。人の往来スピードが早いため、リスクは一気に拡大しパンデミック(世界的な流行)になった」と。全くそのとおりだ。

今、こわいのは、グローバル化が「コロナ」ウイルスの感染リスクを世界中に拡散させたとして、グローバリゼーションを憎み、国境封鎖などで各国が相互不信に陥ることだ。そこで、私は言いたい。今こそ世界が足並みをそろえて危機対応で連携することだ。相互不信から国境封鎖に走るのではなく、感染者対策の知見やワクチン開発の情報共有、医療崩壊に陥る国々へ医師や看護師の国際チームを派遣、物資補給すること、また経済対策に関しても失職を余儀なくされた人の救済策の政策情報共有など数多の対応が必要だ。

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