「楽しさを、手軽に」。”室内”だからこそ描ける、ゴルフ業界の救いと未来
GOLFZON Japan株式会社
代表取締役
今野 晃広
2009年、ゴルフシミュレーター販売会社として設立された、GOLFZON Japan株式会社。ゴルフシミュレーターとはセンサーが取り付けられた打席でボールを打つと、スクリーン上で弾道や飛距離などが再現できる室内用ゴルフ設備のこと。現在、GOLFZON Japanは日本国内でのゴルフシミュレーターの販売、店舗運営事業、オンラインサービス事業を中心に展開をしている。1990年代までは右肩上がりに増えていたゴルフ人口だが、2000年以降、徐々に減り、近年ではピーク時の半数以下にまで減少した。代表取締役・今野晃広は、この状況をいかに乗り切るのか。
福井 結構、最初からOBを出してしまいましたけれども。
蟹瀬 いやいや、福井さん、フォームいい!
福井 そうですか。ありがとうございます(笑)
蟹瀬 いいゴルフすると思います。
福井 でも、本当にすごく集中できて、これはとっても練習になるなと思いました。
蟹瀬 僕も実はシミュレーションは時々、練習で行くのですけれども、昔から日本にあったというわけでもないですよね。
今野 韓国では、我々の会社ができたちょうど2000年なのですが、日本に入ってきたのが、10年ぐらい前でそれから徐々に広がっていったという状況ですね。
蟹瀬 では、韓国はいわゆる、シミュレーションの先進国みたいな存在なのですか?
今野 そうですね。韓国では、我々のシステムを導入していただいている施設が約5,000施設ございます。
今野 それに加えまして、我々は大田(テジョン)に本社屋を持っているのですが、そこをZOIMARU(ゾイマル)と呼んでいまして、ゴルフの複合施設、シミュレーションゴルフももちろんありますが、近隣の方々が遊んでいただけるフィールドもたくさん作っておりまして、あと、お買い物、お食事なども楽しんでいただける施設を運営しているんですね。そこに、たくさんの方がいらっしゃって、若い方から年配の方まで集まっていただいて、シミュレーションゴルフに触れていただいています。そのZOIMARUという施設の中では、プロのトーナメントも開催しているんですね。年間に男女合わせて18試合なのですが、決勝のラウンドの際には、テレビで生中継も行っております。
福井 そんな韓国でのシミュレーションゴルフの人気をこの方に伺ってまいりました。ご覧ください。
福井 よろしくお願いします。
イ・ボミ よろしくお願いします。
福井 今、日本では、ゴルフはお金持ちの人の遊びというイメージがどうしても残っているのですが、韓国でのシミュレーションゴルフの人気というのはいかがですか?
イ・ボミ そうですね。韓国もそんな感じなんですけど、シミュレーションゴルフの人気が出た理由はたぶん、ちょっと安くても、コースを回ることができることが魅力的なのかなと思います。
福井 確かに、時間がない人でも時間を選ばずにできますものね。
イ・ボミ そうですね。それが一番いいことかなと思います。
福井 割と、若い方もたくさんやられているのですか、韓国では?
イ・ボミ そうですね。やはり、シミュレーションゴルフが人気になって、若い人たちもゴルフができるようになったのかなと思います。
福井 なるほど。では、ゴルフ人気はシミュレーションゴルフのおかげかなと?
イ・ボミ 私は思います。
福井 なるほど。よく、やられるのですか? シミュレーションゴルフは?
イ・ボミ はい。私は好きです。韓国に帰ったら、シミュレーションゴルフに行って、練習したり、ゲームしたりします。
福井 どういうときに行くのですか?
イ・ボミ 今は韓国もすごく寒いので、やはり、練習場に行かないとダメなんですけれども、寒いと、身体が痛くなる可能性もあるから、シミュレーションゴルフのほうがよいと思いますので、便利です。
福井 日本だと、なかなかそこまでたくさんないのですが、そういう現状はどう見ていますか?
イ・ボミ そうですね。もうちょっとあったほうがいいかなと。シミュレーションゴルフの楽しさもあるので、ぜひ、皆さんに楽しさを分かってほしいなと思います。
福井 はい。実際に、イ・ボミプロもシミュレーションゴルフをやられているということで、なかなか日本ではあまりプロの方がシミュレーションゴルフというイメージがなかったので、私はとても驚きました。
蟹瀬 僕はイ・ボミさん、かわいいな……と、おもわず、そちらのほうにばかり目が行ってしまいましたけれども……。
福井 本当に美しいアスリートですね(笑)
蟹瀬 日本でのシミュレーションゴルフの認知度はどのくらいなのですか、今?
