サービスで「絆」を紡ぐ。
130年の歴史を持つ運輸業界の老舗を支えてきた精神
鴻池運輸株式会社
代表取締役兼社長執行役員
鴻池 忠彦
鴻池運輸株式会社は1880年に創業し、130年を超える歴史を持つ運輸業界の老舗企業だ。しかし、「運輸」という名前がついているにもかかわらず、運輸事業は全体の売上の半分でしかない。創業家4代目にあたる代表取締役兼社長執行役員 鴻池忠彦にこれまで鴻池グループがいかにして発展してきたのか、そしてこれからどのように進化していくのかを語ってもらった。
坪井 さて番組ではリーダーズチョイスと題しまして、ゲストの方に選択の基準、敬愛の人、賢者の文の三つの中からカードで一つ選んでお話しいただきたいと思います。それでは鴻池社長、よろしくお願いします。
宮川 「賢者の文」ということですね。
鴻池 はい。
坪井 それでは心に秘めた一言をお願いします。
鴻池 はい。
宮川 一字ですね。
鴻池 安全の「安」。安らか、安心。そして安寧。この言葉が思い浮かびました。
宮川 やはり社内ではこの案という字はいろいろな場面で見ると?
鴻池 まず私たちは挨拶をするときに「こんにちは」ではなくて、「ご安全に」っていうのが我々の社内の挨拶代わりでして、例えば会議を始めるときの最初にも、皆が起立をして「ご安全に」で礼をして、それで会議が始まり、会が終わりましたらまた同じように立ち上がって全員で「ご安全に」と唱和して終える。ですから、安全の安で始まり、安全の安で終わる。全てがそういう文化ですね。本当に作業が現場の作業は危険と背中合わせでやってる作業がたくさんありますので、一歩間違えると自分の命を落としかねないような作業がたくさんあります。ですから、やはり安全を大切に大事にしていこうということで、この「安」という字。安寧、安らか、平和っていうことが思い浮かびました。
実は手元に私どもの130年のときに作成をした社史をお持ちしたんですけれども、この真ん中に写ってるのが創業者や私の四代さかのぼる、曽祖父なんですけども。
坪井 おしゃれですね!
鴻池 それで実は、この130年の記念式典のときで、1200人ほどが一堂に会して、舞台上に向かってこの写真を撮影したんですが、撮影をした後、実は回れ右をして振り返って後ろを見たんですね。それで撮った写真がこういった写真なんですけれども。回れ右をして180度方向変えた瞬間にたくさんの人の背中が私の目に入ってくる。その瞬間に「あぁそうか、うちの会社ってこれだけたくさんの人が支えてきてくれたんだ」と、改めて当たり前のことなんですが背中をたくさん見て、それを思いました。
それと同時にずうっと奥まで人がいたんですが、最後は壁があるんですけれども、その壁の先にもうすでに亡くなった先人たちの姿が見えたような気がして胸が少し熱くなった。そういう思いがありました。
ですから、安寧っていうのは創業以来、たくさんの人が安全、安心、安らかということを
常に願いつつ事業活動に取り組んできてくれた。ということだと思うんです。
宮川 それが発展にもつながるそうですね。
鴻池 そうですね。
坪井 今後の展開についてはどのようにお考えですか?
鴻池 我々はもちろん売上高を増やしていくっていうことは大切なことであるんですけれども、あくまでもそれは結果でして、それよりも私たちの価値をいかにご提供し続けて世の中が発展していく。社会に我々が貢献できることを強く願っております。そしてその結果、売上高も利益も増えていれば、本当にそれは大変幸せなことだというふうに思います。
宮川 伺っていますと、鴻池精神みたいなもの。それは社員の皆さんも共有してらして、どんどん新しい事業を始めてらっしゃいますし、そのAIとかIoTとか、新しい時代への取り組みもですけど、何かちょっと運輸という言葉からずいぶん離れた素晴らしい大きな会社だなっていうふうに拝見しました。
鴻池 ありがとうございます。
宮川 ますます次の100年に向けてですね。
鴻池 次の代に渡すために頑張ってまいります。
宮川 今日はありがとうございました。
坪井 ありがとうございました。
鴻池 ありがとうございました。
賢者の文―「安」
安全、安らか、安心、安寧。従業員の安全を守り、平和の職場を作ることで紡がれた創業以来の歴史。次の100年へとつながる第一歩。それは心を込めた「ご安全に」。
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