世界の足元へ「よろこびを敷きつめる」、創業百年を見据えた伸びしろはどこだ
東リ株式会社
代表取締役社長
永嶋 元博
兵庫県伊丹市、この町に大正時代に建てられ、今も尚保存されている建築物がある。95年前の1919年大正8年に創業した会社の本館事務所である。その会社とは床材などに使われる、国産リノリウムを日本で初めて製造販売した、東洋リノリユーム株式会社、のちの東リ株式会社である。東リの95年の伝統と確かな技術に裏付けられた製品の数々は、社会の様々な場所に使われている。5年後の創業百年に向けて、更に飛躍するべく経営戦略をはかる、東リ株式会社 代表取締役社長・永嶋元博に迫る。
蟹瀬賢者の選択Leaders、ナビゲーターの蟹瀬誠一です。
白石白石みきです。
蟹瀬今回は僕の大好きな、インテリアを取り上げたいと思います。
白石インテリアですね。
蟹瀬白石さん、インテリアと聞くとどんなものを思い浮かべますか。
白石広くいいますと、お部屋の内装から始まって、装飾品であるとか照明器具とか、床だっていろいろありますよね、じゅうたん、フローリング、カーペットなどありますけれども。
蟹瀬だいたいインテリアというと、普通の家の中のものを考えるんですけれども、実際には病院があったり、商業施設だとか、ほとんどの建物、全ての建物と言ってもいいかもしれませんね、その内装部分がインテリアなんですね。というわけで今回は、独自技術の床材やカーペットから壁紙まで扱う、インテリア業界のトップメーカーに着目いたします。
白石本日のゲスト、東リ株式会社 代表取締役社長の永嶋元博さんです。よろしくお願いいたします。
蟹瀬よろしくお願いします。
永嶋こんにちは。
白石早速なのですが、東リの特徴を一言で表現いたしますと、どうなりますか。
永嶋より豊かな住生活空間づくりに貢献する会社です。
蟹瀬もう私たちの生活に密着しているということですよね。
白石番組では3つのキーワードで、進行させていただきます。まず最初のキーワードは何でしょうか。
永嶋匠の精神です。
蟹瀬匠というのは日本の強味ですからね。楽しいですね。これからどんな話が伺えるのか。
永嶋よろしくお願いします。
白石よろしくお願いします。
永嶋元博は1959年埼玉県に生まれる。1982年学習院大学経済学部卒業後、東洋リノリユーム株式会社、現在の東リに入社。2001年経営企画部次長に就任。その後経営企画部部長兼総務人事部長をなどを歴任。2007年執行役員に就任。2009年取締役執行役員、営業本部長を経て、2012年代表取締役社長に就任。現在に至る。
白石永嶋社長のプロフィールを拝見いたしますと、学習院を卒業後東リに入社されて、インテリア業界一筋で、社長にまで上り詰められたわけなのですが、東リに入社した経緯をお聞かせください。
永嶋私の父が古くから、内装工事業を営んでおりました。そんなあいもございまして、当時インテリア業界では床材の専業メーカーでございました、当社に入社いたしました。当時は床材の専業ということで、会社のキャッチフレーズが「喜びを敷き詰める」という言葉だったんです。そのキャッチフレーズ、「喜びを敷き詰める」という言葉が、非常に印象に残りまして、世の中に夢を与えるような、非常にいい言葉だなと感銘を受けました。こんなことも、私が会社に入った経緯の一つかなと思っております。
蟹瀬東リっていう企業は、創業されたときというのは、どういうものを扱われていたのでしょうか。
永嶋明治20年に創業者のお1人が、北陸の金沢の地で稲の藁で作りました、「由多加織」という敷物の製造で事業を起こしました。当時「由多加織」という織物をですね、輸出をしようということで、港に近い、神戸に近い、兵庫県伊丹市に移りまして、大正8年1919年にリノリウムの製造販売で操業を開始いたしました。そこから当社の歴史が始まったということになります。
蟹瀬リノリウムっていうのは、われわれの世代は「これだね」とすぐにイメージできるんです。白石さんなんてどうですか。
白石初めて聞いたんですけれども、どういったものなんですか。
永嶋リノリウムと申しますのは、天然素材100パーセントの床材の1つです。亜麻という植物から取れます、種から取ります亜麻仁油、それから松ヤニ、コルクの粉、それに顔料、こういったものを混ぜましてシート状やタイル状にしたものです。国産メーカーといたしましては、当社が日本で初めて製造販売をスタートいたしました。商品の特徴としましては、床の敷物として適度な弾力性がございまして、抗菌性にも優れているということで、当時は学校や病院をはじめ、公共施設ですとか商業施設、オフィス、こういった様々な場所で使われてきた床材でございます。
白石すばらしい技術だと思うんですけれども、最初のキーワード、「匠の精神」とお答えになられましたけれども、このことについて詳しくお聞かせください。
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