世界シェア8割の根幹!「オープンでフェア」な判断が、結束と対話をつくる
株式会社堀場製作所
代表取締役会長兼社長
堀場 厚
目まぐるしく変化する社会情勢。そんな時代にこそ、その先を読み、己の信念と緻密な戦略のもと、大胆な決断をくだす賢者たち。人生のさまざまな局面で、彼らは何を考え、どんな選択をしてきたのか。分析機器メーカー、株式会社堀場製作所の選択、堀場厚社長の決断とは?
堀場やはり社長ができることというのは、やっぱり1人の人間でしかないわけですから限界があるんですけれども、いろんな人たちに会いたい。仕事をする場を提供していくということができる。で、我が社ではよく言っているんですけど、われわれの社員の中にはスーパーマンはいないと、父の頃は結構スーパーマンがいたんです、創業当時は、非常に変わったかたがたでしたけど。
で、最近はそのスーパーマンはいないと、でもスーパードリームチームはつくれると。モザイクってあるじゃないですか?
蟹瀬ええ、いろいろくっつけて?
堀場あれを一つ一つ見ているとそれほど輝きがなくても、それを組み合わせたら素晴らしい絵ができていくではないですか。それと同じだと思うんですね。だから会社というのはいろんな、全て万能な人はいないけど、いいとこ取りをこうして組み合わせていくと、スーパードリームチームができると、それをするのが社長の役かなと思うんですけどね。
蟹瀬あと、そんな中で人材というのをどういうふうに育てていく、あるいはまとめていくんでしょうか?
堀場財産の財ってしているんですよね。本社、あるいは工場というのはお金を出せば買えるものですけど、人材はお金を出しただけでは買えない。むしろ時間がかかりますよね、それから経験を積まないといけない。ですからやはりその人材というものがポイントだろうというふうに思っていますね。
蟹瀬そうですね。お誕生会をやってられる?
堀場そうです、毎月誕生会をやる……。
津島毎月?
堀場毎月ですね、今、全社員は5,000人で日本は2,000人なんですけれども、日本では毎月、ですから大体100人ぐらいの社員を相手に誕生会をするんですけど、で、最初の20〜30分だけ私がその1カ月のトピックスの話をするんです。そうしないと、大体社長の話なんて聞きたくないけど、トピックスだったら聞きたいわけですよ。フレッシュな話をするわけです、仕事以外の話を。で、それをして、あとはホテルのケータリング、さっきの食の文化で、安物のケータリングではなくてホテルのケータリングで、で、全員がちゃんとスーツを着て正装して。その代わり管理職は1人もいないんです。
津島ざっくばらんに。
堀場ざっくばらんに。そうすると、いろんな情報が入ってくる(笑)。
津島入ってきますか(笑)。
蟹瀬でしょうね。今まで上がってこない話がですね。
津島なるほど。
堀場言ってるはずとか、絶対反対されていたのが担当の人たちはみんな賛成だったりとかですね。
津島意外なところ。
蟹瀬従業員の人から見ると、社長と直接話せる機会って、企業が大きくなればなるほど少ないわけですから、それを毎月そういうのがあるというのは素晴らしいことですよね。
津島いいですね。
堀場当然、全ての人と話せないんですけれども、話そうと思えば話せるという場をつくっておくことに意義があると思うんですね。
蟹瀬ところで今は世界的な金融危機ですけれども、これは堀場さんはどういうふうにとらえていらっしゃるんですか?
堀場そうですね。当然ながら、思いの外きつい、厳しいですけれども、ただやはりこれ、デスレースみたいなものだと思うんですね。やはり最後まで生き残らないといけない。ただ一方、私、ヨットをアメリカの大学のときにも授業で取ったんですけど、今も乗っているんですけど、ヨットを見ると一番いいと思うんですね。ヨットというのは追い風のときは、性能のいいヨットも悪いヨットも追い風ですから風より速く走れないんです。だからほとんどスピード一緒なんですね。ただアゲインストのときに、いいヨットは角度をきつくあがれますからスピードが上がるんですね。極論すると、風よりもスピードが速くなるんですね。
堀場向かい風というときが一番差が出るときなので、このときに真面目に操作したら、チャンスがあるのではないかというふうに思ってるんですけども。
蟹瀬じゃ、今、そのいろいろタックしながら……。
堀場スタックしながら、ギャーギャー言いながら(笑)。
蟹瀬アゲインストの中を進んでいっていると?
堀場そうですね。
蟹瀬今後なんですけれども、堀場さんは割と教育に関しても相当いろいろ一家言お持ちだと伺ったんですけど。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク