24時間365日人に寄り添う。
葬儀業界に求められるサービスの質と未来展望。
燦ホールディングス株式会社
代表取締役社長
野呂 裕一
燦ホールディングス株式会社は、1932年に大阪で創業した葬儀会社だ。業界に先駆けて葬祭専用会館を作り、現在も葬儀業界を牽引し続けている。代表取締役社長、野呂裕一は時代の流れに合わせたサービスの変革だけでなく、社員の働き方にも注目、社内変革を推し進めている。野呂が見据える、人生100年時代に求められる葬祭サービスとは?!
宮川 今は「働き方改革」というふうなことを言われます。なかなかこの業界ですと、時間とか曜日とか選べないようなところがあると思いますけども。
野呂 葬儀業界というのは24時間365日、時間とか場所とかお客様を選べるような業種ではございませんので、なかなか一律に時短をするとか、効率化を図るというのは難しい職業であるというふうに感じております。
私も十数年前に入ったとき、やはり社員の健康面であったり、そういうことについてもしっかり改善しなきゃいけないということを考えまして、社員の時短ということで休みの増加とか、あとは夏季休暇をしっかり取るようなことも含めまして対応してきました。
要するに働き方改革が入ったから突然的に時短を目指すということではなくて、社員の生活の安定とか幸福が業績の向上にもつながるということで、そういった福利厚生の改善についてもチャレンジしてきた次第でございます。
24時間365日お客様の対応に追われる葬祭業。燦ホールディングスでは、社員の健康管理、福利厚生の観点から、育児休暇、時短勤務等、働きやすい職場環境に努めている。実際に制度を利用している社員に話を聞いた。
(インタビュー:株式会社公益社 セレモニーサービス部 リーダー 1級葬祭ディレクター 阪本 さおりさん)
阪本 子供が小さいころは、本当に保育園から電話があってすぐ帰らなくてはいけなかったりとか、妊娠中であればやっぱり通勤が辛かったりとか、そういう時期もあったんですけれども、やっぱり配属のことを考えていただいたりとか、妊娠中は例えばこういったディレクター職ではなくて違う部署に一時的に勤務をさせていただいたりとか、そういうことがあったので、今も子供が急に熱を出したりとかして、怪我をしたりとかっていうときにちゃんと周りが「お互い様だから」っていうふうに声をかけながら働けているので、本当にそういう部分ではたくさんサポートしてもらっています。
宮川 これからどのような会社にしていきたいと考えですか?
野呂 社長を拝命したからといって考えたということではなくてですね、やはり転職する際に、どのような会社にしたいかということを正直考えました。それについては、やはり社員が生き生きとして働けて、自主的にやりがいを感じて働ける会社を目指そうというふうに考えました。
会社というのは社員が中心に働いているわけですし、しっかりと社員が自分の仕事に対してやりがいだったりとか、待遇だったりとかそこに関して満足していれば、しっかりとしたサービスをお客様に提供できるというふうに考えましたし、結果として業績が伸びて、株主さんだったり各ステークスホルダーも満足いただけるんではないか、という考え方に基づいて、その延長線上でやらせていただいているということでございます。
人の思いが仕事になり、その仕事が人の心を支える。ビジネスだけでは語れない覚悟が試される仕事、それが燦ホールディングスを支える「人」の力。
野呂が抱き続けるチャレンジ精神の原点とは?
坪井 さて番組ではリーダーズチョイスと題しまして、ゲストの方に選択の基準、敬愛の人、賢者の文の三つの中からカードで一つ選んでお話しいただきたいと思います。それでは野呂社長、よろしくお願いします。
野呂 はい。真ん中を選ばせていただきます。
坪井 「敬愛の人」どなたでしょうか?
野呂 敬愛の人と申しますと失礼に当たるかもしれないんですけども、大学時代のゼミの教授である清成忠男先生でございます。
坪井 先生の教えの中で心に残っているものかいうのはどんなものがありますでしょうか。
野呂 ゼミ生が中小企業論ということで、ベンチャービジネスというようなものが主題でございましたので、ベンチャー精神といいますか、チャレンジし続けるということが大切なのではないかというふうに考えております。会社におきましても、常に環境の変化に合わせて変わり続けないと、いつか斜陽になることも想定されますし、常に環境に合わせてチャレンジし続けることが重要ではないかなというふうに考えておりまして、ルーチン業務ばっかりをやったとしても結果が出ないということもございますので、しっかりとチャレンジ精神を忘れずに対応していきたいというふうに考えております。
坪井 野呂社長、今後の展開についてはどのようにお考えでしょうか?
野呂 はい。変わらないものについてはしっかりと確固たる理念みたいなことはこれからも守り続けていきたいというふうに考えておりますが、営業展開で申しますと、出店であったりとか新規事業についても、リスクをとりながらも積極的にチャレンジして、中長期的に安定して継続的に成長できるように、この会社を経営していきたいというふうに考えております。
宮川 今日は「寄り添う」という言葉がたびたび出てきましたが、「寄り添う」あるいは「人」とか、そういうものが非常に大切な会社だっていうことがよくわかりました。今日はどうもありがとうございました。
野呂 ありがとうございました。
敬愛の人-清成忠男先生。常に開拓者精神を持ち、環境の変化、時代の変化をチャンスに変えていく。それが、ベンチャービジネスという言葉を世に送り出した恩師から受けた薫陶。その思いを胸にこれからもリーダーとしてチャレンジし続ける。
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