今野 なかなか数値で表すのは難しいのですが、我々が運営している日比谷の直営店にも数多くのお客様がいらっしゃっていただいていますし、新規でいらっしゃる方が非常に増えています。それで、我々の2017年度の実績でも、累計で約1,000台以上の導入実績がございますので、年々、認知度は上がってきているという印象があります。
蟹瀬 韓国のほうではトーナメントなどが先ほど、(VTRに)ありましたけれども、日本でもそういう方向性なのですか?
今野 そうですね。2017年の年末にプロのトーナメントを開催いたしました。
こちらは2017年12月に開催された、WGTOUR Japan 2017。このツアーでは同じコース、同じ環境条件に設定された4台のゴルフシミュレーターを使用。女子プロゴルファー16名が二人一組でマッチプレーによる予選を行い、勝者8名がストロークプレーによる決勝トーナメントを戦った。
蟹瀬 実際のゴルフ場でやるゴルフとシミュレーションというのは当然、違うとは思うのですが、具体的にはどんな違いが注目されるのですか?
今野 今回のトーナメントは通常のトーナメントと大きく様相を変えました。大きなポイントは、静かにしていただかなくて結構ですということです。写真撮影も動画撮影もプレー中、OK。加えまして、実況もいれまして、シーンとした環境ではないところで、プレーをしていただいて、観客との接点の多さも通常のトーナメントとはまったく違う環境でやっていただきました。
蟹瀬 見るほうもリラックスして、見られるというのもありますね。
今野 はい。お客様とプロ同士で、ハイタッチをする様子もありましたので、非常に和やかに気楽に、かつ、真剣にプレーをしていただいている印象ですね。
蟹瀬 当然のことながら、普通のトーナメントみたいにぞろぞろ歩いていかなくてもいいというのはメリットと言えば、メリットかもしれませんね。
今野 そうですね。一定の場所で一定の距離感で見られるということは、非常に観客のメリットになると思います。
福井 なるほど……。
福井 先ほど、潜在層の話もありましたが、これからシミュレーションゴルフを始めたいなという方にはどのように、今野さんは楽しんでいただきたいと考えていらっしゃいますか?
今野 ゴルフの参入の障害になっている、遠いとか、道具を買わなければいけないとか、ルールを覚えるのに非常に時間がかかるとか、というところを我々のシミュレーションゴルフを使っていただいて、一定のレベルの学習をしていただく、かつ、ゴルフの楽しさ、当たってボールが飛んでいくといった様子を体験していただいて、フィールドに行っていただくという流れを作っていけたらなと思いますので、手軽に来ていただきたいなと思います。
蟹瀬 ナイスショットをしたときのあの感激といいますか……。
あれはほかのものには変えられないところがありますので、それをここでまず覚えて、ゴルフ場へ行くと、ゴルフ全体の普及にもつながっていく感じはしますよね。
今野 はい。そう、確信しております。
誰でも気軽に楽しむことが出来るシミュレーションゴルフを通じて、ゴルフ人口の増加に貢献する。それがGOLFZON Japanの使命。
蟹瀬 ここまでの話を伺っていますと、やはり、シミュレーションゴルフの楽しさ、それから、手軽さというのはとてもよく分かったのですが、これからさらに拡大していくということになると、この店舗展開というのはとても重要になると思いますが、そのあたりはどういうふうにお考えになっていますか?
今野 ビジネスとしておやりになる方、福利厚生で導入される方、はたまた、個人宅に導入される方、数多くいらっしゃいますが、とくに、我々が一番気を付けていることがビジネスで展開される方々のコンサルティングですね。たとえば、賃料が安いけれども、立地が芳しくないとか、人目につかないところで逆に余計に販促費がかかってしまうというパターンが比較的多いですね。
蟹瀬 ああ、なるほど……。
今野 そういった方々には非常に注意深く、出店のご指導をさせていただいて、店前の通行量とか、運営の仕方などを、良い形でビジネスを展開してあげるように、コンサルをしております。
関係者 今まで、我々の諸先輩方の年齢層、団塊世代の方たちがゴルフは主流だったのですけれども、若い方、しかも、ビギナーの方が気楽に楽しめている風景や場面を目にします。実際に、ゴルフ場を回っているような体感が得られる部分、それとゴルフを一日ラウンドするのにあたって、いろいろな準備や時間を要すると思うのですが、その点が省かれていますので、まず、初心者の方とか、これからゴルフを始めようという方には入り口としては入りやすいと思います。そのきっかけ作りで使っていただいて、その先に本当にゴルフ場に出向いていただいて、真のゴルファーが生まれていくことを期待しています、我々としては。
福井 さて、今後、シミュレーションゴルフをどのように展開していきたいとお考えですか?
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