



となると、円安是正の抜本策としては、「安くて弱い通貨の国」から脱却するため、日本経済そのものを強くする方策を再構築する以外に手がない。端的には、経済のイノベーション力をフル稼働させること、そして、世界中の国々から「日本はたくましい。高齢社会国化しつつあるのに、経済大国としての力強さを失っていない」といった評価を得るためのアクションなどの対策を講じることが重要になる。しかし、現状は政策対応が出来ていない。
しかも、日本は、課題山積だ。人口の少子化が進む一方で、人口の高齢化が強まって、超高齢社会国家となりつつある。成熟度の高まった国と言えば聞こえはいいが、取り組み課題が多い老大国になりつつある。話は、堂々巡りになるが、日本は、政治のリーダーシップによってアグレッシブに対応、タフで力強い国に切り替えていく大胆さがやはり必要になる。
日本経済、とくに実体経済を支える企業にとって、為替レートはどの水準が望ましいのだろうか。最近の日銀短観(短期経済観測調査)によれば、企業は為替見通しについて150円前半を想定している。率直に言って、企業の実力度から見て、弱気過ぎる、と思う。
為替レートは需給関係で決まり、極めて相対的なもので、絶対レベル、というものはない。ただ、これまで実体経済を取材してきた経験でいくと、日本経済にとって1ドル110~120円が落ち着きどころでないか。日本企業にとっても競争力を発揮できるレベルだ。
通貨安が実体経済に大きな影響を及ぼすのは、言うまでもない。そのいい例がインドだ。インドは、巨額の原油輸入の赤字がそのまま貿易収支全体の赤字となるリスクを抱え、それが通貨に波及しルピー安、そしてGDP(国内総生産)ダウンとなっている。日本もインドと同じ輸入構造だが、経常黒字があり、通貨安に振り回されるインドとは異なる。しかし日本も円安が行き過ぎたレベルにあり、通貨安の実体経済への影響に無関心でいられない。
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