



イラン・ホルムズ海峡封鎖など中東地域での緊迫した事態が収まらない。産業用石油などを海外に頼る日本にとって、原油価格高騰のリスクが大きい。1ドル160円前後に張り付く円安も異常だ。国内物価高を誘発する輸入インフレリスクがあり、無視できない。
エネルギーの自給率が脆弱な日本は、中東危機の今こそ、地政学的リスクの大きい石油依存を減らすことが最重要。同時に、エネルギー利用構造の再構築が必要だ。端的には太陽光など再生可能エネルギーへの大胆なシフトにチャレンジすべきだ、と問題提起したい。
まずは、脱石油への取組みが避けて通れない。日本のエネルギー利活用の現状は、調達面では石油が圧倒的シェアで36%を占め、次いで石炭25%、天然ガス(LNG)21%、原子力や水力、それに太陽光などの再生可能エネルギーが続いている。
このエネルギーを取り巻く日本の現状を見た場合、間違いなく地政学リスクの高まる石油対策が最優先課題だ。価格高騰リスクのある中東産石油への依存を減らすのは当然だが、同時に、米国産などに地域分散することが必要となる。
政治指導者は今の時期にこそ、しっかり危機管理判断を行い、指導力を発揮すべきだ。
高市早苗首相は、今年4月27日の国会審議で、「省エネは重要。しかしエネルギーの節約行動を国民に求めることは経済活動にブレーキをかけかねないので、踏み出す必要はない、と考えている」と述べた。内需抑制につながるエネルギー節約要請が国民受けせず、経済停滞に陥りかねないため、政治にとってリスクという判断なのだろう。
しかし、その首相判断が間違いだ。中東情勢は楽観できる状況にない。危機管理対応という意味で、最悪事態を想定して対応策を示すことが重要。政府は備蓄原油の取り崩し対応をもとに、あとは物価対策で対応との判断のようだが、不断の省エネ対応が必要だ。
韓国は危機意識が強くエネルギーの節約行動に動いている。日本は、1970年代の石油ショック時のような大掛かりな節約行動はまだ必要ない。ただ、エネルギーの消費節約に無頓着となり、中東危機をしっかりと受け止めないことの方が、日本にとってはリスクだ。
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