毎日1,000通の手紙を読む!「お客さんの声は宝物」の誠実さ
株式会社壱番屋
創業者 特別顧問
宗次 德二
家庭料理の定番、カレーライス。チェーン化は難しいとの世間の常識を打ち破り、夫婦二人三脚経営で成功をつかんだ男がいた。「もう自分がいいと思ったことは、やっぱり社員の人にも味わっていただきたい」。海外合わせて1,000店舗以上にのぼる成功の秘密とは?
宗次私たちが考えたのは、とにかく自分たちが食べておいしいカレーならそれでいいんじゃないか、こだわる必要はないぞということですね。それで出前でメニューにしたら人気が出まして、ヒットメニューになった。じゃあ3号店の店はカレーの専門店でもやろうかと。後先考えない、ただ若かったからね。自分たちなりの商売をすれば、真心のこもった商売をすれば、やがて繁盛するだろうという、そのくらいの自信のもとに、カレーの店をつくろうということになって、東京に見学に来たんです。
蟹瀬有名な店、いっぱいありますね、東京は。
宗次ええ。12軒ほど回りましたね、切抜きを持って。全部の店を回って出た結論が、どんな有名店のカレーで、高い、千何百円というカレーよりも、自分たちが作った喫茶店で提供している「私たちのカレーが絶対一番おいしい」と、思ってしまったんですね。帰りの新幹線の中で、じゃあ屋号どうしようかなと、一番おいしいんだから、「カレーならここ一番や!でCoCo壱番屋にしよう」とメモにして、帰って嫁さんに見せて「ああ、これいいんじゃない」と、「ここがCoCoっていうのがまたいいんじゃない」と、すぐ決まりました。
蟹瀬なるほど、そういう形で名前が決まったんですか?
宗次そうですね。
蟹瀬そしてもう1号店がオープンになって、それからいろいろ店舗を展開したいわけですよね? 当然のことながら、商売拡大していくには。そのときにフランチャイズでやっていこうということをお決めになったのは?
宗次フランチャイズというのは、何も知識はなかったのですが、1号店のオープンのときに喫茶店をちょっと任せて、ランチタイムに様子を見がてらちょっと手伝うつもりで行ったのですが、見ていたらもうすぐにひらめいたんです。この商売こそフランチャイズビジネスでやる商売ぴったりじゃないかなと。一度に大量に作って、それをお店では加熱をして盛り付けて提供するだけ。
蟹瀬どういう方がフランチャイジーになるかというのは、とても重要だと思うんですけど、宗次さんは何か条件みたいなものというのは整えておられるんですか。
宗次そうですね。この食堂業は特に、やはりお客さまに誠心誠意真心のこもった商売をやり続けられる人じゃないとね。
蟹瀬誠実な方?
宗次そうですね。まず誠実じゃないと。それと夫婦で力を合わせてやり続けるということですね。
蟹瀬ご夫婦でというのは、やっぱり一つの条件だったんですか?
宗次ええ。これは食堂業、私なりの基準で。夫婦が一番という、そういう思いで。自分もそうしてきましたし、それを求めていましたね。今もそうです。
蟹瀬特に奥さんの強いカップルとか(笑)。
宗次そのほうが結果的にうまくいきますね、多くの場合がね。
蟹瀬どこの家もそうですね。
宗次オーナーさんはちょっと家にいていいから、奥さんが頑張ればいい店になるからという場合だってありますね。
蟹瀬ロイヤルティーは何パーセントぐらい取るのですか?
宗次私どもは当初から加盟店さんにも利益を上げ続けていただきたい、それで2号店3号店、複数店を出していただきたいという考えで、ロイヤルティーは頂かないと決めました。
蟹瀬ロイヤルティーを取らないフランチャイズって儲からないですよね?
宗次ええ。私どもはカレーのソースを自社で作っていましたから、その卸業のようなことで十分利益は頂いていましたから。
蟹瀬そうなんですか。加盟店にそのカレーを売って、その代金で儲けを出す。
宗次そうですね。それプラスロイヤリティーまでは頂かなくていいだろうということですね。
蟹瀬ただ、一度フランチャイジーの募集、中断されていますよね?
宗次中断というかやめました、2年足らずの間に。
蟹瀬そうなんですか。
宗次その理由は、社員さんが徐々にだんだん増えてきて、一人一人話をして聞いてみると、皆独立したいと言うんです。喫茶店だとか中華料理屋さんだとか、カレー屋さんだとか。自分の足元見たらいい人がいっぱいいるわけで、そういう人に、社員に独立をしていただけるような、そんな仕組みを作ろうということで。
蟹瀬そこでこの「ブルームシステム」というのを発足させられた。ブルームシステムってどういう意味なんですか?
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