BUSINESS FLASH
とける唐辛子、スイーツをおいしくする黒にんにく、肌を生まれ変わらせるセラミド飲料・・・
ユニークな新商品を連発するベンチャー企業が三重県松阪市にある。
同市嬉野にある「うれし野ラボ」という製造直販会社で、コーン油の製造で国内トップシェアを誇る辻製油(松阪市)が2年前に設立した。
辻➖➖辻製油は食品メーカーなどに油を原料として納める会社なので、商品が消費者へ届くのを見届けることができません。それで長年育んできた技術を自分の手で商品化し、直接消費者へ届けたくて『うれし野ラボ』を設立しました。
と辻製油社長の辻保彦さん(67)。
「うれし野ラボ」の社長も兼任し、自ら新商品開発にも携わっている。
辻製油といえば、コーン油だけでなく、日本で唯一、水と油をつなぐ高機能素材レシチンの工業向け精製に成功した企業として知られている。
つまり、辻製油のおかげで、レシチンが不可欠なマーガリンの国内生産ができるというわけだ。
その高い技術が「うれし野ラボ」の商品に惜しみもなく注ぎ込まれているという。
たとえば冒頭に紹介した「とける唐辛子」は、レシチンとナノ(微細)化技術を活用して作られたもの。
ラーメンやうどんなどめん類にはもちろん、お酒にも溶けるため、〝辛い焼酎〟といったような新しい味覚も楽しめる。
さらに「セラミド」に至っては、驚くほど徹底したこだわりのもとで製造されている。
辻➖➖たとえばセラミド飲料『セラフル』には、50ミリリットルの中にとうもろこし10本分のセラミドと1万ミリグラムのコラーゲンが配合されています。これだけの有効成分が入った飲料はほかにありません。毎日、寝る前に飲むと28日で美しい肌に生まれ変わります。
と辻さん。
そもそも「うれし野ラボ」は、セラミドをテーマとした事業化に関し、三重大学の研究協力を受け、財団法人三重県産業支援センターからも「2009年度みえベンチャー事業化支援補助金」を受けて設立された。
さらに独立行政法人中小企業基盤整備機構の支援も受けながら、新しい販路開拓や商農工連携にも取り組んでいる。
国や県、大学を巻き込んで品質を高めていく姿勢には「とことん商品の質にこだわる」という辻社長の信念がみえる。
辻➖➖私にとって『うれし野ラボ』は必ず成功させなければならない事業なんです。長年、追求してきた健康と美をダイレクトに商品化できるだけでなく、これまで私たちを育ててくれた地元に貢献できるからです。そんな想いを表したくて、地名を社名にしました。
〝モノづくりニッポン〟の技術と郷土愛が融合した新事業。
今後の展開が楽しみだ。
企業情報
- 公開日 2011.05.13
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