「野心ではなく志を」。志で考える、世界の日本、世代交代、後継への引き際
SBIホールディングス株式会社
代表取締役執行役員CEO
北尾 吉孝
インターネットを通じ、証券や銀行、損保、住宅ローンなど、様々な金融サービスを展開しているSBIグループ。創業からわずか10年で80社を超えるコングロマリットへと発展を遂げた今、グループは新たな成長路線への舵をきり始めた。ネットによる金融サービスで変革を起こした、SBIホールディングス株式会社代表取締役執行役員CEOの北尾吉孝が描く、次なる事業戦略その全容に迫る。リーダーアンドイノベーション賢者の選択。
北尾一つは部分、全体は部分の総和以上であるという面。
北尾それから全体には部分にない新しい性質がある。従っていろんな会社をたくさん作ってその会社をひとまとめにして経営した方が強い性質が出てくる。その金融ですからとりあえず金利にフィールドを絞っていますから当然そのシナジー効果、相乗効果が働くと。そもそも銀行証券生保だ損保だという風に分けたりしますけど、お金からしてみればその人のお金のポートフォリオをどこにどうリスクとリターンの関係で振り分けるかということなんですね。ですから、そういう中で今は制度的に法律やなんかで、あなたこれは銀行業務しかやったらいけませんよ、あなたは証券業務しかやったらいけません、こうなってるのをインターネットだと全部もう自分の前のパソコンあるいは今では携帯であるいは、モバイルフォンで全部できる。スマートフォンでできるということになるんですね。物理的には移動を伴わないで銀行から証券、証券から保険へといわゆるワンストップのサービスの提供が実現すると。
宮川私はちょっと気づきませんでしたけれど、インターネットを使った場合にはいわゆる規制というものはそれほどきついものではないんですか?
北尾いや同じなんですよ。例えば証券で株を売っても儲けたからこれを銀行に預けようとした時に、自分の前でできるから物理的に通帳を持って行ってそして証券と銀行と当然離れていると中で移動して行うがいわゆるワンストップになってないですよね。だけど私ども提供できるのはワンストップのサービスですから。ある意味ね、そういうことが可能なんですね。
白石インターネットで株の売り買いができるオンライントレードもそのサービスの中の一つですよね?
北尾そういうことですね。これによって何をしたかと言うとそれまで証券会社に入っていた手数料を大幅に下げることによって投資家にもういっぺん分配し直したと。そういうことなんですね。ですから投資家により我々は利益を与えたと画期的なサービスだと思うんですね。それが可能なのもインターネットで。要するに四つ角に店を置いて、そして人を雇って不動産費だ人件費だと膨大なものがかかる。従って、証券の手数料は高いものを払わないといけない、こうなりますよね。ところが我々は全部インターネットでやりますから不動産費も人件費もいらない。従って、例えば大手の証券会社の1/13とか1/14とかの手数料で同じ証券を買ったり売ったりできるということなんですね。
宮川そうなんですね。繰り上げ返済する時にはこんなに簡単にできるのかと思い、手数料が非常に安く。ですよね。
北尾銀行はと言うと同じようにやっぱり支店をたくさん持っているわけではない。人をたくさん雇っているわけではない。だから高い金利をお支払いすることができる。今メガバンクと言われているところと比べたら圧倒的な今日金利、高い金利、預金金利を払ってることになってるんですね。だからこれがインターネットの持つ価格破壊力なんですね。それをうまく利用する。
北尾ちょうどさっき時流に乗ると申しましたけどもね、まさにちょうど僕がスタートする時はインターネットの事業と呼ぶこの世界がようやく日本においても広まっていく、そういう状況だったんです。もうひとつの時流は規制緩和。あの時ちょうど橋本内閣の時アメリカに遅れること20年、英国に遅れること10年で大ビックバン金融のビッグバンをやって規制緩和をやりだした。だから手数料の自由化もできるようになったんです。それまでは手数料というのはフィックス。決まってたんですね。固定手数料制。ところがビッグバンのおかげで変動で行けるようになった。だからインターネットで大きくそれを安くするということができたと、こういうことなんです。
宮川しかしその流れの波が来た時は北尾さんは年齢的には結構上の方でいらっしゃいまして、やっと間に合ったかなという感じ?
北尾私はなんでも新しいもの好きですから、結構時代の変化というものを捉えるのには敏感なんです。私は若い人を好きですから、今でも新入社員入れますでしょう?新入社員に課題を与えてレポートを書いてもらって、全部見るんです。そして若い人のいろんな新しい知識をそこで僕は吸収するんです。我々年寄りも若い人に教えることもたくさんある。逆に若い人から年寄りが学ぶこと、特に時代の感性というのはね、若い人が持ってるんです。
宮川しかしその創業当初の世間の反応というのはどうだったんですか?
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク