リスクがあっても任せる人材育成。10兆円企業へ、先代から伝承した教えと夢
大和ハウス工業株式会社
代表取締役会長
樋口 武男
男は、創業オーナーの意志を継いで会長となった。赤字の関連会社を立て直し、本社の赤字も解消、大和ハウス工業・樋口武男(ひぐちたけお)代表取締役会長が語る、熱湯経営の哲学とは?
樋口「その役員会でしゃべったことを能登で静養しているオーナーに送れ」と、文書にしてですね。そしたら出来上がった文書は、大企業病にかかっとるやないか!」と怒ってるでしょう? そのままずっとテープのままだから出てきますよね。で、秘書が「こんなん、なんぼなんでもそのまま送るわけにいかんでしょう」言うから「俺はその通り言うた」と「だから送ってくれ」と。いっぺんごまかしたら、あと全部ごまかさなければいけないと、だから本音で言ったことは本音で出してくれたらいいと、どう受け止めるかはオーナー次第だと、で、送らせたんですよ。
蟹瀬なんか返事は返ってきましかた?
樋口返事は返ってこなかったけども、お付きの人に後日行ったとき聞いたら、「ものすごい時間かけて読んではりました」と、読み返していたんでしょうね。
蟹瀬そうでしょうね。
樋口それで一言、「よう言うてくれた」と、こうおっしゃってましたと。だから良かったんですよ。
蟹瀬この熱湯経営という中には、役員の任期を1年にしたというお話が……。
樋口それはもう
樋口帰ってきたときに、4月に社長になって6月に総会でしょう、そのときに「役員の任期は1年にしますよ」と言ってオーナーに能登で報告したんですよ。
蟹瀬これ、緊張感高まりますよね?
樋口「なんでや、そんなことをやってる会社あるのか?」と言うから、「ソニーは昔からやってます」そしたら不承不承(ふしょうぶしょう)承知されたんです。で、翌月行ったら「ソニーだけやろ?」と来たんですよ。これは反対だなと、だからそれは私も読んでいるから、その年に5、6社やったんですよ。やりそうな会社、全部リストアップしといて、「ここもここもここもやります」と、「だから人の真似する会社やないでしょう?」と出たら「わかった」と言ってなったんです。
蟹瀬今度は樋口さんのほうが先に行ったわけですね。
樋口そうです。
蟹瀬なるほど。それと、あいうえおとかそういう言葉に頭文字から取った訓示というかなんかあるってお話を……。
樋口これはだんだん。一番最初は、「若さを保つかきくけこ」と言ったんですね。
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