成長を遂げる過程で顧客のニーズを掘り起こす元となった「2人の消費者」とは?!
株式会社マルカン
代表取締役社長
松本 幸彦
総合ペットメーカーとして成長を遂げ、2012年には全国の中小企業の中から経済的社会的に優れた成果を挙げている企業に贈られるグッドカンパニー大賞グランプリを受賞するなど、ペットビジネス業界のリーディングカンパニーとして業界を牽引し続けている。株式会社マルカンのリーダー、松本幸彦の成長戦略に迫る!
松本ワンちゃんのベビーカーなんか見られたことはありませんか。
蟹瀬うちの近所でもね、ワンちゃん乗せて散歩している方いらっしゃいますよ。「犬の散歩になってないぞ」と。
松本そうなんです。人間が散歩されているんじゃないかというような感覚になるんですけれども、あの商品はですね、実は私共が世界で一番最初に発売した商品なんです。
白石そうなんですか!
松本これは動物病院に、やっぱり生き物なんで、健康でずっといてくれればいいんですけれども、足が悪くなった、関節が悪くなった、じゃあその時に小さいワンちゃんでしたら抱っこして行けるんですけれども、中型犬、大型犬になってくると飼い主さんも非常に大変だと。
蟹瀬そうですね、もう30キロ、40キロになってきますからね。
松本そうなんですよ。その光景を見て、これはそういうベビーカーができないかというところからスタートした商品なんですね。でも最初は反対されましたね。社員から「これはダメだろう」と、「ベビーカーはないんじゃないですか」と。「いや、やらしてくれ」と「一回出してみよう」ということで出しましたら、ものすごく売れたんです。
蟹瀬やはりそこに、潜在需要があったということですね。
松本はい、ありました。
蟹瀬僕の周りにも、やはり犬とか猫とか、特にワンちゃんが年を取ってくると、なかなか散歩が難しい。で、飼っている我々の方も年を取ってくるわけですよ。そうすると、散歩の時に、やはりそういうベビーカーみたいなのに乗っけていければ、すごく楽だっていうのがわかりますよね。
松本そうですね。大体ワンちゃん散歩に連れて行くと、行く時はいいんですけれども、帰りはもう疲れちゃって大体抱っこされているか……。
白石動かなくなっているワンちゃんっていますよね。なんかもう行きたくないっていう風にして。
松本はい。その子をどうすれば飼い主さんが楽に、飼育環境を整えてあげることができるかというのが、良かったのかもわかりませんね。
蟹瀬実際には散歩の運動だけじゃなくて、実際に飼い主と一緒に外へ出て行って、同じ景色を楽しむっていうのが、僕は犬飼っていてなんとなくわかるのですが、犬の方も嬉しい気持ちになりますよね。ただこれだけいろんなもの作ってくると、かなりの失敗例があったのではないかと想像するのですが、よろしければ「こういうのは失敗した」というのも教えてもらえますか?
松本あんまり覚えてないですけれどもね。ポジティブにいこうということで。(笑)
蟹瀬(笑)忘れようと?
松本ええ。ただ一つよく覚えている商品がありまして。ワンちゃんの首に匂いをつけようと。要は、芳香剤のカラーをつけようということで、一度開発した商品があるんですね。毎日シャンプーはワンちゃんしないですよね。やはりちょっと臭いがするなと、飼い主さんが気になられるんじゃないかということから、作ったんですけれども。実はもうご存じの通り、ワンちゃんは鼻がいいんですよね。
蟹瀬人間の何百倍ですからね、嗅覚は。
松本そうなんですよ。すごく嫌がってですね。人間にはいい匂いがしているんですけれども、ワンちゃんからしたらものすごく迷惑。
蟹瀬それはそうだと思います。
白石こんな近くに。
松本もうその商品は売れなかったという覚えが。すごく覚えています。
蟹瀬それは、やはりその飼い主っていうか、人間側の思いだけしか入ってないということですよね?
松本そういうことです。ですからやはり、飼い主さんとペット両方の消費者と。2人の消費者ということを考えて商品開発をしないとですね、そういう商品が出来上がってしまうということになりますね。
蟹瀬大体そういう芳香剤を首に巻こうなんてね、そういう楽なこと考えたらいけません。(笑)ちゃんとお風呂に入れてあげないと。
松本(笑)そうですね。毎日お風呂に入れてあげてね。
蟹瀬そういう失敗のいろんなものが出てくる、そんな中で当然お客さんが今どういうものを求めているとか、こんなことで苦労していますっていうような意見を、集めないとなかなかアイデアって出てこないですよね。これはどういう風な形でやってらっしゃるのですか?
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