「野心ではなく志を」。志で考える、世界の日本、世代交代、後継への引き際


SBIホールディングス株式会社
代表取締役執行役員CEO
北尾 吉孝

特選インタビュー

インターネットを通じ、証券や銀行、損保、住宅ローンなど、様々な金融サービスを展開しているSBIグループ。創業からわずか10年で80社を超えるコングロマリットへと発展を遂げた今、グループは新たな成長路線への舵をきり始めた。ネットによる金融サービスで変革を起こした、SBIホールディングス株式会社代表取締役執行役員CEOの北尾吉孝が描く、次なる事業戦略その全容に迫る。リーダーアンドイノベーション賢者の選択。

孫正義氏との関係

北尾孫さんとは今でも親しくしてますよ。ソフトバンクで僕もこのインターネットというものをいかに素晴らしいものかということを身につけることができました。ですから、それまでの野村證券でいた時の金融の知識と、ソフトバンクに入ってからのインターネットの知識。これとが見事に僕の頭の中で居着いたんですね。それがまあ最大の成功要因だったかもしれませんね。孫さんはある意味僕の会社生活における最大の恩人。孫さんなくして僕は今日なかったと思いますね。

ですから非常にそういう意味では恩を感じてます。ただ、最も孫さんに激しく反発したのも僕だったんじゃないかなと思いますね。ノーという時は常にノーと言い続けてきましたし、絶対通さないということは通さないで来ましたね。でも孫さんというのは非常に度量がある人で、僕がそれだけ万座の中でけちょんけちょんに言っても、ソフトバンクのことを考えてくれてる、俺のこと考えてくれてるということで許してくれていたんですね。今でも非常に良い同志です。

宮川なるほど。そういうことから言いますと、非常に卓越した経営者同士。両雄並び立たずだと思ったんですけど。それはどういう感じであれなんですか?

北尾まあひとつには僕が6つ年上ですからね。そして僕ははじめのCMOとして入りましたから仕事というのはいかにファイナンス、資金集めをしてそして買収その他やるかと。非常に短期間で店頭公開したばかりの会社に、あっという間に4800億のお金を調達しましたから。それは考えられないくらいの、そのお金使ってYahoo買うアリババ買うとか言って孫さんやってたわけですね。孫さんの投資で当たったのは非常に大きくなったんですけど、ほとんどは外れましたよ。

宮川そうですか。でも絶対に北尾さんに必要な存在だったわけですよね?

北尾人間というのは、僕は今振り返って思うと会うべきタイミングで会うべき人に必ず会うという風に思うんですね。

森信三 会うべきタイミングで会うべき人に必ず会う

北尾これ森信三が哲学者と教育者の言われてるんですけどね。私もそう思うんです。普通で行けばソフトバンクに移るということは考えられない状況だったんですけどね。ところが、野村證券がいろんな不祥事でガタガタしたそういうタイミングだからこそ僕が転職するということになった。
そしてちょうどソフトバンクが公開して、そして飛躍するそういう局面で孫さんは「北尾さんうちに来てくれませんか。」と。「北尾さんがうちに来てくれたら飛躍できるんです、ソフトバンクが。」彼のそれは一つの慧眼ですよ。見る目が僕という男をね。これほどうるさい男はあんまりいないんだけど、彼はそれをまあ求めたんでしょう。

しかしそのままずっといってて続いたかどうかというのは非常に難しかった。というのは、ソフトバンクが途中からADSL事業をやると。それで3年間ですね1000億以上の赤字を継続して出した。そういう会社が親会社で子会社の我々としては金融事業を続けていくことは不可能です。やっぱり金融事業というのは安心安全。こういうことが非常に大事なんですね。
ですから親会社が大赤字で1000億以上の赤字を3期間出してるようなところを。そしたら銀行免許もやれないよ、保険免許もやれないよと、こういうことに当然なりますね。

僕は孫さんに株を全部売ってくれという話をして、お願いしたんですね。孫さんという人が偉いなと思ったのは、どう言うんかなと?思ったら、北やん、すまなかったと。こう言うんですね。孫さんというのは本当に度量があるし、理路整然とこっちが話したらそれはもっともなことだという風にすぐ自分で理解して、そしてそれを変な自分の一時的感情で曲げて相手との関係を悪くするようなことはしないんですね。ですからそういう形で円満にソフトバンクから完全に別れて、資本関係もゼロになったということで。2006年の8月でしたね。

宮川でもその野村としては社長候補を失ったわけじゃないでしょうか?

北尾色々あるんでしょうけどもね。僕の人生いろいろ天がすべてを采配しているわけで。天はそうした方が世のため人のためになるというふうに考えてくれたもんだと、勝手に解釈しているんです。僕はみんな天のせいにしていまして。これをね、任天任運というんです。

任天任運

北尾天に任せる運に任せる。どうせ人間ってちっぽけな存在でね。大したこと出来ないんですよ。だから全部天に任せちゃった方が結果うまくいく。何か失敗してもね、これ天が失敗した方がいいから失敗させてくれたと。そういう風に思っちゃうんです。

白石続いての変革のキーワードは何でしょうか?

変革のキーワード③日本のSBIから世界のSBIへ

北尾そうねやっぱり日本のSBIから世界のSBIと言うことがそれにあたりますかね。

出演者情報

  • 北尾 吉孝
  • 1951年
  • 兵庫県
  • ケンブリッジ大学

企業情報

  • SBIホールディングス株式会社
  • 放送日 2011.08.14
  • 社名
  • SBIホールディングス株式会社
  • 業種
  • 銀行・証券
  • 本社
  • 東京都
  • 所在地住所
  • 東京都港区六本木一丁目6番1号
  • 資本金
  • 81,681百万円
  • 売上高
  • 39,524百万円(平成29年3月31日時点)
  • 従業員
  • 連結 5,070名 / 単体 196名

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