日本企業がアジア成長センターで見向きもされなくなる?


時代刺激人 Vol. 326

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。

成熟経済の強み生かし健康長寿の日本食文化などアピールを

これら巨大な「チャイナ・アセアン経済圏」の力強さに比べ、日本はどうだろうか。やや内向き思考が目立つだけに、力負けするリスクがある。しかし、日本は腐っても?鯛は鯛なので、成熟度のある経済の強みを武器に、さまざまなアクションを起こすべきだ。

その1つが、食文化などソフトパワーに磨きをかけることだ。食文化に関してはアジア、そして欧米諸国から観光で来日するインバウンド客から日本食の味のよさ、出汁(だし)のうまみ部分に高評価がある。それだけでない。日本食の場合、健康長寿食としても科学的な知見をもとに評価を得ており、日本は世界に向けてアピールすべきだろう。

アジアに先駆けて高齢社会時代対応の新社会システムも

日本が今後、率先して取り組むべき問題がある。以前のコラムでも問題提起したが、超高齢社会時代に対応する社会システムづくりだ。国民皆保険制度や高齢者向け介護保険制度は、日本の強み部分だが、制度設計面でまだ課題を残している。今後、人生100年時代という、超高齢社会時代に予想もつかない問題が横たわる。日本はフロントランナーであり、課題山積の新時代に対応する社会システムづくりでリーダーシップを発揮すべきだ。

人口の高齢化が急速に進む中国のみならず東南アジアのタイ、シンガポール、ベトナムは今、経済成長への取組みと並行して高齢社会対応が重要課題で、制度の導入に躍起だ。その点でも、日本が超高齢社会に対応したシステムづくりを進めれば、これらの国々からは先進モデル事例国家、という形で評価を受けるのは間違いない。

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